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医療と介護の目指すそれぞれの目的

こんにちは。よく仕事でタイトルの説明をすることが多くなりました。日本の医療・福祉業界は、国内の様々なメーカーや商社が参入したり、第二の高齢化社会を迎えようとしている海外の国も日本に注目しています。

そこで、まずはシンプルに医療と介護の”目的の違い”を説明したいと思います。あと、お金についても少し触れます。

[それぞれの目的]
医療・・・治癒を目的とします。
介護・・・生活維持を目的とします。
( ゚Д゚)は?分かるわ!!って思うでしょうが、結構下記を説明すると、たしかに!そうなんだ!って納得する人が多いのです。

[それぞれの目標意識と売上について]
目的とする指標や売上の流れは何を意識してどうなっているのでしょうか。

医療の目標意識
医療は、”病名(課題)”を診断することで”治癒計画(対策)”が立てれます。病名診断のために問診や検査を実施し、治癒計画は、投薬や手術となります。これにより、患者を治癒に導くのです。

医療の売り上げ
医療機関は、治癒した対価の報酬を”患者”と”国(保険)”からもらいます。
みなさんも医療機関にかかった時に窓口で多少なりとも支払いしたことがあると思います。基本は3割ぐらいの負担となります。残りは、国(保険)から医療機関に支払いされます。

ちなみに、それぞれの請求タイミング
患者への請求・・・即時請求(帰り際に窓口清算)
国(保険)への請求・・・月末に当月かかった患者分すべて請求
※ちなみに、会社員は”国ではなく協会けんぽ等”が支払います。

ですが、国は( ゚Д゚)根拠見せろ。っとなるわけです。

そこで医療保険を請求する際に重要なのは、”病名”と”治癒計画”の2つとなります。請求する書類(レセプト)には、患者情報と病名、治療計画を記載したものが書かれており、国(保険)に請求すると問題なければ、医療機関の口座に振り込みされます。

整理すると
病名診断⇒治癒計画⇒治癒(経過観察)⇒請求(患者)⇒国(保険)
こうなります。病名(症状)が重要だということが分かりますね。


介護の目的意識

介護は、”生活維持”を意識します。生活維持とは、”個人の現状できる能力” ”個人の生活資金(財力)” 大きくこの2つです。

個人の現状できる能力
人間は、年齢を重ねると身体的に老化します。よって”現状どこまで自身で対応可能か”をまず判定します。例えば、自身で食事・整容(着替え)・入浴・排泄・移動がどこまでできるのかを評価します。

自身でできることは、なるべくそのまま継続してもらいます。介護は、自身ではどうしても難しく生活する上で能力として必要不可欠なものを人がサポートします。(例:食事は自身で食べれるが、料理ができなくなった等。この場合は、生活援助サービスという介護保険で食事支援をします。)

個人の生活資金(財力)
介護サービスを受けるということは当然費用がかかります。
・介護サービス(身体介護など)
・施設利用料(居室料金など)
・食事代金(施設の場合は、食事提供されるため食事代)
・その他(散髪代など)
これらは、利用者の収入(年金や貯金、資産など)、家族等からの支援金によって介護事業所へ支払わなければなりません。
サービス内容が増えれば増えるほど費用は高額になります。しかも、医療と違ってサービスを受けつづける限り、毎月かかります。よって必要な介護サービスと生活資金は関係性が深くなります。

介護の売り上げ
介護事業所は、生活維持支援の対価を”利用者”と”国(保険)”からもらいます。利用者からは、1~3割。残りは国(保険)から介護事業所へ支払いされます。ここで、医療と介護で目的の違いにより費用の考え方が大きく変わります。

介護は、”生活維持”のためサービスを受けるかぎり請求が続く(定期)。ということです。医療は、治癒行為を受けたら支払う(随時)。

よって、介護サービスを受けた日に随時支払う。ということはありません。月末に締めて翌月に利用者へ介護事業所は請求書をお送りします。

整理すると
サービス受ける⇒当月の生活維持⇒月末に利用料確定⇒請求が利用者へ届く⇒支払い⇒翌月も繰り返す。こういうサイクルとなります。

介護事業所は、レセプトを国に対して請求し、その対価を国は支払います。
( ゚Д゚)ん?医療は、”病名”と”治癒計画”だったけど。( ゚Д゚)介護は?と思われますよね。

介護は、レセプトにサービスの実績のみを記載します。”実際にサービスした根拠”の確認は、レセプトで判別することが難しいです。では、どうしているのか。

国から派遣される調査員が介護事業所へ訪問し、”介護記録”をチェックします。そこで、具体的に介護サービスが適切に行われているか確認しているんですね。

補足)
いままで説明したものは、厳密にはもっと複雑な説明や表現が異なります。
ですが、誰でもイメージできるよう表現してみました。

国民の”健康維持”は医療。”生活維持”は介護(障がい福祉含む)。
これにより、安心して皆さんが人生を生きることができます。制度だけではなくこのサービスを提供している人が沢山いらっしゃいます。

少しでも、医療・福祉を知ってもらえると幸いです。

以上。





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