【アンダーザテーブル】
[Intro]
こんばんは。ひょんなことから離婚と再婚をコミカルタッチに書くことになったアラフォーの私。ぜひ、隙間時間にエピソード1からお読みいただけたら嬉しいです。
[ざっくりあらすじ]
とはいえ時間がなくて、本編から読んでいただける方へ:
離婚を決意し、東京から大阪へ出戻ったアラフォーのバツイチ子持ちが10歳下の彼に出会って運命を感じ、数々の障壁を乗り越えて再婚するまでのありそうでなさそうな大冒険のお話です。
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意中の彼と、あろうことか彼の28歳のお誕生日をお祝いした後、
私は7年ぶりのインフルエンザにかかり東京→大阪までの引越し期間ほぼ彼に会うことはできなかった。(SADAME)
とはいえ、毎日のようにLINEであーだこうだと恋愛話をしたり、私は大阪に帰ったら彼氏作ってやるぜと宣言したり、本当は1番が彼なのはわかっている気持ちは一旦押し殺し、自分の状況を客観的に捉えた時に諦めないといけないと強く誓った。
彼は、普通に同世代の可愛い女性と結婚し、子どもを授かり、家なんか買ったりして、幸せに暮らしていくんだ。普通に。
普通ってなんだ。なんなんだおい。
彼には、絶対に幸せになってほしい。
そこでこんなややこしい事故物件のような自分が介入しちゃダメ。
私は、彼の相談役クレアおばさん(シチュー関係あらへん)として寄り添った人生を生きよう。
この感情は、「諦め」とはまた違ってて。
本当に大好きな人だから絶対に幸せになってほしい。それが叶うなら、私は喜んで身を引くのだ。それが愛ってもんだろうよ。そうだろうよ…。
謎の正義感で補綴(ほてつ)した感情に笑顔で蓋をしてフリック機能を駆使して今日も彼に「陽気なおばさん」なメッセージを送るんだ。
離婚と引越しでかなりボロボロだた私の心は、大阪に帰ってきてから、家族や友人のおかげでずいぶん私は心が癒されていった。娘はのびのびと育ち、彼女らは自分の部屋で眠る。
私は、全ての育児と家事を終わらせて、いつもなら彼女らと一緒に寝落ちするのに、彼と毎日のように電話をする日々がスタートした。
彼「仲良い女友達3人と今日飲みにいったんですが、瀬菜さんとの仲の良さを考えたら、それ以上に仲良い人いないって気づきました。」なんて歯の浮く話をしてくれる。
んもーーーーーーー!!!
翻&弄
惑わすなぁおい!!
興奮しすぎて耳から名前のわからん汁出るわ(描写がオゲレツ)
序盤から気づいていたんだが、
私たちは本当に話が尽きない。
毎日LINEして夜も数時間ほぼ毎日電話しているのに、全く話が止まらない。
本当にくだらない話から、過去の話、離婚の話、ちょっと影のある話いろんな話をして9割大爆笑して、1割二人で鼻垂らして泣いたりした。
ソウルメイトを超えたツインソウルだとずっと感じているのに、
「現実」が私たちに理性を高速で投げつけてくる。
ちょっと真面目になりすぎたので、
「くだらない話」はどれくらいくだらないかをご紹介しよう。
花粉症で悩まされる彼。
くしゃみを何度もした後、
「わしゃめしべか!」とツッコミを入れていたり。
彼「夜、鼻毛が出ていないのに、朝になったら出てくることがあって。
俺の鼻毛は朝顔みたいなもんよ。」
って謎に鼻毛に風情持たせたり。
本当に、くっそどうでもいい話を永遠にして、
彼に会えない日々がほぼ2ヶ月ほど続いた。
それでも、毎日の電話やLINEは一日も途切れることはなかった。
ちょくちょく、彼は東京でデートとかは重ねていたっぽくて
それの報告会を電話でしてもらって背中を押したり。
私も、クリニックに行ったら担当医がイケメンだった話とか。
でも、根底ではわかっている気がして。
本当は2人で話すのが一番心地いいし、
私は彼がタイプなのに
わざと他を見ようとしていたり。
彼も、結局「何かが違う」と感じてなのかデート数回で会わなくなったり。
現実的に、
私には2人の娘がいて。
職場は同じなので月に2回ほどは出社の日に会えるけど
東京ー大阪間の遠距離になってしまい、
バツイチだし。
年も10個も上だし。
目尻のシミは消えないし。
二の腕と下腹は肥大化するし。
西は飯がうまくて箸が止まらないし。
たこ焼きは6個100円だし。
引越し前にふるさと納税で玄米16kg貰った挙句
さかい引越しセンターの見積もりしたら米1kgもらえるし
地元に帰ってきたら子育て支援で米20kgもらえて
なぜか年の数だけ米があるし。(節分か)
私は米じゃなくて、彼がいいんだよ。(なんの話?)
