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花筏に出会う

おひさしぶりです。
最近としましては、いま書いている小説が春をテーマにした女子高生ふたりのお話なのですが、春が終わる前に書き終えられるか不安で仕方ない、そんな日々です。2000字のショートショートのはずが、なぜか5000字にしてまだ序章という…
だれかショートショートで良い教本がありましたら教えてください。

という訳で、noteの更新がなかなか出来ないので、代わりに日常の出来事でも記そうと思います。日常というか、仕事の話です。

わたしは本職は映像制作なのですが、最近フォトグラファーとしても活動しています。
先日、湘南のとある桜スポットで家族写真を撮ることになりました。
川沿いにたくさんの桜が咲くこの辺りでは有名な桜スポットで、朝早めに着いて風景を撮りながら歩いていたところ、お散歩中のおばあちゃんに話かけられました。
「きれいねぇ、今日は桜が満開ね。カメラなんていい趣味持っていていいわねぇ」
「きれいですね、撮影しがいがあります」
「あなた、花筏は見たの?」
「はないかだ?」
「もっと川の下流へ行くと、水面に花びらがたくさん流れてね、詰まっているの。多分今日は花筏になってると思うわ」
「へぇ〜、撮影が終わったら行ってみようかな」
「きれいだからぜひ行ってみてね」

 そうして家族撮影を終えた後。最後の一組のママさんはこの辺に住んでる方で、その方からも最後に「花筏は見た?」と。
ふたりに言われたら、少し遠いけど行ってみるかと思い立ち、川を下るように歩いていくことにしました。

花筏になっているのは大きな川でなく、その隣に作られた用水路のような小さな川でした。その川沿いにも桜がずっと連なって咲いており、少し風が吹くとその川に桜吹雪が舞い、川面に花びらが落ちて流れてゆく様が見れました。それだけでも美しい風景でしたが、その先にはもっと感動的な風景が広がっていました。


なんだこの美しく幻想的な光景は……。
こんな光景今まで生きてて見たことない……。

隅から隅まで、花びらが敷き詰められていて、もしかして、川の上を歩けちゃうんじゃない?って錯覚してしまうほど。

この感動と興奮を100点満点で写真に収めたいと思い、土手を降りて川のぎりぎりまで攻めた写真を撮ってきました。正直もう落ちても良いやと思うながらシャッターを切りました。

花筏【はないかだ】とは
① 水面に散った花びらが連なって流れているのを筏に見立てた語。

桜が散り始めるのは満開から1週間後くらい。
そのタイミングで桜吹雪という現象が起き、流れのゆったりした川で花筏という現象が起きるのでしょう。

確かに、いい趣味持っていてよかった。
こんな奇跡的な光景に、良いカメラを持っているタイミングで出会えるなんて、なかなかないことでしょう。

桜の終わりの季節に、思いがけない素敵な春の贈り物でした。

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