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【cinema】戦争のはらわた

2017年75本目。(まだあと30本⁉︎書けるんかいな)

今年は旧作が素晴らしすぎて、2017年マイベスト10に新作を入れるのが億劫になるくらいなんですが、まさにコレもそのうちの1本で。

タイトルだけは聞いたことあったけれど、実際に見るのは今回が初めてのこの作品。この「はらわた」って凄まじいなと思う。邦題をつけた人は文字どおり凄いなと思います。まさに「はらわた」を抉り出すような内容だからです。原題の「Cross of Iron」を直訳したり、原題カタカナ表記だったら、そこまで観に行く人いなかったんじゃないかと。

第2次世界大戦下、ソ連軍の猛攻によって絶望的に追い詰められていくドイツ軍歩兵小隊の命運を、戦場のリアリズムを徹底追及して描いた。1943年、ロシア戦線。ソ連軍との戦闘が激化し、撤退を余儀なくされていくドイツ軍の小隊長シュタイナー伍長は、勲章を手に入れることしか興味のない無能な指揮官のシュトランスキー大尉を嫌悪していた。2人の関係が険悪になっていくなか、シュトランスキーは勲章を得るため、シュタイナーの部隊を策略にかける。日本では1977年に劇場公開。2017年、公開40周年を記念してデジタルリマスター版が公開。(映画.comより転記)

映画見た直後の感想 (Twitterより)→
何かもうどう言い表せばいいのかわかんないけど、ラストは足の震えが止まらなくて、シュタイナーの笑い声が悲しすぎた。女性の観客は少なかったけどもあれは観た方がいい。血を見たくないとかそんなんじゃなくて、ただあの場が戦場だっただけだ。

時の戦争で、ドイツ軍側にフォーカスしたものは、戦後ほぼ初の試みだったようです。

いや!私はそんなことを書きたいんじゃない!

とにかく、見て!!できたら、スクリーンで!

かたや名誉欲の塊で、目の前で起きている事の重大さを何とも思っていない貴族出身のシュトランスキーと、かたや出世欲の一切ない、しかし戦場ではキレ者のシュタイナー。この対比って、戦場でなくても普遍的なことで、社会に出たら誰もが一度は経験したことのあるシチュエーションだと思う。部下思いの上司か、自分本位の上司か、みたいな。

あー、何だろ、難しく、複雑に書きがちなんだけど、これを単なる戦争映画とは捉えたくなくて。だけど、ものすごい戦争映画で。

シュタイナー役のジェームズ・コバーンの眼光鋭い感じとか、兵士たちの感じも泥臭くて、人間味があって、過酷な前線の宿舎の臭いまで漂ってきそうで。あの時代に即しているというか、CGなんて一切ない時代だからこそ描けるものがあるんだなって。古臭さなんて、一切ない。

***

知人に戦争映画が好きな人がいて、これは見た?と聞いたら、未見だったらしく、そんな彼が、あらすじをウィキペディアで読んで言ってきたのは、「伍長が小隊を先導することはあり得ないんだけど、少尉が亡くなったりとかあった?」と。そこかい!注目するところが細かいんじゃい!と思ったけど、おっしゃる通り、少尉が途中戦死して、またシュタイナーも曹長に昇進したよ、と言ったら、それなら理解できる、と。前にニキータ・ミハルコフの戦争三部作を見たときは、軍隊の位について、超詳しく解説してくれた彼でしたが、今度は隊の規模とそれを率いる軍人の位について、めちゃめちゃ詳しく解説してきました…。でもそれがわかっただけで、よりストーリーが理解できました。何事も深く追求するって、大事だ…!

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何を書こうともこの映画の良さを全て伝えきることはできないんですが、シュタイナーを神格化しているわけでもなく、でもただの粗野な男としても描いていない。また、ロシア軍側の様子(女性部隊が出てくる)も描かれていたり、しばらくシュタイナーが捕虜として匿う少年兵がいたり、もうね、細部まで見てほしいです。大晦日、紅白や特番に飽きた方、こちらのDVDでもいかがですか…?

そして、今日もまた、この「戦争のはらわた」を見たシアターにて、2本見てきました…。感想終わらない…。1日5本書かなきゃダメな時期になった…。あかん…。

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