夏、オレンジビターショコラ

オレンジビターショコラ。
甘いひとときは舌先で一瞬。
危険で苦い恋はオレンジと夏に溶けていく。儚い時間。甘い魔法はほんのエッセンス。神経にひとさじ快感を。アドレナリンが魅せる夢。
優しさと甘さは違う。純粋な17歳みたいに戻ったみたいなそんな時間。ずっと夏の夜のままだったらよかったのに。だけど巻き戻せない。誰にも巻き戻せない。みんないつか星屑になる。だから生きていた証拠に恋をして愛を与える。優しさは誰のものでもない。僕は何も知らない。
だけど、すれ違った先にいた君に愛を。抱擁したかった君に優しさを。月がみている。少し先の時間軸から、君がみている。
手に汗握って、少し緊張しながら微笑んでずっと先まで届けって。君が言ったんだろ。
この世に星屑を散らす。君は神様。
冗談めかして泣いてる君はただの人。
誰かが気づけばいいのに。誰も気づかない。秘め事は心の中に。優しさふわり。この世はきれいなんかじゃないってみんな感じてる。そんなときはリアリティと想像力を。優しさはここにあるんだって忘れないで。リアリティは強さだって気付いてる?ふたつの目で世界を見ろ。これは恋愛なんかじゃない。ただの優しさだってこと君は知ってる。ずっと初めから知っていたよ。通りすがりの、君へ。声にならない手紙をしたためる落下する夕暮れ。
どこかにいる、でもここにはいない君を今みて抱きしめている。

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