長女としての責任

ただでさえ心の病を抱えている母にとって、今回の離婚の話は辛いものがあったんだと思う。
母は体調が悪化した。
すごい頭痛と下痢、体がだるくて目も見えない、
動悸と不整脈もでてて苦しいと言っていた。

ではなぜ伝えるタイミングが今でなくてはならなかったのかということだが、それは父の我慢が限界だったからだ。
父は母とだいぶ前からそれこそ何年も前から離婚したがっていた。
それに母は気づかず、数年間が過ぎた。
そしてコロナで家計が困窮し、父にそのしわ寄せがいった今、限界が来た。
父はこれ以上我慢ができないと思った。
これ以上我慢させてしまうと平和的な離婚ができなくなりそうだった。

したがって私は、父の気持ちのトゲを出来るだけ取り去った形で母に伝えた。
母をなるべく傷つけない言葉選びをして伝えた。
多分父と母が直接話し合ったらこうはいかないだろう。
母がボロボロになるのは目に見えていた。
だから私が間に入ることにしたんだ。

しかしどういう形であれ、父の気持ちを知った今母はショックを受けている。
家事もできなくなった。持病も悪化しただろう。

父は結婚時代から料理をしたことは数えるほどしかないし、多分愛情を持っていない人に対して料理を作れる人ではない。
母は料理をするのが得意で、食べさせた相手が喜ぶのを見るのが好きだったから料理を作りたがった。
だから妹は大学生だけれども料理ができない。

母と妹が二人暮らしをしても、母が体調を崩したりしたら妹が料理をしなきゃいけなくなるだろう。
これまでは母は体調が悪い時も家族のために料理をしていた。
だけどそんな自分の体に鞭を打つような真似ができる歳でもない。
だから妹は料理ができるようになる必要がある。

私は明日から仕事に復帰するが、今日から数日間実家に通い料理を作りだめしながら妹に料理を教えようと思う。
大学生の時に一人暮らしをしたから、一通りの家庭料理は作れるしレシピを見ながらならだいたいの物は作れる。
だから家族の栄養バランスが、母が料理していたときより劣らないように考えながら作ろうと思う。

正直仕事の前や後に料理をしに実家に行くのは私も大変だ、しんどい。
だけど私のしんどさは耐えられるものだ。
母は耐えられない痛みを抱えている。

私が実家に出入りすることによって、家族の雰囲気は和らぐ。
私がいると父は柔らかくなる、トゲが少し取れる。
父のトゲのある時の態度は今の母には少し刺さりすぎてしまう、だからこのタイミングで私が実家に出入りするのはいいことだ。

私も1ヶ月後には一人暮らし。
私は私で、焦らずしかし着実に成果を出して、家庭に還元できるよう仕事を一生懸命やる。
妹には母を任せられるだけの家事の力をつけてもらいたいから、1つずつ、しかし妹が苦しくならないように楽しく教えてあげたい。

姉として、長女として、この家族を最後のその日まで見届ける責任があるんだ。

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