小宮山剛

≪業≫ 静岡ガス/記者/椎葉村図書館/岡野バルブ ・ ≪学≫ 東福岡/慶應(英米)/近…

小宮山剛

≪業≫ 静岡ガス/記者/椎葉村図書館/岡野バルブ ・ ≪学≫ 東福岡/慶應(英米)/近大通信(司書) ・ ≪地≫ 博多/日吉/港区/川崎/静岡/池尻/椎葉/門司 ・ ≪名≫ クリエイティブ司書/第5回宮崎本大賞実行委員長/SMOUTアンバサダー ・ ≪好≫ 文庫本/林遣都/二郎

マガジン

  • 写真で文筆

    ハッシュタグは「#写真で文筆」。主にスマートフォンで撮影した日常の写真をもとに、すぐ思いつく文章をインスタントに投稿した雑記たちです。インスタントなので、インスタグラムとも連動した投稿となっています。インスタントラーメンが好きです。

  • 積読人たち

    「積読」と検索したらひっかかってしまった幸運の記事を収集します。きっと、お家が積読であふれている徳の高い方が執筆された記事ばかりでしょう。

  • 椎葉村図書館「ぶん文Bun」

    小宮山剛が「クリエイティブ司書」としてデザインした秘境・椎葉村の図書館「ぶん文Bun」について書いた長めの記事はこちらに上げます!

  • 日本三大秘境・椎葉村の日常

    2019年に宮崎県椎葉村(日本三大秘境)に地域おこし協力隊として移住し3年目に立ちあげたこちらのマガジン。椎葉の景色や暮らしぶりをアップしていきたいです。

  • 積読読書会

    積読を愛でる者たちのオンライン集会、積読読書会。その告知やレポートをまとめたマガジンです。毎回披露される積読の数々や積読にかかわる名言を掲載しています。

最近の記事

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山から海へ、また山へ(~2024年4月、仕事歴)

2024年4月。5年間生きた椎葉村の地を離れ北九州市門司区に移りました。 この度の選択は「椎葉を離れる」というより「活動を九州全体に広める」ためのものです。実際のところ、門司にて「岡野バルブ製造株式会社」での活動を中心としながら、九州全体にどんどんと活動の幅が広まっています。そうするなかでもちろん、椎葉村図書館「ぶん文Bun」のことを広めたり、はたまた新たな活動との接点を生み出したりできている、という状態です。 福岡に居を移したメリットは移動のしやすさです。4月からさっそ

    • 緑の路地(未完)

      僕は路地の奥へ、灯りを目指し進んだ。 7歳の僕はまだ、暗闇の中に浮かぶ灯りなんてものを強く認識したことがなかった。今思えば寝かしつけの時に母がそっと灯してくれたランプであるとか、夜半過ぎに便所へ行くために恐る恐るつけた電灯であるとかを見たことがあったのかもしれないが、その暗い路地の向こうに見えた灯りを僕は、それまでに見たどんな灯りとも違うものとして感じたし、そう記憶している。あるいはそれは、実のところ本当に初めて感覚する類のものだったのかもしれない。 一歩、二歩。路地の砂

      • 緑の路地(前編)

        これまでの人生で通ってきた幾つもの道のうち、僕がその印象を強く胸に抱き続けているものが二本ある。一つはスペインのサンチアゴ・デ・コンポステッラを詣でる巡礼の道で、もう一つは(「道」というよりは「路」なのだけれど)僕が7歳の頃に住んでいた家の近くで通りかかった弁当屋の横の路地だ。 弁当屋の名前はもう忘れてしまったけれど、たしかキウイとかマスカットとかそういう爽やかなフルーツの風味の記憶がある。その弁当屋の商品を買ったことがあるかどうかは全く覚えていないけれど、何故かいつもその

        • 君は一蘭なんて行かない

          「どうして博多なのに一蘭なのよ」 三軒目のバーで意気投合した女は、MIU MIUのハンドバッグを小さく振り回しながらそう言った。僕としては、一体どうしてその不遇なMIU MIUが引きちぎれんばかりに振り回されているのか理解しかねた。 「どうしてって。いま見るからに空いていて、いつだって美味しくて、うるさくなくて、隣の客に絡まれることもないし、おまけに水がうまい。完封だ」と、僕は答えた。彼女は老いたフラミンゴみたいな色をしたハンドバッグをだらりと下げ、上目で睨みつけた。酔っ

        • 固定された記事

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        記事

          恥ずかしい男

          「恥ずかしい男だね」 そう言われた男は、ハコフグのように膨れながらラーメン店「珍珍楼」の入口で立ち尽くした。会計の際に298円だったところ303円で支払ったのに、その意図が理解されず「3円は要らない」と突き返されたことで激怒したのだ。血が沸き立ち、幾筋かの血管がこめかみに浮き出た。長袖のワイシャツをまくり上げた折り返し部分は、脂を増したラーメンのぎとつきのせいか男の怒りにより汗の粘度が増しているのか、音が出るほどに腕へと絡みついた。 「恥ずかしい男だよ、あいつに似てさ」

