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【cinema】ブルックリン

遅ればせながら見てきました、ブルックリン。
能力はあってもそれを活かせる仕事に就けない1950年代のアイルランド。主人公のエイリシュだけではなく、多くの人々が、いつか故郷に戻ってくることを夢見て、新天地アメリカを目指して海を渡った。

エイリシュは、はたして自分で全てを決断したんだろうか。
アメリカへ渡ること。尊敬する姉の薦めと彼女が懇意にしている神父から仕事と住む場所を斡旋してもらっての前提条件がありきなのでは?
トニーと結婚すること。それは完全なる妥協じゃなかったのか?
再びアメリカへ渡ること。性悪ケリーが暴露しなければアイルランドにズルズルといたんじゃないか?エイリシュ、ジムの優しさを弄ばないでよ…!

特に最後については、彼女が全てを納得して選んだ道とは思えない。トニーとエイリシュの行く末は100%明るいとは思えずに悶々としながら見終えた。

とはいえ、素朴なエイリシュがブルックリンの街に揉まれて、垢抜けていく様は、寮長さんや先輩住人たちのやりとりも含めて、とても温かく見ていて気持ちがいい。

そして、ジュリー・ウォルターズにジム・ブロードベント、ドーナル・グリーソンなどの錚々たる俳優陣が脇を固める。

あと、個人的にとても印象的だったのは、クリスマスの日に教会に集う祖国の年老いた人々。故郷に戻りたくても戻れない彼らの中の一人がゲール語の歌を朗々と歌うシーンです。何故だかわからないのだけど、私はあの辺りの曲を聴くと涙が自然と出てきます。たまらなく懐かしくなる。前世はアイルランド人だったりして(笑)

とにかく見ていて嫌な感じはしない、清々しい作品。

かと言って100%出し切った映画かというとそうは思えず。女性の自立をメインに描いたわけでもなく、ラブストーリーを前面に押し出すわけでもなく、時代の荒波を乗り越えた様というわけでもなく…

現在のブルックリン、そこは1950年代からは想像もつかない人種のるつぼになっている。当時、イタリア系やアイルランド系は差別されていた側なのに、今では差別する側にいたり。

ということを言いたいわけでもなく。

それでもエイリシュやトニーのような人々が居たからこそ、今のアメリカがあるんだろうなと思った次第です。

一番最近見た映画をそれでも久々に感想書いてみたけれど…1ヶ月以上前に見た映画の感想をちゃんと書ける気がしません。そして、本日も2本見る予定。夏が終わるまでに、ボチボチ書き上げます!

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