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#18 にんげんのそだてかた

ひとを育てること。
それは植物を育てることに似ている。

なんて偉そうにいいながら、月猫は子育ての経験がないため、これはあくまでわたしの想像上の考え方なのでご容赦を。

生まれたとき。
ひとは一粒の種だ。

土の中でたくさんの水(愛情)と栄養(教養)を与えてもらい、広くたくさんの根を張り巡らせる。

そしてそれが芽生え、育ち、やがて花が咲く。
どんな花が咲くかは、与えられた水の量と栄養素、そして光(褒められること)の強さで変わる。

こんな「にんげん」を育てるのは、とても難しい作業だ。
だが、わたしがもしも「育てる」側になったとしたら。
まずは幼少期、惜しみない水と栄養を与えたいと思う。

月猫は、たぶん、本当にたくさんの水と栄養をもらった。
これに関しては、両親に感謝してもしきれない。

水(愛情)については、母はわたしが小学校を卒業するまで、働きに出ることなくずっとそばでいてくれた。

栄養(教養)については、本当にいろいろな「習い事」と「経験」を積ませてくれた。

ピアノ、書道、水泳、くもん、ポートボール、英会話などなどの習い事。
兄のボーイスカウトについて行って行ったアウトドアの数々。

正直なところ、当時は「めんどくさい」「いやだ」と思うこともしばしばだった。

でも大人になって思えば、幼いころにそういったいろん知識を吸収させてもらい、あらゆる可能性を広げてくれたなあという感謝でいっぱいだ。

幼いころにした経験というものは、意外と自分のたくわえになっているもので。

大学に行き社会にでて、ああ、あの時たくさん経験をさせてもらってよかったなあ、今活きてるなあ、と噛みしめることがしばしば。

なので、わたしは自分が逆の立場に立ったら。
その子の可能性を広げる意味でも、あらゆる経験をする場を与えたいと思う。

そして、社会に出て、今わたしは「人にものを教える」立場に立つ機会があり、にんげんを育てるために必要な光について思うことがあった。

コールセンターのお仕事での、新人教育の場にて。

コーチとして複数人の新人の指導にあたるわけだが、その時感じたのはいかにたくさんの光(誉め言葉)を与えるかだと思った。

「ほめて伸ばす」という言葉があるが、まさにそれだ。

人間、ほめられて嫌な気分になるひとは少ないだろう。
もちろん、無理やりとってつけたようなお世辞や、幼稚な誉め言葉は逆効果だろうが、きちんと状況をみて、適切にほめてあげることは、とても重要なことだと思う。

ほめる=自信につながる。
その子の成功体験を増やしてあげて、自己肯定感を増やす。
そうすればより意欲的に前に進もうという意欲が増し、結果成長につながる。

月猫はどちらかというとスタンドプレーが好きで、教える側には向いていない(自分でやったほうが早いと思ってしまうタイプ)とずっと思っていたが、意外と、やってみるとできるもので。

新人さんたちからはうれしいことに非常に感謝をされ、なついてもらえている。

早く咲く花、遅く咲く花。
短く咲いて実を実らせ種を残すもの。
長く咲いて突然として枯れるもの。

どれになるかは咲いてみるまで分からない。
わたしはいったいどんな花なのか、それは自分でもわからない。

でも、元気に咲けていると思う。
途中、干ばつや地震や雷雨など、いろんな苦難があったけれども。
でも、その苦難があったこそ、より強い人間になれていると確信している。

わたしは、自分という名前の花に自信を持ちたい。

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