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感謝と承認。


|| 最も重要だと思う「承認」とは

コーチングのスキルの中で、最も重要なものの一つは、間違いなく「承認」であると思います。
承認とは優れた部分や結果を褒めることだと思っている方が多いでしょう。
それも間違いではありませんが、承認のごく一部しか知らないことになります。
承認とは、具体的に4つの種類があるのです。

テストで100点満点を取れたとか、期末試験の成績が学年1位だったとか、難関の試験に合格して資格を取得したとか。
日本ではそういった見えやすい結果に対して褒めるという承認しか身近に感じずに生きて来た人が多いです。
そして、この結果以外の3つの承認こそが今、多くの人が求めていて枯渇している承認であると、非常に感じています。
では、本当の「承認」とは何かを解説して行きたいと思います。
 

|| 結果承認

前述のとおり、この承認は日本人が最も慣れ親しんでいる承認方法です。
見えやすく、分かりやすい結果や数値で現れる出来事に対して「褒める」という承認。
しかしよくありがちなのは「でもまだ次があるから調子に乗らずにしっかりね」といった打ち消し語を使って相手のモチベーションを下げさせる褒め方。
「〜しない」「〜せず」「でも」といった言葉を打ち消し語や否定文と言います。
せっかく褒めても、相手はきちんと認められたという印象よりも釘を刺された、もっと求められると感じてしまいます。

褒める時には思いきり「素晴らしいですね!おめでとうございます!」と心を込めて承認すること。
その上で「さらに上の目標を目指せますね。これからも期待しています!」というエールを送る姿勢で伝えると、相手のやる気を引き出す、コーチのような関わりができるのではないでしょうか。
 

|| 行動承認

成果や結果に関係なく、努力や工夫といったプロセスや言動といった、行ったこと自体を認めるという在り方を指します。
結果は誰にも分かりやすく見えるからこそ褒めやすいですが、行動承認はその相手を注意深く見ていないと気づけない部分です。

毎日食事を作ってくれることも、栄養を考えたメニューにしてくれていることも行動承認できる部分でしょう。
より良い体づくりのために、日々コツコツとトレーニングに励んでいるところも行動承認になります。
行動承認は地味で目立ちにくいですが、これがなければ結果が生まれることもないのです。
 

|| 成長承認

課題や目標に向かって取り組んでいる途中経過で、過去からの成長や変化を、結果が出ているかどうかに関わらず認めるという在り方。
この成長承認を見事に表した稲盛和夫さんの格言を紹介したいと思います。

今この1秒の集積が1日となり、その1日の積み重ねが1週間、1ヶ月、1年となって
気がついたら、あれほど高く手の届かないように見えた山頂に立っていた
というのが私たちの人生のありようなのです。

登山をする時に、前しか見ていなければ成長に気づくこともありません。
そして常に「まだ足りない」と、上を求め続けるだけのドーパミン中毒になります。
ドーパミン中毒に陥ると、それを達成した時に目標がなくなってしまってやる気や生きる目的が分からなくなる「燃え尽き症候群」になります。
定年退職した人が急に老けてしまったり、伴侶を亡くした人が後を追うかのように程なく亡くなったりということがあるのは、燃え尽き症候群と同じ状態と言えます。

一度立ち止まって振り返らない限り、過去から未来に活かす学びは得られません。
今どこまで登ってきていて、あと山頂までどれだけあるのかも把握できません。
ここを蔑ろにしている限り、人間としての成長はなかなか難しいのです。
1日1日積み重ね、きちんとどれだけ積み重ねたのかを確認する。
最初は見えない山頂が、それをやり続けることで近づき、ついには到達する。
わたしの場合はそこにたどり着いた後は、自分ではなく周りの人にそれを分け与えるという次のステップに移してこそ価値があるなと思っています。
その一つが、このnoteで発信していくことでもあるのです。
 

|| 存在承認

そもそもの話、結果やその過程は関係なく、生きていること・存在していること・出会えて関われること自体が素晴らしく、感謝であると表現することです。

人は一生の間に出会える人の数は3万人という通説があります。
地球の人口が80億人に近いと言われている中で、たったの0.000375%ということです。
しかも、宇宙から見れば人間の一生など、一瞬にさえならないほど短いもの。
今、あなたがこの記事を読んでいることも、決して当たり前ではなく、運命かもしれません。

一生で出会える人が3万人とすると、学校や仕事を通じて近しい関係になる人は3000人。
その中から親しい会話ができる人は300人。
さらに友達と呼べる人が30人、親友と呼べる人は3人と言われます。
もちろん、もっと多くの人と出会える人も、逆の人もいるでしょうから、あくまでも通説として定義されている数字ではあります。

そう考えると、知り合えたこと自体、そして今生きていること自体が奇跡で感謝を感じられるのではないでしょうか。
それがどんな出会いであったとしても、意味があって出会ったと捉えられれば、気づきや学びや成長が隠されているかもしれません。
わたし自身も、離婚や離別、様々な苦しみや悲しみも感じる出会いがありましたが、それらを経たからこそ、人の辛さに気づいて理解することもできるようになったし、反面教師として学びにできたことも多かったと思います。
自分自身の大切にしている価値観に気づくきっかけとなったケースもあります。

