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積読人たち

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「積読」と検索したらひっかかってしまった幸運の記事を収集します。きっと、お家が積読であふれている徳の高い方が執筆された記事ばかりでしょう。
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#読書感想文

読書日記#30 「気になる」に埋もれる「気にしい」と爆発する「好き」

2月〇日私のKindleの最下層にある本はなんだろう? 休眠中ともいえるその本を発掘して読んでみるのはどうだろう? ふと思い調べてみると、夢野久作の「ドグラ・マグラ」だった。青空文庫。 そういえばKindleを使い始めた頃は青空文庫が小説みたいに読めることに感動していた。青空文庫にはとてもお世話になった。本への投資を惜しまない私にとっても無料で読める本はうれしい。 「蒲団」「学問のすゝめ」「真珠夫人」「少女地獄」「私の個人主義」「茶の本」など。名作たちが全部無料!すばら

2024年1月の読書記録📖´-

1月は図書館に予約していた本がいっぺんにたくさん届いたり、あれもこれもと欲張りになってしまっていたので読み散らかしてしまいました。 おかげできちんと読了できたのは数冊。 2024年1月の読書まとめ 読んだ本:7冊 読んだページ:1974ページ ー読了ー ・深い河/遠藤周作(講談社文庫) ・かすがい食堂/伽古屋圭市(小学館文庫) ・カラマーゾフの兄弟ーまんがで読破ー/ドストエフスキー(イースト・プレス) ・きょうの猫村さん6/ほしよりこ(マガジンハウス) ・インド夜想曲/ア

【閑話休題#36】小川哲『君が手にするはずだった黄金について』

こんにちは、三太です。 今回はこちらの作品を読みます。 このnoteでは吉田修一さんの全作品を追っています。 同じように全作品を追いたいなと思っている作家さんは他にも何人かいます。 その一人が今回紹介する小川哲さんです。 と言っても、全然デビュー作など読めていなくて、これまで読んでいたのは『君のクイズ』と直木賞受賞作の『地図と拳』の2作だけでした。 そんな小川さんの直木賞受賞後の第一作として出たのが、『君が手にするはずだった黄金について』です。 リアルタイムで読みたい

草野心平詩集/草野心平

積読本📚の中から、草野心平さんの詩集を拝読しました📖´- (2023,10,20 読了) 前に拝読した「お探し物は図書室まで/青山美智子」の中で65歳で定年退職した男性にレファレンスがオススメしたのが草野心平さんの詩集でした。 定年退職した男性が草野心平さんの詩から少しずつ気付きを得ていく姿を見て、私もぜひ草野心平さんの詩を拝読したいと思ったのです。 そこでオススメされていたのは「げんげと蛙」でしたが、草野心平さんの著書で今回の詩集の装丁が私好みだったのでこちらを購入。

まとまらない人 坂口恭平が語る坂口恭平/坂口恭平

積読本📚の中から、坂口恭平さんの自叙伝 「まとまらない人 坂口恭平が語る坂口恭平」を拝読しました📖´- (2023,10,28 読了) 多種多様な活動をされている坂口恭平さんが自身のことを語ったエッセイ。 タイトルにもあるように坂口恭平さんは本当にまとまらない人。頭の中には次々に色んなことが浮かんできちゃう。 だけど、坂口恭平さんの凄いところは頭に浮かんできたものをどんどん形にしてしまう。 「案ずるより産むが易し」とは坂口恭平さんのためにある言葉ではないかと思うほど。 エ

「まるでバーに入ったような小説」。うん、そういうの好きです。:読書録「世界はひとりの、一度きりの人生の集まりにすぎない。」

・世界はひとりの、一度きりの人生の集まりにすぎない。 著者:林伸次 出版:幻冬舎(Kindle版) 毎日のnoteで楽しませていただいているbar bossaの林さんの新作。 ファンタジー系の作品を集めた短編集です。 ちょっと積読があったり、audibleの積聴もあったり、新刊ミステリーのシリーズもんにハマったり…で、購入後少し経ってしまいましたが、読み始めたらスルスルスル〜っと一気に読んじゃいました。 寝る前に一篇ずつ読んだりするのがいいかな〜とか思ってたんですが、思惑は

【読書記録】とわの庭/小川糸

順調に積読を消化中。 そろそろ積読が少なくなってきたので本屋さんへ行かねば~と思っているきょうこの頃です。 今回は、小川糸さんの『とわの庭』をご紹介したいと思います。 小川糸さん、初めて読ませていただきました。 前からずーっと『ライオンのおやつ』が気になっていたのですが、そちらではなくこちらから初挑戦。表紙がとても好みだったからかも。 物語のあらすじは以下のとおり。 沼にはまっていくような壮絶感・・・ 冒頭、美しい詩から始まり、母と盲目の娘・とわの穏やかで幸せな暮ら

