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考古学用語解説

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2019年3月の記事一覧

第334回 勝手に考古学用語解説 No.10 板碑

第334回 勝手に考古学用語解説 No.10 板碑

1、こんな日には悲しいニュースも

今日は季節外れの雪が深々と降り積もっています。

ミヤギはよく冬の終わりに最後の雪が降り、桜と共に眺めることもできます。

さて、今日は勝手に師匠と仰いでいる考古学者さんから、とある町の板碑が復興事業のどさくさで失われてしまっているのではないか、というお知らせをいただきました。

そこで今日は板碑について用語解説をしていきたいと思います。

ちなみにトップ画像は

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第327回 勝手に考古学用語解説 No.9金印

1、水田の中から金色の輝き

明治大学文学部の石川日出志教授から、平成30年1月21日に福岡で行われた 

シンポジウム 「漢委奴国王」金印を語る~真贋論争公開討論~

の資料をいただいたので、これをもとに今回は「金印」について解説していこうと思います。

画像は是非リンク先の福岡市のページでご確認ください。

金印が発見されたのは江戸時代、天明4年(1784)のこと。

福岡県福岡市の志賀島

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第319回 勝手に考古学用語解説 No.8 横穴墓

1、洞窟と古墳

全国の丘陵の裾や崖面に見られる洞窟。

それらは時代も掘られた意図も様々ありますが、そのうち少なくない数の洞窟は「横穴墓」とよばれる古墳時代の終わりころの有力者のお
墓です。

今回は

池上悟 2004 『日本横穴墓の形成と展開』雄山閣

を参考にこの用語を解説します。

高塚古墳(通常イメージされる墳丘を持った古墳)があった地域にそのままあったわけではなく、限定

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第312回 勝手に考古学用語解説 No.7 かわらけ

1、酒と油を入れるもの

先週から色んな意味で接する機会があった「かわらけ」。

本来は「土器」と同じ意味でつかわれていましたが、考古学で「かわらけ」といった場合は中世、平安時代末期以降の素焼きの皿をさすことが一般的です。

いまでも神社でお神酒をいただくときや「かわらけ投げ」という風習に名前が残っていますのでイメージできる方もいらっしゃるかと思います。

2、かわらけ

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