存在承認の表し方は普段あなたがやっているような、ごく当たり前とも思えることが挙げられます。
・名前を呼ぶ
・挨拶をする
・気遣う言葉をかける

ごく普通の声かけ自体が、その人の存在を認知し、心を傾けているよという証になります。
最近、大切な人にどんな声かけをいつしましたか?
 

|| 「当たり前」の罠

人は今あるものやことに慣れ親しんでしまうと、それがつい「当たり前」であると錯覚してしまいがちです。
それは脳の仕組み(大脳基底核や脳幹)がそうさせるので、仕方がないことではあります。

でも、今現在戦争のない日本に暮らしていることは、ロシアーウクライナ戦争の渦中にいる人たちにとっては当たり前ではなく、羨ましいと思えることかも知れません。
今病気をしていないとしたら、病気と戦っている人にとっては心から幸せだと思えることかも知れません。
あなたが持っている何らかの能力や環境は、誰かにとっては憧れだったり、羨ましいと思えることであったりもします。
そして時には、それらを失った時になってようやく当たり前ではなかったのだと気づき、後悔することになる場合さえあります。
特に親の存在はよく諺などでも表されたりしますね。

この「当たり前」と思いがちな部分をしっかりと見つめて受け止めること。
これも、在るものを認めるという承認になります。
コーチングは今現在どのような状態であるのかをはっきりと見つめて、どうなりたいのかという目標やゴールをしっかりと明確に設定しない限り、そこまでどれくらいの距離と時間と段取りで向かえば良いかが見えません。
今在るものをしっかりと見つめて認めなければ、目標に向かうことができないということです。
あなたが自分自身をしっかりと見つめて良さも足りなさも認めて受け止めない限り、なりたい自分や憧れる人に向かって進み出すことができないのです。
 

|| 「自信」とは積み重ねの結果

「自信」というものは、それらの過程を経た先に、積み上がって行くものだと思います。
自信が持てない、自己肯定感が低いという人の多くは、自分自身を見つめることから避けたり逃げたりしていることが大半と言い切ります。
それは、できていない自分を見て悲観的になるのが怖いとか、他人と比べて自己否定をしてしまうのが怖いといった気持ちが多かれ少なかれあるでしょう。

完璧な人間を目指そうとする人ほど、成長過程を見つめず、常に「できていない粗探し」をし続け、自分で自分のモチベーションを下げるループに陥りがちです。
そもそも「完璧な人間」なんているのでしょうか。
いるとしたらAIのようなロボットになってしまいそうですよね。
弱さがあるから人の痛みが分かるし、それを乗り越えるから人に勇気を与えられる

わたし自身も、素直じゃない自分が結構いることを自認しているし、素直じゃない部分が出た時には「しょうがないやつだなぁ」と、ちょっと手のかかる憎めない子のように自分のことを見守っている、もう一人の自分がいます。
うまく行かなくても、やろうとした行動(承認)とその過程の成長(承認)が最も重要であるのだと分かっているからこそ、うまく行かなかった結果も受け止めて、次こそは…という学びに変えていくことができるのだと思います。

今日、あなたがやろうとした予定やタスクはどれだけできて、何がうまく行かなかったでしょうか?
できたこと…例えば元気に登校したことも、学校にいくことが辛くてできない人にとっては当たり前ではないことです。
家事をいつもの通りにこなせたことも、今日元気で動けるからで、あなたがこれまで苦手だったかも知れない家事を毎日コツコツと取り組んで成長したからできることです。
例えば収入を増やしたり、自分の成長のためにブログ記事を書いている人がいるとして、1記事アップができなかったとしても3行書けたとしたら、きちんと前に進んでいるということ。
予定を変更したり、タスクの組み替えをして達成に向かおうとしていれば、柔軟に対応できる能力が養われます。

こんな小さなことで自分を褒められないと思う人も多いでしょう。
それは承認を「褒める」と定義しているから。
ただその現状や状態を「そう在るのだと認める・受け止める」だけだと考えると、受け入れやすいかも知れません。
こういった小さな毎日の積み重ねから、承認したり感謝を持てるようになれば、それが大きな自信へと繋がって行くのではないでしょうか。
 

|| 振り返りの質問

最後に、この「承認」を習慣化して自信をつけるために最も有効な「振り返り」の質問を紹介したいと思います。
わたし自身が尊敬する恩師でありコーチである方に教えて頂き、毎日取り組み続けた結果、自信に繋がったと最も感じている質問です。
わたしがコーチングをさせて頂くクライアントさんにもよく提案やリクエストしていることなので、ぜひ取り組んでみてください。
そしてなかなか上手く出来ないなという時には、ご連絡いただけるとコーチとしてお役に立てるかなと思います。

〜振り返りの質問〜
①できたこと、達成したことは何ですか?
②学んだこと、気づいたことは何ですか?
③どんな新しいチャレンジをしましたか?
④もう一度やり直すとしたら、どうしますか?
⑤次の目標は何ですか?


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株式会社AWARENESS主催
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