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【コラム】合唱コンクールが嫌いだった。

学校行事で、一番嫌いだったものが合唱コンクールだ。他の行事はみんなが嫌がるような行事でもそこまでさぼりたいとか行きたくないとか思うことはなかった。むしろ友達に「がんばろうよ」なんて言えるタイプだった。でも合唱コンだけは違った。別に音楽自体が嫌いだったわけではない。むしろ好きだったし、今でも好きだ。
だから、なんでと聞かれても嫌いだったからとしか言いようがない。


「歌わさせられる。台の上に立つ。人前で歌を歌う。」
好きな人がやる分には全くもって構わない。しかし、嫌いな自分にとってはまるで拷問。横暴。強制力の塊。
ましてや興味のない歌を歌わなくてはいけないなんて地獄のようだった。


しかも「ただ歌うだけ」というこの行事は、やってやれないことはないからこそ、避ける方法がなく、参加するしかなかった。泣くほどのことでもないのはわかっていた。でもただただ嫌だった。

いまだにこの行事の意図は理解できない。

大きく口を開くことに何の意味があるのだろう。

正直言えば「音楽」という科目が必修であることも理解できない。その辺は「決まりだから」と言われればその通りだと従うしかないのかもだけれど、だからと言って行事まで組み込まなくても良いのではないだろうか。


合唱コンクールはきっと今もある行事だろうし、この先もしぶとく残るだろう。授業時間が減るからなんて無茶苦茶なクレーマー気質の親が言わない限りはわりと平和な行事として続いていく気がする。


でもわかってほしい、その陰で本当に苦しんでいる人がほんの少しだけかもしれないけれど、確実にいることを。

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