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「月猫は地図がよめない」連載スタート! 色んな話題を不定期に、きまぐれ更新予定です。よ…

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「月猫は地図がよめない」連載スタート! 色んな話題を不定期に、きまぐれ更新予定です。ようこそ、月猫ワールドへ!

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パズルのピースが埋まるとき

もしも宝くじが当たったら。 その時のわたしの感情は、それに近いものだったかもしれない。 物語が動くのは、いつも唐突だ。 その始まりを告げたのは、突如訪れた遺言執行者を名乗る人物だった。 「この家を、相続してもらえませんか」 山梨県にある2階建ての木造建築。 手元に用意された資料によると、築60年といったところか。 縁もゆかりもないその土地と建物を、突然相続しますなんて、そんなことがあるだろうか。 しかも、相続という単語が出てきたものの、遺言書を書いた人物は赤の他人。

    • #20 季節のたしなみ

      漢字で「梅の雨」とかくこの季節。 5-6月にかけて訪れるこの季節は、長雨が降る期間でもあり、同時に梅の実がなる頃合いでもある。 昔から各家庭では、梅酒や梅干しを作る、「梅しごと」の時期。 旅先で飲んだ青梅をつかった梅酒のおいしさの記憶も手伝って、わたしたちもこの梅しごととやらに挑戦することにした。 (予約投稿してるので、季節外れになりますがご容赦を。笑) 6月中旬。 山形にも旬を迎えた青梅がならぶ。 2キロ購入し、ホワイトリカーや日本酒、氷砂糖なんかも買ってくる。

      • 番外編 リアル★脱出ゲーム

        その日は雨が降る。 それは知っていた。 だがまさか、こんな目にあうとは。 わたしは月に一度、2時間はなれた病院へ、薬をもらうべく通院している。 2時間の車移動は、ちょっとした旅気分だ。 内陸から日本海側まで山越えしていくので、せっかくだから季節のくだものでも、現地の農園で買ってこようと計画していた。 家を出るときは少し晴れていて、携帯で音楽けけて、鼻歌交じりでドライブ開始。 しかし家の近くの無料高速にのったあたりで、異変がはじまった。 凄まじい勢いの雨。 ワイパー

        • 番外編 モンスターハンター2

          コールセンター業務のメインディッシュ。 そう、みんな大好きクレーム処理。 (いらねー。笑) 同名第一回目の投稿では、面白いモンスター討伐記録をUPした。 前回投稿後、わたしがコーチとしての経験を積んだり、多少レベルアップしたせいもあり、モンスターといえるほどのお相手に出会うことは少なかったのだが。 ここ数日、何かがおかしい。 みんな暑さで頭やられてるんじゃないか…?(失礼) いやほんとに、いろいろネタに尽きない状況が続いており。 月猫かなり疲弊ぎみではあるが、ここいら

          ¥100
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        パズルのピースが埋まるとき

          #19 我が家の妖怪

          ひとは死んだらどうなるのだろう。 たぶんそこにあるのは単なる「無」だ。 死後の世界はきっとあるわけではなくて、怨念が深くて霊となってこの世をさまよう…なんてこともないのだろう。 だが一方で、こんな話も聞いたことがある。 「人が死ぬと、数グラムだけ、体重が軽くなる」。 つまりその軽くなった部分が、「魂の重さ」というわけだ。 なるほど、そういう意味では、人間の心というか、物質ではなく精神的な何かが、確かにこの体には宿っているのかもしれない。 死とともに解放されて、それ

          #19 我が家の妖怪

          #18 にんげんのそだてかた

          ひとを育てること。 それは植物を育てることに似ている。 なんて偉そうにいいながら、月猫は子育ての経験がないため、これはあくまでわたしの想像上の考え方なのでご容赦を。 生まれたとき。 ひとは一粒の種だ。 土の中でたくさんの水(愛情)と栄養(教養)を与えてもらい、広くたくさんの根を張り巡らせる。 そしてそれが芽生え、育ち、やがて花が咲く。 どんな花が咲くかは、与えられた水の量と栄養素、そして光(褒められること)の強さで変わる。 こんな「にんげん」を育てるのは、とても難し

          #18 にんげんのそだてかた

          創作大賞2024応募作品を投稿しました!

          「読者の選択でストーリーが変わる小説」です。 ジャンル的にはミステリーですが、独特な形式のため、あえてオールカテゴリ部門への投稿としております。 ちなみに…未完です! もうしわけございませんm(__)m ゲームブックに近い形式の作品ですが、通常のゲームブックと違い、「バッドエンド」はありません。 すべての分岐を読めば事件の全貌がわかり、その情報をもって、最後に「答え合わせ」として皆さんで「謎解き」をする仕組みをとっています。 故に選択肢が多く、書くことが…間に合いま

          創作大賞2024応募作品を投稿しました!

          選択:美術室

          選択:美術室

          選択:職員室2

          選択:職員室2

          選択:応戦

          選択:応戦

          選択:110番する

          選択:110番する

          YES

          いよいよ、答え合わせをする時がきた。 わたしは、今まであったいろいろなことを思い出す。 目の前にはスーツケース。 すべての事柄を思い返せば、これを開けたうえで、その中身の意味にも気付けるはずだ。 わたしはひかりと顔を見合わせ、うなずいた。 この家の主である八木山隆二が持っていたこのスーツケース。 これのもともとの持ち主は、次のうちだれ? 「八木山隆二」 「望月健太」 「児玉はるか」 「ずんだ」 「ストーカー男」

          選択:届けない

          「届けなくていいんじゃない」 あっけらかんと、ひかりがそう言った。 特に、届けて大騒ぎになるからとか、そういったような理由ではなさそうだった。 「だってさ、こんなミステリー、自分で解くチャンスなんてそうそうないよ! 一緒に何が入ってるか調べようよ!!」 全くこの子は、まさかこの状況を楽しんでいるとは。 自分が心配しすぎていたことを少しばかり反省しながら、わたしは彼女に同意することにした。 「そうね。もう少し調べてからでもいいかもしれないわね」 もし実際に身の危険が

          選択:届けない

          選択:言わない

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          選択:言う

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          選択:帰る

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