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【#1:打楽器としてのピアノ】・新大陸へ渡ったアフリカ音楽の特徴・リズムが9割 音選び1割(極論かも)

このシリーズ第一回の投稿なので、、、
私をご存知の方もいれば、そうでない方もいると思い、
改めて自分がどんな人間なのかを紹介しておいたほうが良い気がしている。

ピアニストであり、作曲・編曲をする音楽家であり、
コンピューター上で楽曲制作もするマニピュレーターでもあり、
個人レッスンをしたりワークショップを開催する音楽講師でもあり、
アーティストのアルバム制作などを統括する音楽プロデューサーでもある
そんな人間であります。
(たまにティンバレスという打楽器奏者やヴォーカリストにもなる)

ジャンルとしては、ラテン音楽(中南米の音楽)を深く追求していて、
バックグラウンドにはジャズ・ソウル・R&Bなど をひとしきり消化しつつも
日本ではレアな、ラテン音楽を本格的に演奏できる
ミュージシャンの一人と言えるかも。

てことで、ラティーノ(中南米人)の本物なミュージシャンたちと共に
長くラテン音楽を続けてきている人間として、
ずっと気づいていることがあるんで
まずそこんとこから記してみようかなー、っと。



ラテン音楽のルーツに、アフリカの音楽があるのは、
歴史を振り返ると明らかっすよね。
というのも、中世ヨーロッパの列強がアフリカ大陸で現地の人を大量に
「奴隷」という名目で拉致し、その後 新大陸(南北アメリカ大陸)に上陸、
そこにいた民族も虐殺して、植民地化した
というのが(悲しい)南北アメリカの歴史だったみたいだからね~。
連れてこられたアフリカの人々が、
新大陸でも自分たちの芸術文化を継続したことで、
彼らの音楽の要素がのちのラテン音楽の構成要素にも
なっていったわけですよ。

ここで、アフリカ音楽について その特徴を(反論を顧みず)ざっくりと定義すると、
リズム楽器(打楽器)と人間の声のみで構成されていると言える。ざっくり言える。
もちろんアフリカ音楽とひとことでくくるのには無理があり、
地域によってもいろんなスタイルが存在するのは承知の上だけど。
ラテン音楽、特にカリブ海エリアのキューバ・ハイチ・ベネズエラなどに見られるアフロ系の音楽に影響を与えた、
コンゴやヨルバといった部族の音楽の特徴 ということっすね。

こんなルーツを持つラテン音楽において、重要なファクター
「アンサンブル上のすべての楽器は、実は打楽器なのだ」という意識
長くラテン音楽に関わり続けてずっと気づいていること、
そのひとつにこれがあるんすよ!
そして、ここを特に意識することなく演奏を続けている人も多いみたいです。
特に、自分がピアニストなので、いろんなピアニストの演奏を目にすると
「ピアノを ピアノとして弾いている」人がわりと多いなー、と。
これ当たり前のようだけど、、、
実は ここで意識のシフトが必要なのだった!

ラテン音楽はあくまでラテン音楽。
当然ながら完全にアフリカンな音楽ではなく、
宗主国であるヨーロッパの国々から文化的影響を受けることにより、
ヨーロッパ由来の楽器も使われるようになってきた歴史がある。
しかし、それらの楽器を、「打楽器」として扱うような演奏が
脈々と行われてきているのが アフロカリビアンの音楽なんすね。
ピアノも、ベースも、弦楽器も、管楽器も、、、
究極的には、ボーカルもそう。
アンサンブル上のすべての楽器を打楽器として扱うことで、
ルーツ的なアフリカ音楽のスタイルを残留したダンサブルな演奏になるんっす。
だって基本的にはダンスするための音楽だから。

ラテンピアノとか リズミカルなピアノに興味がある、
といった方にレッスンをする機会も多いんですが、
レッスン始める時には皆さん大体こんな傾向に↓
・テンションをたくさん含んだコードを弾きたい
・かっこいい音使いでソロを弾きたい
・情感たっぷりにテンポ伸び縮み・音量の過大なるダイナミックレンジ
・ダンパーペダル踏みがち
・グリッサンド頻発
・グレイスノート(装飾音)を多用、、、

これらは、ピアノという楽器の特性を活かした演奏
ではあるかもしれないけど、
安定したビートを打ち出す「打楽器」としての役割が
二の次になっちゃってる気がする。
ラテン音楽をはじめ、ダンスが主体の音楽を演奏するときの心得として、
「聞く人を踊らせる演奏をするべきなのだ」
「まず踊りありきの音楽なのだ」
こんな意識を持って皆様ピアノに向かってほしいと、切に思います。
端的に「リズムのことを9割、音選びは1割」なーんて
ちょっと極端かもしれませんが、
本場の人たちの本物の演奏からは、こんな意識
ガンガンに垣間見えるのでした。

このシリーズでは、有用な意識改革を進めるための新しい音楽的思考法に
わりと深めに斬り込んでいきたいと思ってます!次回からもお楽しみに!

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