140.映画としての本、本としての映画みたいなもの

2022.9/25.21:52
こんばんは。まきですよ。

もしかしたらすでにあるのかもしれないけど、もっと映画みたいな本があってもいいと思う。
最近は文章みちみちの本から遠ざかる人が増えているという話をよく聞く。確かに言われてみれば、あんなに文章だけが延々と並べられてしかもそれが何百ページも積み重ねられたものが、Youtubeやニコ動やtiktokを始めとするメディアにおいて映像作品が殆ど絶え間なく生み出され続けている現代の消費社会で未だに市民権を有していることのほうが不思議だ。だからもっと、映像みたいな本があってもいいはずだ。小学生の頃、図書館でよく見かけたジブリの映画本(あれを本当はなんと呼ぶのかわからない。物語が展開されるシーンを切り貼りして、ちょっとずつセリフを入れて、みたいなあの本だ)的なモノを想像してもらえればいい。でもあれは元々ある映画を紙媒体におこして読みやすくしているだけだから、ちょっと違う。僕が思うその映画本(名前がないのでとりあえずこう呼ぶ)は、それ自体で完結している。その本のためのモデルがいて、その本のための風景があるような感じ。今映画俳優や舞台俳優やファッションモデルがいるように、”本俳優”みたいな領域を生みたい。ただのモデルじゃなくて、映画本のなかの、主人公のキャラクター性を一瞬の光で表現するような職能が開拓されてもいいはず。静止画の上で演技するという意味では今の”モデル”に近いけど、もっと長くて深いコンテクストの中で静止画に生きるようなモデルみたいなイメージだ。文章も、繊細で美しい風景描写とか、脳に溶けて染み込むような斬新な表現が、形を変えるようなメディアになるかもしれない。
映画みたいな本、作ってみたい。

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