資金を増やす経営のポイント~その2~
先日、儲かっても資金が増えるわけではないことについて説明しました。では、どのようにしたら資金が増える経営ができるのでしょうか。今回は設備投資についてです。
売上を上げるためだけに設備投資をしてはいけない
会社が設備投資をするのは売上を上げるためではありません。このことを誤解している社長は多いですが、そのために資金繰りに苦しんでいます。原則として、設備投資は二重に支払が必要なのです。二重に払えば資金が足りなくなるのは当然ですよね。
ではどうして二重払いなのか説明します。1つ目の支払は、設備の購入代金です。これは当たり前ですね。肝心なのはもう1つの方です。それは税金です。
設備は購入してもすぐには経費になりません。減価償却といって、設備の使用可能期間にわたり毎年少しずつ経費にしていく処理が必要だからです。そのため、設備投資のためにいくら支出しようとも、税金が減るわけではありません。支出はあるのに税金は払う、だから二重払いなのです。
税金のかからない設備投資もある
設備投資は二重に支出が必要と説明しましたが、例外もあります。次の3つのタイプの設備投資については、税金が減額されますので、二重払いの影響を和らげることができます。
・中小企業投資促進税制
・商業・サービス業・農林水産業活性化税制
・中小企業経営強化税制
上から順に適用しやすい制度になっていますが、効果は下の方が高くなります。詳しい説明は、以前の記事で解説していますので、それぞれのリンク先をご覧ください。
これらの制度は顧問税理士さんでも知らない方がたまにいますので、設備を購入する前に、これらのどれかが使えないか聞いてみてください。なお、「前」と書いたのは、購入後には使えない制度もあるからです。
設備投資をする本当の目的
設備投資によって、税金が優遇される場合もありますが、それでも会社の資金の支出は避けられません。となると、設備投資に効果があると認められるときにのみ投資をするようにしなければなりません。
では、設備投資はどのようなときにすべきでしょうか?答えは、投資額以上に「資金」が増える見込みがあるときです。資金が増えるということは結局売上を増やすことではないか、と思われた方もいるかもしれません。極端に言いますが、資金と売上には相関はありません。つまり、売上が増えたからといって資金が増えるわけではないのです。やり方によっては、売上を減らしても資金は増やすこともできます。
したがって、設備投資をする前には、将来の「資金」収支についてシミュレーションを行うことが基本です。これなくして投資を行うのは、賭け事と同じですので、資金が減少しても仕方ないのです。
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