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常識が通じない私

私は当たり前の事が理解できない。

色んな可能性を考えてしまう。



例えば「超能力で物を浮かせられるか」という事について、普通なら常識的に考えて無理だと断言するが、私は違う。
「浮かせられない根拠が無いのでできる可能性もあるしできない可能性もある」と考える。

もちろん、地球には重力が働いていることは知っている。
でも下敷きで頭を擦れば髪が重力に反して下敷きにくっつくことも知ってるし、鉄に上から磁石を近づければ鉄は重力に反して上に持ち上がり磁石にくっつくことも知っている。

「もしかしたら、静電気や磁力とは別の、物を浮かせる未発見の力が地球上に存在するかもしれない」


こうやって、様々な経験が結び付けられて常識的な人が想像しない想像をしてしまってそこから導き出された結論を本気で信じてしまうのだから、私には常識が通じない。


そこが周りとズレてるんだなぁって最近分かってきた。



私は、特別頭が悪いという訳ではない。

度を越した勘違いをすると頭が悪いと言う人がいるが、私が一般的にあり得ないと言われる事を信じてしまうのは知的能力が低いからではない。知能指数を測ったことがあるが低くはなかった。

私がそういう勘違いをしてしまうのは考えが独特だからだ。
曖昧なものを何の疑いもなく信じ切れないからだ。たとえ「当たり前」と言われている事でさえ。



勉強は答えが教科書の中にあるから答えが分かる。数学のように直接答えが書かれていないものでも解き方が書かれているからそれに沿って考えれば分かる。

このように勉強は「答え」又は「解き方」が明確になっているから理解ができる。


でも、暗黙の了解のようになぜそうなるのかが説明されていないのにも関わらず大多数が理解できるというものは私は理解できない。

「常識だから」というのが根拠として成り立つには曖昧すぎる。
先程も述べたように、私は数々もの可能性を思い浮かべてしまうのだからどれが最も適切であるか(=常識か)が選べない。


迷っているばかりでは行動できないから必要な時は選択をして、そしてその選択が適切でないと「非常識な人」「簡単なことも分からない人」と見なされる。

こちらからしてみれば何故多くの人々は常識的な対応ができるのかが疑問で仕方ない。



こんな出来事がある。
常識人からしてみればおかしな笑い話かもしれないが、私が本当にしていた勘違いだ。


私は妊娠のメカニズムを知らなかった。

オカルト的なものだと思っていた。
受胎告知のように「気付いたらできている」ものだと思っていた。さすがに天使が知らせてくるというのは信じていないけれど。
男女がすれ違っただけでも可能だと思っていた。


保健や理科の授業で妊娠について習う事はある。
でもその方法を詳しく教えるのは子供にとって適切でないとして曖昧に書かれ、詳細について習う事は無い。


高2の時、保健の先生がポロッと真実を口にした。
その時、私は「嘘だろ……」と正直引いた。
そんなはずはないと信じて何人かに聞いたのを覚えている。

今思えば知らなすぎて恥ずかしいことだけど、「逆に、なんでみんな当たり前のように知っているんだろう?」
当時の私はそう思った。


私はそういう経験は皆無で自分以外の体については授業で習った範囲しか知らなかったから、赤ちゃんの元となるものも空気中に浮遊していて空気と一緒に入り込む完全なる運ゲーだと思っていた。




この通り、私には曖昧なものが一切通じない。


でも、法則の発見をした人や新たな発明をした人の中には私のように「当たり前」を鵜呑みにしなくてそのおかげで成功できた人がいるのだから、その考え方は不利なだけのものではないとも思う。
日常生活を送る上では勘違いが多くてすごく困るんだけどね。

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