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【映画】初めての深夜ホラー(映画館)を味わう【TALK TO ME】

自分が人生でまだやっていないことの中に、『映画館でホラーを観る』というものがある。

というかそもそも自分はホラー映画なんて家ですら見たくないのだ。

それを高いお金を出して、そのうえ映画館に行く手間までかけるなんて、理解し難い行動といえる。


しかし市場として成り立っている以上、体験してみたらなにか得るものがあるのかもしれない。

ちょうどよく話題作も出たとのことだし、この機会に行ってみよう。

映画館は博物館と違って夜遅くまでやっているので、もう夕方になった今からでも間に合うのだ。


……しかし夜の映画館で、しかもホラーか。

なんだか未知の体験にちょっとワクワクしている自分がいる。


クリスマスに自分へのご褒美も買ってなかったし、こりゃホラー映画がクリスマスプレゼントだな……!

(?)


ちなみに観る映画は『TALK TO ME(トーク・トゥ・ミー)』である。

海外ではなかなかの話題作のようで、日本にようやく入ってきたとのこと。

なお夜8時辺りに観ようとしたら普通に間に合わず、夜10時からのものを観ることになってしまった。

映画の長さは90分ではあるが、映画が終わったら深夜である。

映画が怖すぎたら帰りに漏らすかもしれない。


そんな心配をしながら観たわけだが……


普通に面白かった。


いやもちろんホラーなので怖いし、カンガルーはすごい声で呻くし、めちゃめちゃ痛々しいシーンも一部あるので、そういうのがダメな人には一切勧められないものではある。

しかし無駄なラブシーンもほぼないし、過剰なグロシーンで押すような描写も一部のシーンだけで、基本的にはストーリーで魅せるホラーだ。

個人的に相性が良かった映画なのかもしれない。


ではここからはネタバレも入れていくので、楽しみにしている人はご注意を。



この映画は降霊術にハマった若者たちの物語である。

本作における降霊術の手順は非常に簡単で、「霊が見える能力者の手(コーティング済み)」を握り「Talk to me」と発すると、それだけで目の前に霊が出現する

そして霊が見えたあとに「I let you in」と発することで、霊が自分の中に入ってくる

こっくりさんなどと比較すると、めちゃくちゃお手軽な降霊術である。

霊能力者の手(本物)をコーティングした呪物

なお出てくる霊はランダムなので、そこもまたガチャのようで何度も試したくなる要素になっているらしい。

そしてこの降霊術をする目的には、霊を入れたあとの異常行動を見て楽しむという目的もあるらしく、それを撮影して『 #90秒憑依チャレンジ 』としてSNSに投稿したりするのが流行っているのだ。

実際こんな道具を手に入れたらそうなりそうだなとは思う。


なお、90秒以上霊を体に入れてしまうと危険で、それまでに手を引き剥がさなければならない。そうしないと霊が体に残ってしまうとか。

そんな降霊会に参加した主人公(ミア)は、制限時間の90秒をちょっとだけ越えてしまい、それ以降自殺で死んだ母親の霊がチラチラ見えるようになる。


まあそれはそれとして、その後も何度も降霊を繰り返していたミアたちだったが、あるとき友人の弟(ライリー)が偶然ミアの母親の霊を呼び出してしまう。

そしてミアは母親と会話がしたいあまりに、90秒を遥かに越えて、ライリーの体に霊を入れたままにしてしまったのだ

その結果、暴走状態になったライリーは盛大に自分の体を痛めつけて、血だらけの大怪我で病院に入院することに。

友人の弟をこんな状態にしてしまったことを悔いるミアだったが、あるとき母親の霊から「私は自殺したんじゃない」「父親を信じるな」などの衝撃の事実を告げられる。


母親の自殺の真相は?

父親は何を隠していたのか?

ライリーくんは元に戻るのか?


一体どうなっちゃうの!?



……という感じで、全部ネタバレするのもあれなのでここらへんにしておこう。

気になる方はYoutube検索するとネタバレ動画が上がりまくりなので、それを見てほしい。

あれこれ考察する余地がある映画だと思うので、ネタバレを見ても映画を観る価値はある。


さて、これが自分にとって初のホラー映画(深夜)だったわけだが、なんだか普通に面白い作品で良かった。

正直、この映画はホラーという意味ではそんなに怖くはないんだと思う。

スマートウォッチで計測していた心拍数は約90程度で安定していたし、映画鑑賞中はまさかの「昼寝中」という睡眠ログが残るくらい落ち着いていた。


また、降霊の手順の単純さや、降霊会っぽくない陽キャな雰囲気などもかなり新鮮で、これが今の若い人の感性なんだなあと実感した。

死後の世界の表現に関しても、なかなか考えさせられる映画だと思う。


また、映像コンテンツには”ジャンプスケア”という「デカすぎる音と急な映像で驚かす手法」があるが、この映画はそういうもので驚かす感じではなかったのも好印象。

霊の造形はおどろおどろしい感じではあるものの、こっちにいきなり迫ってきてビックリ!!とかいう演出は基本的になかったはずだ。

(普通にそういうシーンあったらごめん)



……だがもちろん悪い部分がないわけではない。

個人的に思うこの映画の最大のマイナスポイントは、音響である。

もちろんこれは自分の行った映画館の音響設定がおかしなことになっていただけな可能性もあるので、映画自体を責めるのは違うかもしれないのだが。


しかしもうとにかく全ての効果音がうるさくてしょうがなかった

もし音量調整を自分でしても良かったなら、30%に落としていただろう。


なにせ枕で友人を叩くシーンですら、

「ボフッ!!!!!!ボフッ!!!!!!!」


という尋常じゃない爆音が鳴ってめちゃくちゃうるさいのである。


顔を拭くシーン
では、「ジュリ……ジュリ……」という普通に生活していて聞くことがないであろう、他人が顔を拭いている音が無駄に大音量で聞こえる。

ドアが閉まる音なんてもう不愉快さの極みだ。
普通にドアが閉まるだけのシーンなのに凄まじくうるさい。

ホラー用途とかではない無駄な爆音が映画内でずっと続くので、ひたすら不快だった。

霊が出るシーンの方が静かで安心できた気がするくらいに。



……なんだか映画館に行くたびに音量について文句を言っている気がする。

この大音量を楽しみに映画館に行っている人が存在するのはわかっているのだが、どうにも自分には……!


調べてみると、自分のように映画館の音量が大きいと思う人は一定数存在するらしく、映画館ではイヤホンや耳栓をして調整するなんて話もある。

うーん、次行くときはそれらをポケットに忍ばせるべきなのかもしれない。

とはいえ演者の音声は普通に聴きたいのだが……

映画を見るのも大変だ。


まあそんなわけで、

海外では大盛況で次回作もすでに決まっている『TALK TO ME』。

話の内容も理解しやすく、それでいて深掘る要素もちゃんとあるので、なかなかオススメの映画だと思う。

興味が湧いたホラー好きの方は映画館へ!!

痛々しい描写を見たくない人は避けたほうがいいけど


これは評判の名作ホラー映画を漁ってみるのもありかもしれない。

また新しい世界を知れてよかった。


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