澄幹 露乃(Sumiki Tsuyuno)

平成16年生/作家志望/大学2年生/東北学生お笑い/演劇サークル(主に役者) 学生製…

澄幹 露乃(Sumiki Tsuyuno)

平成16年生/作家志望/大学2年生/東北学生お笑い/演劇サークル(主に役者) 学生製作ですが毎週作品更新をしています。 少しでも頭の片隅に存在を入れて頂けると嬉しいです。 X(contact,message)···▸https://twitter.com/Tsuyunote

最近の記事

vlog 温もりは生き方を表す

お盆期間中に帰省した時のことである。 私は帰省して二日目に、突然原因不明の高熱を出してしまい 今年のお盆の墓参りに行くことができなかった。 幸い一日で熱は下がったものの体調が戻らず 結局、帰省した一週間のほとんどを家の中で過ごしていた。 私が大学生になって家を出たことを起点として 家族はそれぞれやりたいことを行うようになった。 父は趣味でひとりで遠くに出かけるときが増え 母は健康維持のためにヨガやサウナに通い 姉は推しのためにさらに仕事を頑張っている。 それで私は より祖母

    • vlog 今日の空も綺麗である

      今回は、いろいろなことをだらだらと話すように語りたいなと思います。 高校生のころまで私は 「20歳になるまで死ぬ、何が何でも死ぬんだ」って思ってました。 ちいさいころから 自分自身を守ること、自分が笑顔でいることが苦手でしかなくて。 まだ許される言葉でいうと躾、でも大人になって、はっきり言ってしまえば精神的暴力だとわかってしまったことをきっかけにして 広い場所で何か言葉を言われると何もかも恐怖を感じるようになって。 そのたびに自分が大嫌いになって。 例えば、学校でクラス

      • ショートショート『あ・い・す』

        アイスクリーム 甘い 甘いなら 幸せである 愛すこと 甘い そして濃くもあり 幸せである ふたつに共通すること それは とけて 無くなること 不老不死の未来が叶うまでは 生きものはみんな 皮膚も臓器も体液と一緒にとけていく 骨になって死ぬ アイスクリームという食べ物は 熱いところに置いてしまうとすぐ溶ける だから私の周りは「早く食べなさい」と言った 思い出というもの それは一瞬 一生のことを交わしあったとしても きっとそれは一瞬 また日が昇ってからの生活はどうな

        • ショートショート『地球の広さを知ったとき』

          「ばあちゃんは、まだここさ行ったことねぇんだよ」 私は小さい頃、世界はとても小さなものだと思っていた。 番組に映るところだけが、国の全てであり、きっと自分も大人になれば世界一周とかいう壮大なことも簡単にできると思っていた。 自分が小さい頃には既に70歳を超していた祖母は、それはそれはいろいろなことを教えてくれた。 大好きだったおやつのレシピ、母が全然作らないような手の込んだ料理の振る舞いだとか、話す時の仕草も何もかも。 昔の給食は、今と比べると美味しくなかったとか時々尖った

        vlog 温もりは生き方を表す

          vlog 一歩を踏みだして

          お元気ですか。澄幹露乃です。 そろそろいろいろと身バレしそうなのですが 別にそれは良いとして大学2年生前期の振り返りをしようと思います。 今日はいつもと違って、いつも話しているような口調で書けたらいいなと思います。 予めワンクッション置きますが、暗い内容もどうしても含んでしまうのでここで見たくないと感じた方はそっと閉じて頂けると嬉しいです。 4月 無事フル単で2年生に進級し初めて大学で後輩ができました。 率直に言うと全員素敵な人しかいないです。 やりたいことに真摯に向き合

          vlog 一歩を踏みだして

          短編小説『風向きと手紙』

          お元気でしょうか、お元気で、いられているでしょうか。 すでに騒がしい街と過ごしながら何年経ったのでしょう。 いつ会えるか分からないあなたへ、つらつらと手紙を書いていられるくらい、穏やかな毎日です。 最近は、悪い噂が強いですが、それにも負けずに生きられています。 もしかすると、近いうちに会えるかもしれないし 会えないまま去っていくかもしれないですね。 明日のことって、前の日からわからないから ほんとうに、ほんとうに、いやになりますね。 今の瞬間って、彩ることができると思いま

          短編小説『風向きと手紙』

          作品更新休止のお知らせ

          読者の皆様へ 日頃から作品をご覧いただきありがとうございます。 澄幹露乃です。 この度、学業に専念するため少しの間活動を休止いたします。 現在私は大学生としての生活をしながら作品の執筆をしております。 今はまさに学期末の時期に差しかかり、課題等で多忙を極めている所存です。 学生制作ではありますが、自分が作家として活動するうえで、勉学との両立は最優先事項であることから、夏休みに入り落ち着くまでの間、作品更新をおやすみさせてください。 休止明けからは、またさらに読者の皆様に

          作品更新休止のお知らせ

          19歳の自分が考える「最期」と「葬式」

          はじめに これは「死にゆく過程」というものがこういうものです、ということを定義しているわけでもなく、そして、書いている今の自分が死ぬ間際にあるわけでもありません。  今生きているうちに自分が「死ぬ」ことについて、今までの人生からどう思うようになったのかを書かせていただいたものです。  絶対的な事実として、いつか、私も皆さんも、死ぬのです。  ずっとずっと先のことにもなりますが空も植物も建物も、絵も土も星さえも、すべて必ず廃れていくのです。  でもそれは怖くはないと思います。一

