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積極的な設備投資で節税する

人材投資を行うことで節税となるのが、前回紹介した給与等の引き上げを行った場合の税額控除です。人材ではなく設備に投資をした場合にも、中小企業向けにはいくつかの特典が用意されています。まずは、適用が手軽にできる制度を紹介します。

なお、本制度が使えるのは資本金が1億円以下(税額控除は資本金3,000万円以下)の法人です。また、詳細については顧問税理士にご確認ください。

対象となる固定資産

次のような資産を新品で購入した場合には、特別償却か税額控除のいずれかを使って税金を減らすことができます。
①160万円以上の機械装置
②120万円以上の測定工具・検査工具
③70万円以上のソフトウェア
④貨物の運送の用に供される3.5t以上の普通自動車

なお、②と③については1つの資産ではなく合計額でも適用できる場合があります。ひとまず、金額のことは忘れ、上記のような資産を購入したら節税の可能性があることを覚えておきましょう。

特別償却を選択する場合

適用対象資産を購入し、特別償却を用いる場合には、通常の減価償却費に取得価額の30%相当の特別償却費を加算することができます。その分経費が増えるので、税金が減ることになります。

ただし、特別償却は将来の償却額を先行計上するものなので、耐用年数全体を通じた費用の額は同じになります。つまり、本当の意味で税金が減るわけではなく、課税される時期を先延ばしできるだけです。それでも、投資した会計年度に税金が減れば、手元資金がその分増えるので経営にはプラスになります。

税額控除を選択する場合

税額控除を用いる場合には、通常の減価償却費の計上に加え、取得価額の7%の税額控除(ただし、税額控除適用前の法人税額の20%が限度)が受けられます。

特別償却の場合は取得価額の30%分の経費が増える(その結果税金は約9%減る)のに対し、税額控除の場合には税金を直接取得価額の7%分だけ減らします。取得年度だけで見た場合には特別償却の方が減税効果はあるのですが、税額控除は本当の意味での減税ですので、耐用年数全体を通じた税金額も減るのが特徴です。

特別償却と特別控除の選択

課税の繰り延べだけど取得年度の減税額の大きい特別償却を選ぶか、永久減税となる特別控除を選択するかは経営戦略によります。以前私の記事でも書いていますのでよろしければご参照ください。

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