なんだか最後、地元のPR広告みたいになってしまったけど
毎日楽しくて、ちょっぴり切ない日々が続いて未来が見えなかった。
そんなある日、また東京に出社することになった。
ランチは彼と別の同僚と。
夜も彼と高校生の頃を思い出そうキャンペーンと題してガストで豪遊することになった。(ガストで豪遊て)
新幹線の最終まで、タイムリミットは2時間。
久しぶりの再会にココロオドル。
私が以前、友人から譲り受けたオシャレパーカーを彼にあげたことがあった。彼は、見る限りいつもそれを着ている。
その日も、可愛く着こなしていた。
彼のチャーミングないでたちを見るだけで、米何杯でもいける(いくな)。
ドリンクバーで乾杯し、
本当に覚えてないくらいどうでもいい話をする。
目を合わせて、こんなに大爆笑して会話を楽しんでいるのは、そのガストの中で私たちだけだった。
ガストでデートしている高校生でもお互いそれぞれのスマホを見て会話していない。
彼は、私の前でスマホをいじったりしない。
「今」に集中してくれる。
目の前の私との会話を全力で楽しんでくれている。
意外とできる人は少ない。
それは、結婚した今もそう。
彼の好きなところの一つだ。
私は、その時は表面上、まだ恋愛相談役姉御的なポジションをとっていたので恋愛術的なことを彼に伝授することがあった。
私「デートを重ねたら、”アンダー・ザ・テーブル"方式で攻めてください。」
彼「そ、それは?」
私「テーブルの上では、いつも通り普通に会話を楽しんで、
テーブルの下では、体のどこかを触れて見てください。超絶ドキッとくるんで。
膝が触れるくらいでもいいし、こうやって向かい合ってるなら…
ほら。」
と、私は自分の足で彼の片足を挟んでみた。
すると、
ビュンッ
ガストの中に、風が吹いた。
知ってる。これ、恋の風だ。
なんだろう、この、しっくり感。
居心地の良さが尋常ない。
まるで、自分の探していた片割れが、かっちりパズルのピースのようにハマった感じがして、私はすぐに解こうと思っていた足が動かなくなってしまった。
彼は彼で足を解こうともせず、
「…しっくり感、半端ないですね。」
と照れている。
テーブルの上では、またくだらない話を進めているんだけど、
足はずっと触れ合ったままで離れようとしなかった。
ピピピピピッ
タイムリミットのアラームが鳴った。
絶対に楽しすぎて、新幹線の終電を逃しそうと予想していたので事前にアラームを設定しておいたのだ。
時刻は20:00。
かなり健全なシンデレラリミット。
次はいつ会えるかわからない。
でも、確信したのは、彼はツインソウルであるってこと。
最初に出会った頃から気づいてはいたけど、
初めて触れて確信に変わった。
誰とも感じたことのないフィット感。
なんだったんだあれは。。。
頭の中でピンクのオーラが出過ぎて、
その筋の見える人があの時の私を見たら、
でっかいわたあめが歩いているように見えたに違いない(何言うてんねん)
後ろ髪をグワングワン引かれながら、
私は西へ向かった。
次回、ついに彼のお家へお邪魔することになるのだが、超絶切ない結果になるなんてその時の私は知るよしもなかった。
To be continued…
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