いちばん長持ちする感情

人は誰でも特性がある。
この「特性」というのは近年、ADHDとかASDなどの医学的な言葉になっていて「社会生活を送る上で難がある場合」、医学的な検査や治療で軽減できる。

しかし…
「発達障害」という言葉、響きが悪すぎでは?…と思う。

発達障害ではなく、「能力特性」と呼ぶべきである。


人間は全員、誰もが他の人と違う特性を持っている。

その特性が「その人が生きる世界(社会とか学校)での生活を送る上で『難がある』場合」のみ「障害」というマイナスな言葉に分類されているだけのこと。

そもそも、社会や学校のように「朝8時から17時まで拘束される」という社会生活が「正常」かどうかを疑うべきでは?

いや…6歳から朝8時に始まる学校に行き、夕方まで集団生活を送る、そのまま社会人になり、その生活を65歳まで続ける。……いやいや……これに対応できるのがホントに「正常」か?対応できなかったら「何らかの障害」「社会不適合者」って、
ハード過ぎない?

1日8時間以上を週5日、これを6歳から65歳まで続ける。
これをこなせる人が「社会に適応できている、正常な人」とされているが、
その価値観自体が異常では…?

いや、正常とか異常みたいな言葉で分類するのではなく、
人それぞれの向き・不向きとは捉えられない?

デフォルトがハード過ぎる社会に向いてないってだけの特性を「障害」を含む言葉で表すのは、

本来、治療が必要な人、その保護者を病院から遠ざけることにならない?

だから「発達障害」という名前が悪い。
代わりの言葉として
「能力特性」ってのはどう?
…と俺は数年前から思っている。


とにかく、誰にでも特性はある。
「気を付ける」程度では矯正できないレベルの。


妻と俺のことについて書こうと思ったんだった。

妻と付き合い始めたのが俺が24歳の頃だから、もう30年の付き合いになる。

途中、いろいろあったが、夫婦仲は良いと思う。

俺にも妻にも特性はある。

俺は元々の特性が社会生活には向いていなかったっぽく、二次障害で精神疾患になり、15年前に無職になってるし、
私生活でも急に何かに過集中してサッと冷めたり、相手によってはイライラされて、愛想を尽かされるような特性を持っている。

妻は外の生活、社会人としては上手くやれるのだが、私生活では「片付けることができない。また神経が図太い、図太すぎる」という特性があるため、相手によってはイライラするかもしれない。

しかし夫婦仲は良い。
その理由を愛情とか恋愛感情のような言葉で置き換えるのは無理がある。
完全に「嘘」の話になる。

愛情とか恋愛みたいな感情は、30年も長続きしないですよ。

ただ、お互いに一緒に住んでいることが全く苦では無いし、「大病とか死別はイヤ。損得ではなく、イヤ」
と思うくらいは、「好き」という感情はある。

でも「好き」だけで30年は、無理がある。


冒頭の「特性」の話に戻るが、
パートナーの特性を

「おもしろい」もしくは「カワイイ」と思えたら大丈夫だろうと思う。

おもしろい、カワイイと感じ、「人間として興味がある」と思えたら、
大丈夫です。


妻は会話の途中で寝る。スマホのスクロールの途中で寝る。
鍋の中の残りものを庭で処理しようと玄関に置いた鍋を、平気で2週間放置する。
そういうのを俺は「おもしろい」「カワイイ」と感じ、妻に不足してることは俺ができる限り補う。

俺の特性である、過集中&サッと冷める、当然、出費も伴う、この「奇行」とも言える数々の行いを妻は確実におもしろがっている。

「また何かにハマってるな…」とシレッと観察し「私の旦那のおもしろエピソード」として人に話している。これは妻本人が言ってた。
「人に」というのは誰に対してかというと、中学生である。妻は中学校の教諭をしている。
妻いわく「バカウケ」らしい。
奇行を繰り返す〇〇先生の旦那さん、中学生からバカウケ。たぶん無職なのもバラしている。
そうやって昇華している。
俺はそれを聞いて何とも思わない。
学校生活が退屈だと感じてる中学生の息抜きになれば、それでいいです。


愛情とか恋愛感情とか情欲とか、30年も続かない。

1人のパートナーとの生活において、
いちばん長持ちするナイスな感情は「おもしろい」と「カワイイ」だと最近、思うようになった。

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