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鎌倉殿の13人第6回感想/三郎(北条宗時)が教えてくれた源平合戦 真の意味

北条時政はダメ親父?

北条時政(演:坂東彌十郎)。
普段は何かと冗談めかした口調が多い、ひょうきんさが8割な親父さん。
後の鎌倉幕府初代執権しっけんになるような威厳の欠片は微塵も感じない。
小四郎(演:小栗旬)と違ってあまり深く物事考えてなさそうにも見える。
新しい奥方、りくさま(演:宮沢りえ)のことで頭の中はいっぱいなんじゃないの?
そんな偏見を持っちゃうことすらある。

それにほら、源頼朝(演:大泉洋)がダメだと思えば、次に北条氏を買ってくれそうな武田信義たけだのぶよし(演:八嶋智人)に乗り換える気満々で。
へーこら頭下げてイエスマンになっちゃう始末。

「ダメだな、この人は。父がこれじゃ小四郎も苦労するわな……」
なんて思うこと、第6回までに何度あったことか!

本気を出した北条時政は怖いかもしれない

ところが、いくさになると人が変わったように豪傑ごうけつへと変貌へんぼうする。
そりゃ普段みたいにふざけてたら斬り殺されちゃうわけで。
命かかってるんだから誰だって真剣になるだろって話。
でもそれ以上に、肝の座り方が歴戦の勇士を感じさせる。

前回堤信遠つつみのぶとお(演:吉見一豊)を討ち取った時もそうだし、今回大庭おおば・伊東の追手と戦ってる時も、その様はまさに”戦慣れした武士”の風格たっぷり。
戦慣れしてない小四郎とのギャップで余計にそう感じる。

武田信義への鞍替えの話はちょっと小馬鹿にはしちゃったけど、あれは本心じゃありませんw
源頼朝が大将の器にないと感じて、さっさと次へ動こうとする判断の早さ。あれは、当時のように食うか食われるという時代では絶対的に必要な能力だと思う。
だってそうしなきゃ自分の命はおろか一族郎党、皆潰れてしまうかもしれないもの。
きっと鬼滅の刃の鱗滝うろこだきさんなら
「判断が早いっ!!」
と賞賛したに違いない。

あっ『鬼滅の刃 遊郭編』最終回圧巻でした。
以前記事で書いたことあるけど、実は『鬼滅の刃』は苦手な作品。
でも遊郭編は全部目をそらさず見れたし、ストーリーが面白かった。
それに全編通してだけど映画のようなクオリティの高さがヤバイ。
そして最終回は 禰豆子ねずこが可愛すぎたw

こっから先は俺たち坂東武者が決める話

『鬼滅の刃』に話が逸れちゃったけど、『遊郭編』に関しては少し思うところがあるので時間があれば別で書くことがあるかもしれないとして、『鎌倉殿の13人』に話を戻します。

こっから先は俺たち坂東武者が決める話だ

これは石橋山の戦いで敗れて今後どうするかを東国の武士たちで話し合っていた際中に、和田義盛(演:横田栄司)が放った言葉。
これを聞いた時、前回討ち取られてしまった三郎(演:片岡愛之助)の言葉が蘇った。

坂東武者ばんどうむしゃの世を作る
そのてっぺんに北条が立つ

和田義盛の言葉と三郎の言葉が繋がった時、ちょっとゾクゾクした。

源平の戦い、その真なる意味

源平の戦いって、学校の義務教育課程レベルで学んだ程度だと
「源氏と平氏の戦いなんだ、ふーん」
ぐらいな印象しか無かった。

いや個人的にはなんとなく二強の争いってなんか面白くなくて。
「いきなり決勝戦かよ」みたいな。
だから群雄割拠して全国わちゃわちゃしてるイメージの強い戦国時代の方が面白さを感じていたんだよね。

といってもこれ、完全にゲームの印象。

実際に戦国時代の中身を正確に把握した上での評価じゃない。
いわゆる偏見ってやつでしかないし、頭が悪いw

でも今回の和田義盛や前回の三郎の言葉から、源平の戦いの本当の意味するところを少し知れた気がする。

源平の戦いは確かに、武士の頂点に立つ者同士の戦い。
でもそれはあくまでも表向きな話だ。
その戦いの根底には、権力者によって圧政を強いられてきた武士たちの反発心、反抗心があった。
特に平家の政治に辛酸をなめさせられていた東国の武士たち。
三郎や和田義盛のように
いつか必ず俺たちが―
みたいな内なる思いを秘め、日々過ごしていたのかもしれない。

そんな中、東国へ流されてきたのが平家に対抗できる源氏の御曹司だ。
東国武士たちにとったら、源頼朝がどういう人物かなんて正直どうでもよかったのかもしれない。
彼に大将の器があるかないか―
そんなこともどうでもよかった。
彼らにとって源頼朝という存在は鬱積うっせきした憤懣ふんまんを開放するためのきっかけにすぎなかったのだ。

だって源頼朝は、武士を束ねる源氏の棟梁。
平家に戦いを挑むための大義名分を背負って歩いてるような人だ。
本人がそう思って無くても、周りがそういう目で見る。
当時源氏の棟梁といえば、そういう存在だったはずだ。

そして源頼朝が
「平家打倒に立ち上がる!」
と宣言するだけで平家に不満を持つ東国武士たちはこぞって集まる。
平家に対抗できる大きな力になる可能性がある。
もちろん彼らそれぞれにもそれぞれの野心、思惑はあるだろう。
しかし源氏が棟梁として矢面に立つことで、彼らは一時的にでも自然と一つにまとまる。
皆同じ方向、”平家打倒”という道を目指すようになる。
だからこそ、三郎も源頼朝をけしかけたわけだ。
ようやく俺たちの時代を作れるかもしれない!
そんな希望を持たせてくれるのが源頼朝という存在だったのだろう。

でなきゃあんな大将についていく人いないよ絶対……(笑)

というわけで源平の戦いの意味も知れたけど、それと同時に平安から鎌倉時代にかけての権力の移り変わりの理由も、なんとなく理解できた第6回。

なんだ、平安時代も鎌倉時代もめちゃくちゃ面白いじゃないか!!!

ちなみに『平清盛』にハマってから現代語訳版の『平家物語』を読み進めているんだけど、読み終えたら『吾妻鏡あづまかがみ』を読もう!(了)

付録的なもの

【視聴メモ】
比企能員と比企尼と道
梶原景時はなぜ頼朝を見逃したんだろう
甲斐 武田信義の陣
小四郎、やったなww
時政は意外と見切りが早い
自害の話の作法、さすがにしたくないww
兄上が戻っておられる限り
りく様、まだ娘たちと仲は悪くないようだ
和田義盛の勘違いで畠山重忠と戦始まっちゃった三浦勢w
安房の安西景益
早くでよーぜー!!!ww
文陽坊覚淵
女子の戦いの方が怖いw
北条宗時の首
三浦の衣笠の館
真鶴の岬
桶の中から法皇さま
衣笠の館、落ちる
もう佐殿がどうのというのは関わりねぇ。こっから先は俺たち坂東武者が決める話だ。
三郎戻ってきてないけど工藤殿もなんだよなぁw
戦で死ねたら本望、本望
これからはお前が北条を引っ張っていくんだ
千葉経胤、上総介広恒
源氏の世がきた暁には侍の別当を約束された和田義盛
神奈川県湯河原町、しとどの窟、神奈川県真鶴町

2022年NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第6回「悪い知らせ」より

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