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パラレルワールド

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小説や詩など!
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#夢日記

パラレルワールド・シンドローム

やり残しのある人生。私たちは人間だから完璧に美しい訳じゃない。やり残したことがあってもそれがどうしても人間臭くて、それがその人の生きた軌跡になるから、それを誰かが受け継いで語り継いでいくから。私たちは完璧じゃない。歪さを愛して、今生を今。その後の未来も余生も想像して。すべてを飲み干そうとしなくていい。それがその人の強さであり弱さであり、その人自身の生きた軌跡。生まれてきたことは奇跡。
ノイズに怯え

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幸せの放物線

友人の話。座標軸の世界線について。
x軸y軸、z軸は友達や恋人、家族の世界線を表していて私たちは0の原点から動いて自分を形作る。私たちはペルソナをいくつも持っていて、この世界線においてニュートラルな自分自身として存在しつづけ、秩序を描いて幸せの放物線を描写する。ゼロからスタートして、奇跡のような軌跡を描く。自分自身の計算が合わなくても、ゼロに潜水して鍵を探しにいく。
代数や幾何学の世界のことはよく

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humanism

光に焦がれる
触れようとして堕ちる
それでも生きるという時間と行為を愛することをやめられない
寄せては返して遠ざかる潮騒
都合良く消された記憶が疼痛と共に呼び覚まされても
傷つけ合い奪い合っても
愛おしいほどに生きるのをやめられない

2022/04/19

empathy

いつしか視た夢。起き抜けは暖かく、柔らかだった。ぼんやりとした夢現の中で何故か涙が頬を伝っていた。
瞼を閉じて、その裏で思い起こす記憶。
ショートフィルムのような色調で甦る。ほの明るい寝室のベージュ。薄ピンク。イエロー。三色を、柔らかな水で薄く溶いて空間に零して、広げたような小さな部屋。
誰かが強く、だけどやさしく何かを込めたように私の手をベッドの上で握りしめている。
通じ合ってひとつになった心と

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リラ

死の余韻は表に返せば生きていた証拠になるよ

またね

幾星霜にも連なるこの世界の一番きれいな場所にきみは泳いでいる

桜の花びらが唄うようにくるくると舞っていた

夢の中で泡沫と光粒になって現れた

いつまでも笑っていて、と言っているようだった

喪失をしてもいつまでも空蝉になっていてはいけないのだ

2時間で儚く白い骨片のあつまりになった

散歩の好きだった彼女の骨だと思った

夏、オレンジビターショコラ

オレンジビターショコラ。
甘いひとときは舌先で一瞬。
危険で苦い恋はオレンジと夏に溶けていく。儚い時間。甘い魔法はほんのエッセンス。神経にひとさじ快感を。アドレナリンが魅せる夢。
優しさと甘さは違う。純粋な17歳みたいに戻ったみたいなそんな時間。ずっと夏の夜のままだったらよかったのに。だけど巻き戻せない。誰にも巻き戻せない。みんないつか星屑になる。だから生きていた証拠に恋をして愛を与える。優しさは

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