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ベートーヴェン、うまれてよかった
二年ほどまえに乳がん疑いで針生検をした。
胸に針を刺してズドンズドンと細胞を採られる。
もし乳がんでも初期だろうという見立てだけれど、やっぱり結果が出るまでの2週間のあいだ薄氷の上にいるきもちだった。
けれど検査が受けられることや、それを見守って心配してくれる人がいることを有り難く思う。
脳内で「われわれは、そっちのラッキーの方に注目したいと思っているのです」という解説の知らん人の声が聞こえてきた
わたしのカムパネルラ
ある日、ふと思ったのだ。
Sちゃんとわたしは『銀河鉄道の夜』にでてくる二人みたいだなあ、と。
すべての色を含んで真っ暗にみえる、茫漠とした宇宙に刺すほど光る星々。そのあいだを縫うように走る線路を手をつないで歩くSちゃんとわたしのイメージが浮かんで消えた。
そんなイメージが浮かんだはいいけれど、『銀河鉄道の夜』がどんなお話だったのか、いつ出会ったのか、何回読んだのか、まるではっきりとは思い出せない