          19歳の自分が考える「最期」と「葬式」

          ショートショート『メロンパン』

          食いだめができない人間は、毎日何かしら口に入れてそれが消化されるまで活動を行う。それは数時間、人によっては半日くらいだろうか。 とにかく何かを「食べたい」と感じられているのなら、感じられるなりに、時々は特別なものを与えないと人は食べる気力をも失いそうになる。 だから私はひとり、メロンパンを食べる。 メロンパンは、食事なのかおやつなのか分からない部類だからだ。 大体は大きくて、クッキーのような歯切りのよい生地に、ゆっくり噛めるように意図的に設定されたようなフワフワの中身。中に

          ショートショート『メロンパン』

          ショートショート『マスク』

          顔に当たるのは毛布だけがいいなと思っているけど、3年も続いたある時期が明けてもまだ続く文化、というか外せないものがある。 「マスク」 本来は外気に生息する病原菌から身を守る術のひとつ。鼻と口をしっかりと覆い、鼻に乗る針金にもしっかり折り目を付ける。 でも、世の中から自分が守るべきものはマスクだけじゃ解決できない。 この前は病院に行き、薬を処方してもらった。 また飲む量が増えた。 その前は人前で嫌味を言われた。 でも、涙は出さずにがまんした。 ひとりでなみだを流せば、誰に

          ショートショート『マスク』

          vlog 破れない壁と闘いながら

          今回は、私の内面的なことについてお話しさせていただきたいと思います。 私には、発達障害があります。 ASD(自閉症スペクトラム障害)と、 ADHD(注意欠陥・多動性障害)です。 これだけでも充分生きにくいのですが 先日、軽度ではありますが 「うつ病」と「パニック障害」の診断を受けました。 真っ先に感じたこと、それは「諦め」でした。 私は普通の人間として生きていくことができないこと。 この社会を生きていくには、多すぎる壁に閉じ込められたうえで過ごさなければならないこと。

          vlog 破れない壁と闘いながら

          ショートショート『休日』

          人は眠らなければならないし、食べなければならない。 お風呂にも入らなきゃいけないし、汚れた服は洗濯しなきゃいけない。 それでも、駆け回って過ごす私たちは素晴らしいから、週のどこか一日だけでもいたわるというものは必要だと最近感じるようになった。 焼きたてのトーストを熱いコーンスープで流し込み、窓を開ける。 それからみずみずしい野菜の繊維をかじって、咀嚼して、まだ食べ物を取り込めるという達成感を味わう。 それから、ベッドにまた戻って吉本ばなな先生の本を開く。 お供はあえて甘く無

          ショートショート『休日』

          短編小説「カレーライスのはなし」(過去作)

          老若男女問わず愛されるカレーライス。 日曜日のお昼より少し早い時間からその匂いがするのが、一種の日常のような感覚でいた。 3歳の時からずっと動き続ける換気扇と、グルメ番組、炊飯のタイマー、この3つがだいたい組み合わさっていた。しかしながらお腹は鳴らない。可笑しい。 唐突だが、私はちっちゃい時不思議だったことがある。 給食のカレーがお米と分けられていたこと。 地域によって異なるが、私の地域では、半々に分けられたおかず、汁物、缶に入ったご飯、森永牛乳、時々デザートと分けられてい

          短編小説「カレーライスのはなし」(過去作)

          ショートショート『ON THE STAGE』

          「もうすぐ開場でーす」 この言葉は、いい意味でぴりりと空気を整わせる作用がある。 「出られる人から出ちゃってくださいねー」 この言葉は、1番心をほぐして、且つさびしくさせる言葉のひとつ。 練習は何日、何カ月もあるのに、リハーサルや本番は数日しかない現実そのものにつまらなくなったことは無いだろうか。 「トリプルベジタブル」通称トリベジを結成して半年が経ったころ、僕はなぜだかそんな感情を抱いていた。コントで、まっすぐじゃないいろいろな系統のやつ。いかにもやりがちだよねと思うよう

          ショートショート『ON THE STAGE』

          短編小説『そよ風』

           植物が芽吹き、暖かくなってきたと同時に人としての心が目覚めようとする頃に、いつしか描いていた願いが叶う日はいつなのだろうかと思う。  テレビをつけると必ず悪いニュースが流れる社会に生まれてしまったからには生まれてしまっただけでとても重いものを背負っているような感覚が幼少のころから襲いかかって、それは続いている。 田畑が長い道のりを歩いて帰っていると、必ずこんなことを想うのだ。  「ねえいとちゃん、ひろーい空ってどこまで続くのかな」  私の隣には、ふうかちゃんという子がい

          ショートショート『あした天気になあれ』

          「あーしたてんきになーあれ」 まだこの世の全てが大きく見えた頃、靴を蹴飛ばして天気が分かることなどありえないことを知らなかった純粋な気持ちに戻りたいと思うことがある。 今思えば無駄な遊びだなと思ってしまう大人の自分が醜く感じるのも、夜の景色を知ってからだ。 暗い景色にくらくら、それに疑問を持つことなども当たり前になっていく。 太陽が沈んでいるのだとは分かっているものの、昼間の空は何色にも変わる。きらきら。 今は、水彩絵の具の混ざり具合のように、みずみずしい想いが弾けて一

          ショートショート『あした天気になあれ』