短く1行で言い切る!伝わる文章を書くための「思考の圧縮術」


文章は短いほうが伝わる。スピード感重視の現代は、とくに。だから「一文一意」が基本。

「一文一意」とは、ひとつのセンテンスでひとつのことしか言わない、ということです。「主語」「述語」「修飾語」をシンプルに配置し、余計な装飾をしたり、ダラダラと文章をつなげません。


例を挙げましょう。

【原文】
文章を書くには脳が疲れていない朝がいいと作家の●●さんが言っていたので、それを聞いて早速、今朝早起きをしてパソコンを立ち上げたのですが、書くネタを決めていなかったこともあり、結局ネットサーフィンをして時間が過ぎ、何も書けずに終わってしまいました(汗)


【改変】
「文章を書くには脳が疲れていない朝がいい」と作家の●●さんが言っていました。それを聞いて早速、今朝早起きをしました。でも、書くネタを決めていなかったのですね。パソコンを立ち上げた後、結局ネットサーフィンに明け暮れることに。何も書けずに時間だけが過ぎてしまいました(汗)


主語・述語と難しいことを考えなくても、「、」でつなげている文章を「小分け」にすると「一文一意」が完成するとざっくり理解してもらえればOKです。


文章を見直すときの目安としてみてください。


ただ、これはあくまで基礎編。


「文章は短いほうが伝わる」には、もう1つ、本質的な意味があります。


「一文一意」で書かれていても、ダラダラ長くて要点が簡潔に伝わってこない文章があるのです。あるいは、さら~っと読みやすいのだけれど、インパクトに欠ける薄味の文章とか。


なぜか?

そういう時は、「1文で言えること」に、4~5文費やしていないか、見直してみると良いです。


たとえば、こんな文章があるとします。

北海道の市場で食べた海鮮丼に感激!ウニ・イクラといった高級食材がたっぷり載っていてもう見るからに豪華なんです。
一口ずつ、海の幸を含んで、しっかり堪能しました。おいしくて、幸せで、ほぺったが落ちそうになりましたよ。
あー、また食べたい!


さあ、これを一文で言い換えるとしたら、どうしますか?ちょと考えてみて下さい。






いかがですか?

すこし考え方のヒントを言うと、もれなくすべての要素を含む必要はありません。圧縮して濃厚な一滴を絞り出す、あるいは結晶化してキラキラ輝かせるようなイメージで臨んでください。




例文を考えたときに、私の頭に浮かんだ「1文」はこれでした。

「まるで、お口の中が宝石箱や~」


グルメリポーターとして、料理へのコメント力を絶賛されている彦摩呂さんの「名言」ですね。


これを拝借して、私なりに書き直すなら、

北海道の海鮮丼は、食べるとお口の中が「海の宝石箱」になる。


といった感じになるでしょうか。


もしかしたら、例文のほうがわかりやすいと感じる方もいるかもしれません。また、実際には、この一文だけでは伝わりにくいので、例文のような要素も前後に書き足していくことになるでしょう。


ですが、ここで大切なのは、短くひと言で言い切ろうとすることで、「思考の圧縮」が行われるという点です。


短く表現しようと、あれこれ考えを巡らせることで、自分がいったい「何を伝えたいのか?」が明確になります。


言いたいことを「的確」に表現するための言葉を探そうと、脳みそが汗をかきます。


この体験を積むことが大切なのですね。


・書いている間に「言いたいこと」がわからなくなりがち。

・話題を盛り込みすぎてしまう。

・つい文章が長くなりがち。


そんな方は、ぜひ、これまでに書いたご自分の文章を見直して、「思考の圧縮」をかける作業をしてみてください。こうして生み出した「一文」を加えることで、全体の文章がより磨かれ、強い輝きを放つことを体感できるはずです。

「思考の圧縮」は記事タイトルを考えたり、キャッチコピーを考えたりする際にも必要なプロセス。記事タイトルや見出しは、キーワードや表現パターンを覚えることである程度は対応できても、それだけでは突き抜けることは難しい理由は、ここにあるのですね。


日々の記事更新の際に、この「1行圧縮思考」を意識することで、言葉の選択能力が磨かれ、文章にも輝きが生まれてくるもの。SNSなど「読む」より「見る」タイプの文章では、どくにこの感覚は大切になります。

いたずらに文字数を費やすのではなく、短く簡潔に言い切る努力をしてみてください。文章のクオリティーが一気に飛躍するはずです。

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