バンナー星人

2004年よりタイ在住。バンコクの公立学校にてタイの高校生に日本語を教える傍ら、201…

バンナー星人

2004年よりタイ在住。バンコクの公立学校にてタイの高校生に日本語を教える傍ら、2017年に、高野山大学院通信課程密教学修士号取得。仏教とオカルトが織りなすアメイジングなタイの魅力にとりつかれている。

最近の記事

『タイぐるり怪談紀行』を振り返ってみた(未掲載怪談のおまけつき)

どうも、バンナー星人です。 バンナー星人著『タイぐるり怪談紀行』ですが、早いもので発売から半年近くが経とうとしています。 「怪談」をたどりながら、タイを一周し、その土地独特の文化や人々の生き方に迫ってみようというコンセプトとともに、コロナ禍の厳しいロックダウンの中で書き上げたこの本。自分で言うのもなんですが、「かなり面白い」内容になっています。ただ自分が「面白い」と思うものが、一般世間からは割とずれているといるので、この本がいわゆる「売れる本」ではないということも客観的に

    • ナンプラーのかほり#8  カラフル文化

      どうも、バンナー星人です。 あれは2005年のこと。タイ人が日本を旅行するためには、まだビザが必要だった当時、友人を日本へ連れていったことがあります。ビザを取得するのも簡単ではなく、ホテルではなく私の家に泊めるにも、そのタイ人との友人関係を証明する写真の提出まで求められました。その頃はバーツに対して円も高かった上、タイ人の所得も今よりずっと安かったこともあり、日本はまだまだ旅行に行くには敷居の高い国だったわけです。 彼らの目に初めての日本はどのように映るのかは、私にとって

      • ナンプラーのかほり#7 バンコクとバンコク以外

        どうもバンナー星人です。 かのローランド氏の名言に「ホストには2種類いる。俺か俺以外だ」というものがありますが、実はこの名言が生まれるずっと前から、「タイは大きく2つに分かれる。バンコクかバンコク以外だ」としばしば評されてきました。バンコクとそれ以外の地方、そこにはローランド氏とそれ以外のホストどころではない隔たりが存在しているのです。 そんなことを言ったら、日本だって「東京と東京以外」と言えるんじゃないかとおっしゃる方もいらっしゃるでしょうが、残念ながらそうではありませ

        • ナンプラーのかほり#6 タイポリス

          どうも、バンナー星人です。 先日のことですが、わたしが勤めている学校からほど近いホイクアン警察がちょっとした話題になっていました。タイでは違法とされる電子たばこを所持していた台湾人女優に対して、見逃す代わりとしての賄賂を要求した件を追求され、6人の警官が逮捕されたのです。 実際、この電子たばこに関しては、日本人が多く生息する場所を狙ってこっそり監視し、獲物がアイコスを取り出し一服ついた時点でニヤニヤ近づいてくるというそのやり口が、以前から問題になっていました。まあやり方だ

        『タイぐるり怪談紀行』を振り返ってみた(未掲載怪談のおまけつき)

          ナンプラーのかほり#5 タイ沼誕生のずっと前から・・

          タイ沼という言葉が生まれるずっと前、とある女子大学生にプライベートで日本語を教えていた時のことです。「実は」という言葉を使って簡単な文を作ってと言ったところ、思いもかけぬこんな告白を受けてしまいました。 「実はわたし腐女子なんです」 腐女子。言葉の移り変わりが激しい中、現在もこの言葉が使われているのかはわかりませんが、この言葉をご存知ない方のために、ウィキペディア先生の定義を引用させていただくと、「やおいやボーイズラブと呼ばれる男性同士の恋愛を扱った小説や漫画などを好む女

          ナンプラーのかほり#5 タイ沼誕生のずっと前から・・

          ナンプラーのかほり#4 当たり前が消えたタイランド

          どうもバンナー星人です。 私、先日2月9日に55歳をむかえ、元気ならあと5年は今の学校で勤めようかなと思っているのですが、今日の記事はその誕生日に起きたある出来事がきっかけになってつらつらと考えてしまった、そんな内容になっております。 その日、中3クラスの授業終わりに突如ハッピーバースデーの合唱がはじまりました。誰か私の誕生日を知っていたの?と思ったのですが、残念ながら視線が注がれていたのは私ではなくひとりの男子生徒。先生も誕生日なんだよと、彼に近寄り年齢を聞くと16歳に

          ナンプラーのかほり#4 当たり前が消えたタイランド

          ナンプラーのかほり#3 タイ的時間

          どうも、バンナー星人です。 タイトルからもピンと来られた方も多いと思うのですが、今日は日本人の口からはあまりいい評判を聞かないタイ人の「時間感覚」について書いてみようと思います。「タイ人は時間にルーズだ」と断罪する厳しい意見や「いやいやおおらかなだけだよ」という擁護派の意見などいろいろあるとは思いますが、日本人とは「時間」に対する「感覚」や「思い」が違うのは確かなようです。 以前、私が一時帰国時に両親と飛騨・高山に旅行に出かけた時のことでした。白川郷はタイ人にも大人気のス

          ナンプラーのかほり#3 タイ的時間

          ナンプラーのかほり#2 「残り汁」

          「タイの好きなところといえば?」という質問の上位、いやもしかすると1位に輝くのではないかという回答が「タイ料理」ではないでしょうか。その「タイ料理」に欠かせないのがナンプラーと呼ばれる魚醤。タイ語で「魚の水」という意味のこのナンプラーは、今でこそ日本のスーパーでも手に入るようになりましたが、昭和生まれの私世代からすれば、まだまだ得体の知れない代物だったわけです。さて、今回はこのNOTEのタイトルにもなっているその「ナンプラー」と私の初邂逅の思い出を書いてみたいと思います。

          ナンプラーのかほり#2 「残り汁」

          ナンプラーのかほり#1『扉が開いた』

          はじめましての方も、そうでない方も、どうもバンナー星人です。 プロフィールにも書いている通り、バンナー星人こと私は、2004年よりバンコクに居を移し、現在バンコクの公立学校で日本語を教えるということを生業としています。職場で日本人は私ひとりで周りはタイ人、パートナーもまたタイ人、そういう点では、割と濃い目のタイ移住生活を送っているのかもしれません。タイに移住したのが36歳の時。それから20年近くの時が過ぎ、私もそれなりに歳を重ねてきたこともあるのか、最近「こんなこともあった

          ナンプラーのかほり#1『扉が開いた』