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動悸と疲労感 | バセドウ病体験談#4

今回のテーマは「動悸と疲労感」です。

動悸と疲労感はバセドウ病の症状の中でも、ほとんどの方が経験すると思います。バセドウ病で調べると「動悸」「疲労感」「疲れやすい」という言葉が出てきますよね。

でも、バセドウ病ではない方が想像している疲労感と、バセドウ病の方が実際に感じている疲労感には差があるのではないかと感じることが多々ありました。

今回は、私が感じた動悸や疲労感がどのようなものかをお伝えしたいと思います。バセドウ病の方はもちろん、バセドウ病ではない方にもぜひお読み頂きたいです。

最寄りの駅まで歩けない

最寄りの駅まで歩けず家に引き返したことがあります。母と買い物をする予定で一緒に歩いていたのですが、2,3分歩いたところで「疲れたから家に帰りたい」と伝えました。

私の記憶ではこの1回だけでしたが、母に当時の事を聞いてみると、この出来事以外にも「疲れた」と言うことが多かったそうです。

バセドウ病の時の「疲れた」は、健康な時に感じる「疲れた」とは全く別のように思います。私の中では、健康な時に感じるような、1日外出していた時の疲労感、仕事が終わった時の疲労感、運動後の疲労感、どれもバセドウ病の疲労感とは違うように思います。

健康な時の疲労感は寝ればある程度はリセットされますが、バセドウ病の時の疲労感は寝てもリセットされず、寝ても覚めても心と体がへとへとでした。そもそも、亢進状態で常に不眠状態でした。そんな状態が続いてしまうから、持久力が無く少しの距離を歩くこともできなかったのかもしれません。

階段が登れない

今まで普通に上っていた駅の階段が、途中で休憩しないと上り切れなくなりました。息切れと動悸はもちろん、身体の疲労もあるので階段は本当につらいです。

私が通い続けていたのは、甲状腺疾患の病院として有名な伊藤病院。駅から地上に出るまでに長い階段がありました。その階段をのぼる時の疲れ具合で「今のバセドウの数値はこれくらいかな…」と、血液検査の結果を予想していました。

頻繁に使う階段があると、異変に気が付きやすいかもしれませんね。

物にぶつかる、あざが増える

私の場合、バセドウ病の時は人や物にぶつかりやすく、体や足があざだらけになりました。はじめて発症した時も、再発した時も同じです。

体力が落ちたり、筋力が落ちて体幹が弱くなってしまうからではないかと思っています。先生にも、バセドウ病は筋力が落ち骨がもろくなると言われたことがあります。

体を支えきれず、気が付かないうちにいろいろなところにぶつかっていたのかもしれません。

安静時でも脈拍が100を超える

健康な人の場合、脈拍は1分間に60~90程度です。私の場合、バセドウ病が悪化している時はいつも脈拍が早くなります。

バセドウ病の発症がまだ分からなかった頃、親知らずの抜歯で歯医者さんに行った時に脈の異常に気が付きました。抜歯前の落ち着いている状態で脈を測ったのに100を超えていたのです。

びっくりした看護師さんたちが「緊張してる!?大丈夫だからね!怖く無いからね!」と一生懸命励ましてくださいましたが、実は緊張ではなくバセドウ病のせいでした。

また、バセドウ病は「常に走っている状態」とよく言われますが、何もしていない状態でも暑さを感じていました。そのため夏の暑さとは相性が悪く、真夏は炎天下の中を常に走り続けているような感覚でした。辛いのはもちろんですが、非常に危険な状態です。

発症時は就活中、2度目の再発時は社会人でしたが、どちらも真夏だったので本当に地獄でした。

2度目の再発時は仕事を続けていましたが、猛暑の出勤で体力を使い果たし、座っている体力すらなく、救護室で倒れ、タクシーで早退…そんな日々でした。

また「私のバセドウ病歴」の記事にも詳しく書いていますが、2度目の再発の時は脈が速すぎて血液の供給がうまくいかず、頻繁に倒れていました。だんだんと息苦しくなって、意識が薄くなって、脈が非常に遅くなって、動けなくなる。この症状で一番辛かったのは、倒れている間も若干の意識が残っている事でした。

このまま意識がなくなって二度と目が覚めないのではないか…と、倒れるたびに不安と恐怖で泣きましたし、精神的にも追い詰められました。

自分の心臓の音が聞こえる

自分の心臓の音がうるさいくらいに聞こえます。発症当時は学生で、スーパーのアルバイトをしていました。レジでお客様を待っている間も「ドッドッドッ…」と自分の心音がうるさかったのを覚えています。

レジで立っているだけでも息切れを起こすなんてとても怖いことですが、当時はそれが普通になっていました。

さいごに

私は退職前に、バセドウ病・うつ状態・パニック障害と、後になって分かったのですが恐らく慢性疲労症候群も併発していました。心も体もボロボロで、上司の前でパニックを起こし仕事の引継ぎもままならない状態で休職を余儀なくされました。

退職後は様々な不調に襲われて、布団から起き上がれないくらい酷い状態でした。そこから回復していくのに1年以上かかりました。

バセドウ病になる方は、頑張り屋さんで責任感が強く、心と体を上手く休めることができていないことが多いように感じています。

辛い時は無理をせず、どうか休んでください。頑張りすぎないでください。休むことに罪悪感や引け目を感じることは全くありません。周囲がどんな反応をしようと、自分の心と体を守れるのは自分しかいません。

仕事と病気の両立ができずに毎日のように泣いていた時、旦那さんが「会社はたくさんあるけれど、つのみさんはひとりしかいないのだから」と言ってくれたことがあります。私はそれでも仕事を続けてしまいましたが、今だからこそ私も言いたいです。

最も大切なのは、本人は無理をしない事。そして、周囲は決して無理をさせないことです。

どうか、たったひとりのあなたを大切にしてくださいね。

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