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古典

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まるきり解ってません。単なる感想。
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今は昔・竹取物語

今は昔・竹取物語

今は昔、竹取の翁といふものありけり。野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。名をば、さぬきの造となむいひける。その竹の中に、もと光る竹なむ一筋ありける。あやしがりて、寄りて見るに、筒の中光りたり。それを見れば、三寸ばかりなる人、いとうつくしうてゐたり。

問題です。

問一、翁が光る竹を見つけたのは、どの時間帯でしょーか?

問ニ、姫は、なんで竹の中にいたのでしょーか?

問三、問一と

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仁和寺にある法師・兼好法師

仁和寺にある法師・兼好法師

原文、まあまあ長いんで端折って粗筋書きます。

仁和寺の僧が、歳とるまで岩清水八幡宮をお参りしなかったのを悔いて、徒歩で参詣し、感激して帰ってきた。仲間には、みんな山に上っていたが、遊びに来たのではないので、見たいけど我慢した、と自慢した。誠に先達は必要なことである。

仁和寺の僧がアホな点。
1、山上に御本殿があるのを知らない。(無知)
2、自分の信仰の厚さを自慢する。(承認欲求の塊)

兼好さ

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玉の緒よ・式子内親王

玉の緒よ・式子内親王

玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば忍ぶることの 弱りもぞする
  (式子内親王・百人一首)

後白河院の第三皇女、式子内親王のお歌でございます。

なんでも愛子さまの卒論が、式子内親王だったとかで、雅をかんじまする。
あれですってね、愛子さま、伊勢神宮に行ったとき、ご質問されたんですってね。
「斎王(伊勢神宮の斎院)は、結婚できなかったのでしょうか」
って。

斎院は、皇統の未婚の女子が神に仕え

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敦盛の最期・平家物語

敦盛の最期・平家物語

「あはれたすけ奉らばや」と思ひて、うしろをきッと見ければ、土肥、梶原五十騎ばかりでつづいたり。熊谷涙をおさへて申しけるは、「たすけ参らせんとは存じ候へども、御方の軍兵雲霞のごとく候。よものがれさせ給はじ。人手にかけ参らせんより、同じくは直実が手にかけ参らせて、後の御孝養をこそ仕り候はめ」と申しければ、「ただとくとく頸をとれ」とぞ宣ひける。熊谷あまりにいとほしくて、いづくに刀をたつべしともおぼえず、

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道の辺に・西行

道の辺に・西行

道の辺に清水流るる柳陰 しばしとてこそ立ちどまりつれ
     (新古今集和歌集)

よく見る解釈は以下のようなもの。

道のほとりに清水が流れている柳の陰がある。ほんの少し休もうと思って、思わず長居をしてしまったことだ。

うーん。なんか、違うなあ。ここで止めるか。なんかぬるい。ぬるいなあ。

西行は俗名佐藤義清、北面武士。ある日、突然、出家する。家に帰ると娘を庭に蹴り落とし、そのまま仏の道へ。

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冬はつとめて・清少納言

冬はつとめて・清少納言

冬はつとめて。雪の降りたるは言ふべきにもあらず、霜のいと白きも、またさらでもいと寒きに、火など急ぎおこして、炭持て渡るも、いとつきづきし。昼になりてぬるくゆるびもていけば、火桶の火も白き灰がちになりてわろし。

実は冬、私的には、あんま面白くないのよ。白のイメージで統一してるって、すぐわかるし、をかし、をかし、ときて、最後にわろしで下げるのも、いかにもみたいな締めかだで、なんか清少納言の才が前面

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秋は夕暮れ・清少納言

秋は夕暮れ・清少納言

秋は夕暮。夕日のさして山の端いと近うなりたるに、烏の寝所へ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。まいて、雁などのつらねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。日入り果てて、風の音、虫の音など、はた言ふべきにあらず

愛と妄想の変態的枕解釈。今回は秋。だんだん清少納言の手口がわかってきたんで、それに則って、
秋、いってみよー!

秋でええのが夕暮れだそうです。考えてみたら、清少納言

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夏は夜・清少納言

夏は夜・清少納言

夏は夜。月の頃はさらなり。闇もなほ、螢の多く飛び違ひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし。

はい、夏です。勝手に書いていきますんで、それ違うとかあったらご指摘ください。優しくね。私も勉強になりますんで。
では、夏、いってみよー!

夏は夜をかし、ですよね。だって涼しいもの。月が出てりゃもっといい。風流ですもの。いや、月なくってもいい。闇夜でも蛍がいっぱ

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春はあけぼの・清少納言

春はあけぼの・清少納言

春は、あけぼの。やうやうしろくなりゆく山ぎは、すこし明かりて、紫だちたる雲の、細くたなびきたる。

えー、和歌ではありません。清少納言の「枕草子」でげす。近頃は小学校でも習うそうなんで、ここにあげるのは甚だ恥ずかしいのだが、古典の知識ほぼないものが、Wikipediaと勘だけを頼りに、勝手な感想を書くシリーズなので、ご寛容いただきたい。
もしかしたら、前に書いたかもしれないが、厚かましくも、書く。

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あしひきの・大津皇子

あしひきの・大津皇子

あしひきの山のしづくに妹(いも)待つとわが立ち濡れし山のしづくに  大津皇子

吾(あ)を待つと君が濡れけむあしひきの山のしづくに成らましものを  石川郎女

大名児(おおなご)が彼方(をちかた)野辺に刈る草(かや)の束(つか)の間(あひだ)もわが忘れめや 草壁皇子

悲劇のイケメン皇子、文武両道人気抜群の大津皇子。
悲しいかな、持統の策略により、謀反の罪を着せられて、首をはねられます。
謀られた

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春過ぎて・持統天皇

春過ぎて・持統天皇

春過ぎて 夏きたるらし 白妙の 衣ほしたり 天の香具山(萬葉集)
〈大意〉春はもう行き夏が来ているらしい。真っ白な衣が干してある天の香具山に
(鑑賞)夏が来た喜び

などと百人一首を買うと、付録の解説に書いてある。まあ、間違いではないでしょう。夏の到来を喜ぶ歌ね。
ただ、貴族って、夏、嫌いなんですよね。暑いし。京都も暑いが奈良も暑い。海、ありませんものね。熱の逃げようがない。
古今和歌集の部立てで

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駒とめて・定家

駒とめて・定家

和歌が好きである。近代短歌も割と好きなのだが、多くは読んでない。晶子と啄木くらいなものである。現代短歌はもっと読まない。まあ、寺山修司や俵万智は読んだが、「サラダ記念日」がベストセラーになったのは、もう40年くらい前のことだ。穂村弘に至っては最近名前を知った。
和歌もおんなじで、知識としては百人一首に毛が生えたようなものである。当たり前だが古語があって、よく読めない。あと約束事もよく知らない。なの

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