『都市と都市』ネタバレ感想

 小島秀夫の推薦図書ということで数年前に買ったのだが、ながらく積読していた本書を先日ようやく読み終えた。  自分がミステリーに慣れていないせいもあるのか、終盤まで話の展開が緩慢で、文字数の多さや改行の独特さで読み進めるのにエネルギーを使った。  とまあ、あらすじを読んで分かる通り、本著は国境がテーマの作品となっている。物語に出てくるこの2大都市だが、お互いに隣国の住民や物を「見て」はいけないという不思議なルールがある。もし破った場合、ブリーチと呼ばれる神出鬼没の組織に攫われ

『ウナギが故郷に帰るとき』

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、積読消化の1冊を紹介します。 パトリック・スヴェンソン著『ウナギが故郷に帰るとき』  大沢章子訳 (新潮社、2023) 今日こそ読もうと思って、この本を開いた日。 数ページ読んだところで、なんとも表現し難い違和感を感じた。 うぇ?表紙を改めてよく見た。 英題が”THE GOSPEL OF EELS"。 どういう内容で、このタイトルになる? どうしたら、この邦題になる?(理解の助長か?) タイトルに惹かれたこともあって、あっという間に

この闇と光/服部まゆみ

積読本📚の中から、服部まゆみさんのゴシックミステリー小説 「この闇と光」を拝読しました📖´- (2023,7,9 読了) 久しぶりのミステリー小説です。 本書はLINEオープンチャット”読書会すみれ”のビブリオバトルで紹介され、メンバーさんの中でハマる人が続出した作品です。 すみれのメンバーさんがそこまで言うならばと密かに購入し積読していました。 先日参加した”福岡のんびり読書会”のテーマが「ミステリー」だったので本書をこのタイミングに拝読することにしました。 服部まゆみ

珈琲店タレーランの事件簿/岡崎琢磨

積読本📚の中から、岡崎琢磨さんの小説 「珈琲店タレーランの事件簿」を拝読しました📖´- (2023,7,27 読了) 本書は読友さんにいただいた本。 「このミステリーがすごい」大賞で最終選考まで残り、落選したものの隠し玉として話題になった作品なのだそうです。 内容的にはライトノベル的な感じかと思います。 京都の小路の一角にひっそりとある喫茶店、そこに偶然訪れた青年と喫茶店の女性バリスタの恋の予感、日常に起こるささやかな謎を解き明かす日常ミステリー。 読書好きにはたまらない

楽しみをもとう。(積読系記事を書き始めます)

どうもふさぎこみがちでいけません。 息抜きをという思いでnoteを復活したのに、わざわざ気が重くなる記事を書いている気がします。。 なにかフラットな記事も書きたい、ということで、前のアカウントでよく書いていた積読系の記事を書いていきます。 中国関連の新書を買い込みました。 今年後半はほとんど中国にいることになりそうなので、関心が向いています。 「中国人のお金の使い道」は、裕福になった中国人の価値観の変容に迫った内容で、読み始めたばかりですが、面白そう。 「上海19

小説との出会いもタイミング(2023年上半期読書log)

私は、もっぱらの小説好き。 実用書は全然読み進まないのに、小説は一度物語の世界に入り込むと、一気に読み進めちゃう。そうなると、もう止められない。 noteを始めてから、本を読んだら「感想文」まで投稿したいと思っていた。でも、結局、チャレンジできていなかったので、今回は、メモを見返しながら、ひとまず2023年上半期読んだ本をざっくり記録してみようかと。 下半期はぼちぼち「読書感想文noteも更新したい!」という所信表明を込めて書いてみます! まず、私が手に取る本の傾向 ・好

1984/ジョージ・オーウェル、田内志文(訳)

ジョージ・オーウェルの長編小説 『1984』を拝読しました📖´- (2023,5,10 読了) 「読書会すみれ」の中で開催されたオンライン読書会の課題本になっていたのでこれを機に拝読しました。 結局オンライン読書会には参加できませんでしたが、長く積読していた本書を今拝読できて良かったと思います。 元々ジョージ・オーウェルはいつか拝読してみたいと思っていたし、信頼を寄せている田内志文さんの翻訳だったので購入しタイミングがくるまで積読していたのです。 毎回言うけど、ホント自分