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絵の具「マミーブラウン」のこと

京都芸術大学通信学部でグラフィックデザインを学ぶ、とある社会人学生の記録。

最近読んだ本 「世界のふしぎな色の名前」

!グロい系の話が苦手な方には、控えていただきたい内容です (念のため前置き)!

なんとなく、図書館で目についた色に関する雑学系の本。
ポップでカジュアルな装丁にも惹かれて読んでみることにしました。

この本は、世界中のさまざまな色についた不思議なネーミングの背景(文化や歴史)を紹介するというもの。肩肘はらずサクッと読めて、へぇ〜と感じる面白い本でした。がしかし、そこで知ってしまった衝撃の事実・・・

「マミーブラウン」について

”マミーブラウン” とはどんな色? かというと「ブラウン」という名前から分かる通り、茶色の絵の具です。問題は、前の部分です。英語が得意な方ならすぐに察しがつくかもしれませんが「マミー」とは、ミイラ(mummy)の事です。私は、洋画のような絵は描かないので、この絵の具の存在も色についても知りませんでした。そして、さらに衝撃の事実を知ってしまいました。。。

実は、この絵の具は本物の古代エジプトのミイラをすりつぶして原材料としたものだったのです!!!!!絶句!!!!!(マジですか・・)

この絵の具、16〜17世紀に当時のヨーロッパの絵画に好まれて使われたらしいです。のちにこの原料の正体が、画家たちに知れ渡るにつれ、絵の具は使用されなくなったようですが。。。(はじめ画家たちは知らないで絵の具を使用していた)それにしても驚きでした。絵画史のタブーといえますね。西洋絵画の裏側の世界へようこそって感じ。。当時は、ヨーロッパとエジプトの交易が盛んに行われていたようです。まさかミイラを交易で取り扱っていたとは・・・今後、この時代の西洋絵画を鑑賞する機会があったら、見方が変わりそうです・・・

もちろん現在の絵の具にはミイラは使われていません。”マミーブラウン”という名前だけは残り、普通に鉱物系顔料の絵の具として販売されているようですね。

それにしてもいつの世も、一番恐ろしいのは人間です・・・

ここまでお読み頂きありがとうございました

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