鎌倉殿の13人第7回感想/源頼朝の持ってる一番の魅力って何なの?そもそも魅力あるの?
源頼朝には上司としての魅力ありますか?
石橋山での負け戦以来、源頼朝(演:大泉洋)の個人的評価は下がりまくりです。
だって口を開けば文句や愚痴ばかりなんだから仕方ない。
あんな上司の下で仕事なんてやってられない。
そう思った視聴者は自分だけじゃないでしょう?
三郎(北条宗時、演:片岡愛之助)が討ち取られてしまったのだって、完全に頼朝のせいだし。
※これはあくまでも『鎌倉殿の13人』というお話の中でのことであって、史実ではないけどw
ピンチに陥った時こそ、その人の真価が問われる
みたいなことはよく言われる話。
その観点でいくと、源頼朝は完全にダメ大将の印象を周りに与えたであろうことを否めない。
一方で、源頼朝の父、源義朝は武勇に優れ、その武威を以て20代前半には東国の武士たちをまとめあげた、と言われている。
『鎌倉殿の13人』では東国武士たちが父・源義朝を懐かしむシーンが多い。
ここからもわかるように父・源義朝はただの冠としてだけではなく、武士としての尊崇も集めていたのだろう。
だからこそ東国武士たちは、その子である源頼朝に期待を寄せた。
千載一遇のチャンスを源頼朝に賭けたかった。
にもかかわらず石橋山の戦い以降、大将らしからぬ体たらくだ。
源頼朝に大将としての魅力ってあるのかな??
東国武士たちが打倒平家の大将に求めているもの
前回までで、平家打倒を掲げる東国武士たちが源頼朝を大将として実際どう捉えているかは、ほぼ明らかになったと思っている。
まず北条時政(演:坂東彌十郎)や三浦義村(演:山本耕史)。
彼らは頼朝の大将としての器を既に見限っている。
時政なんかは息子・小四郎(北条義時、演:小栗旬)の説得がなかったら、今頃とっくに武田信義(演:八嶋智人)に鞍替えしていたかもしれない。
三郎や和田義盛(演:横田栄司)も、東国武士たちそれぞれが胸に秘めている理想成就のための必要なお飾りとして持ち上げているだけ。
特に前回の記事でも取り上げた和田義盛の
『こっから先は俺たち坂東武者が決める話だ』
という発言は、東国武士たちの総意であるようにも感じた。
討死してしまった兄・三郎の意志を継いだ小四郎も、基本的にはみんなと同じ認識を持っているんじゃないのかな。
特に、兄・三郎から『坂東武者の世を作る』という話を聞いて以来、源氏中心ではなく東国武士を束ねる北条中心の世の中を先に見据えているような気がしてならない。
第7回で上総広常(演:佐藤浩市)にちょっと指摘されちゃってたし。
(佐藤浩市さんの凄みある芝居は相変わらずかっこよきw)
とはいっても、小四郎の場合は頼朝挙兵前にその真意、平家打倒の強い想いを打ち明けられていたから、頼朝びいきな部分はあるのかなとも思う。
その頼朝びいきが、頼朝の大将としての器を買っているからなのかどうかは、今の段階ではちょっとよくわからない。
梶原景時の感じた源頼朝の天運
同じく東国武士ではあっても平家方についている梶原景時(演:中村獅童)。
石橋山の戦いに敗れ洞窟に隠れ潜んでいた頼朝たちを梶原景時が見逃した理由はなんだったのか。
noteで大河ドラマに拘らず歴史に関する記事を書かれている千世さんが、梶原景時が見逃した理由について少し考察している。
引用記事の「寝返り重臣・梶原景時」の章で考えられる理由を3つあげていて。
このうちどれかな?
ドラマで理由はいつ明かされるんだろう?
もしかしたらはっきりと明言されない可能性もある?
なんて考えていたわけです、ちょっとワクワクしながら。
そしたら第7回で梶原景時があっさり答えちゃって。
多少拍子抜けしたことは否めないw
それはそれとして、梶原景時が源頼朝を見逃した理由。
それは彼以外に平家方の誰も頼朝の存在に気づけなかったこと。
つまり源頼朝自身の持つ天運の強さをその時に感じたからだった。
斬り殺したら神罰が当たるかもしれない、とも言っていた。
なるほどな、と。
源頼朝の魅力ってそれだったか、と。
なんだか妙に得心してしまった。
天運の強さに魅了されるか慄くか
この大将には天運が味方をしている、そう思える瞬間。
平安時代のような神罰を気に掛ける時代なら、なおそらそういう瞬間に特別な感情を抱くに違いない。
天運を感じさせる人であれば、たとえ一度の戦で負けたとしても、その人が生きていればまだ次があると思える。
いやそれよりも、この人と一緒にいれば戦で自分が生き残れる可能性が高いと感じれる事の方が大きいのかもしれない。
絶体絶命の状態であっても生き残れる運の強さ。
確かに誰もが持ちあわせているものでもない。
目に見えない運という力が人に備わっているものなのかどうか。
そこは正直何とも言えないところがある。
でも自分の周りにも
「この人絶対運強いわ」
という人がいたりするもので。
例えば、自分の大学時代からの友人の1人が該当する。
その友人は異様にギャンブル運が強い。
常に勝てるわけでもなくて負けることもある。
ただし、大きく負けることがない。
パチスロは毎月収支プラスで、それで生活してたから笑っちゃう。
バイトは気が向いたらたまにやる程度で、ほとんどやってなかった。
しかも実は運がいいのはギャンブルだけじゃない。
でも話が長くなるのでここでは割愛。
とにかく、他人が不思議に思うぐらい運の強い人間って実際にいるんだよねっていう話。
そもそも、源頼朝は平治の乱で、父・義朝同様に死んでいてもおかしくなかった。
長兄の義平も次兄の朝長も死んでしまった。
しかし三男の頼朝は捕らえられた後、なぜか平清盛(演:松平健)によってその命を救われる。
この時に清盛が頼朝の首を刎ねていたら、平家は打倒されなかったのかもしれない。
頼朝の運の強さは、清盛に命を見逃してもらったその時から始まっていたんじゃないだろうか。
清盛が第7回の冒頭で
『必ず(頼朝の)首を取れ!』
と平宗盛(演:小泉孝太郎)に命じていた。
清盛は頼朝を処刑しなかったこと、後悔したんじゃないだろうか。
それと同時に彼の生き残る運の強さに末恐ろしさを感じたか。
いやむしろ、清盛自身が頼朝を護る天の手のひらで踊らされているような感覚を覚えたのではないか。
そこに源頼朝の空恐ろしさを感じたのかもしれない。
それが”必ず”という言葉に表れていたような気がする(了)
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