          恥ずかしい男

          堕罪ストッパー

          「娘がいるんだ」 午前2時37分に、僕は獅子柄のタートルネックを着た女にそう言った。獅子柄のタートルネック。それは虎柄でも豹柄でもない、たしかな意味においての獅子柄であった。 「娘がいる40代の男の人は、こんなところに来るべきだとは思わないけれど」と、女はマールボロをもみ消しながら言った。今日ここに来てからまだ5分もたっていないけれど、もう3本目を吸いきってしまいそうだ。僕は久しぶりマールボロをひとつやってみたいという気持ちになったけれど、これ以上今日のうちに堕ちてしまう

          堕罪ストッパー

          秘境の文筆家、4名着任

          小宮山剛が企画立案から担当しております、一般社団法人ホンミライ様と椎葉村が連携する「秘境の文筆家」。プロ・アマ問わず92名の応募者を選考するフェーズを経て、いよいよ7月1日に4名の修行者が着任しました。 直木賞作家・今村翔吾さんが椎葉村を訪れた2年前の6月17日からようやくのスタート。その結実は、秘境の文筆家達の「商業デビュー」実現の時といたしたいと思います。 4名それぞれに個性的な、しかしながら「人間的にも魅力的な」若者ばかりです。椎葉村の皆さま、ぜひ村でお見かけの際は

          秘境の文筆家、4名着任

          (最終回)第36回積読読書会告知+第35回積読読書会レビュー

          最初に申し上げておきます。 次の「第36回積読本大賞」は、こうしてオンラインで小宮山剛が毎月開催する積読読書会としては「いったん最後」です。 積まれよ、さらば救われん・・・ まるっと3年間積読読書会をオンラインで開催し続けてきまして、延べ(リピーターの方も重複カウントすると)251名の方にご参加いただきました。計何冊積んできたんだろう・・・。一回につき何冊もご紹介くださる方もいらっしゃいますので、すくなくとも300冊の積読さん達と出会ってきたことになります。 次回(最

          (最終回)第36回積読読書会告知+第35回積読読書会レビュー

          「かえりたい図書館」をつくる、深める、広める:椎葉村図書館「ぶん文Bun」のソーシャルイノベーション

          ※このnote投稿は『専門図書館 特別号2023』において掲載された拙稿『「かえりたい図書館」をつくる、深める、広める:椎葉村図書館「ぶん文Bun」のソーシャルイノベーション』についての転載許可を専門図書館協議会機関誌委員会様よりいただき掲載しているものです。これを機に、ぜひ機関誌『専門図書館』へご興味をいただけますと幸いです。 1.はじめに本稿は、地域おこし協力隊などの立場でKaterie・ぶん文Bunの立ち上げ運営に関与し続けている「クリエイティブ司書」こと小宮山剛が、

          「かえりたい図書館」をつくる、深める、広める:椎葉村図書館「ぶん文Bun」のソーシャルイノベーション

          椎葉村地域おこし協力隊「秘境の文筆家」の募集がはじまっている

          🖊秘境の文筆家2024年1月19日の記者会見でようやく発表できた「秘境の文筆家」プロジェクト。直木賞作家・今村翔吾先生が設立された「一般社団法人ホンミライ」と連携した作家修行プロジェクトです。 椎葉村地域おこし協力隊制度を活用するのでベーシックインカム的な給与があるのはもちろん、任期最大3年間のうちは家賃がかからないのも魅力的。地域おこし協力隊として役場の仕事をして「空き時間は書いてていいよ」ではなく、執筆や、書くための取材もすべてが仕事になるという仕組みであります。 何

          椎葉村地域おこし協力隊「秘境の文筆家」の募集がはじまっている

          第35回積読読書会告知+第34回積読読書会レビュー

          積まれよ、さらば救われん。 言いたいことは、それだけだ。 積みましょう、読みましょう、買いましょう。 📚第35回積読読書会は2024年2月29日木曜日<夜>開催第35回積読読書会の開催について2024年2月29日(木曜日)の21時00分からと予定しております。下記開催要項とスケジュール感をご確認いただきましたら、お申し込み用のGoogleフォームから参加のお申込みをお願い致します。 🖊積読読書会とは・・・? 🖊第35回積読読書会について 🖊積読読書会でやること

          第35回積読読書会告知+第34回積読読書会レビュー

          第34回積読読書会告知+第33回積読読書会レビュー

          2023年12月、忌々しき月です。 積読読書会をはじめた2021年3月27日以来毎月の開催を続けてまいりました。餓鬼のようにしぶとく、サトゥルヌスのように執念深く、続けてまいりました。どんなにほかのイベントが重なろうとどうしようと、僕にとってのライフワークのようになっている「積読読書会」だけは毎月欠かさずに行ってまいりました。 それが、途切れたのです。 凶行というほかありません。忌々しきことです。一体何があったのか。僕はいったい何をしていたのか。溜まりゆくばかりの積読さ

          第34回積読読書会告知+第33回積読読書会レビュー

          「図書館ではたらく」ではなく「図書館×something」な人のためのミッション「シン・クリエイティブ司書」募集!

          皆さまごきげんよう、クリエイティブ司書・小宮山剛(東京から椎葉村へ移住、福岡県出身)です。 みなさまご機嫌はいいですか?私はご機嫌よいです。どれくらい機嫌がいいかというと『荒涼館』(チャールズ・ディケンズ)の2巻までくらいは一息でなんとか読み切れるかもしれないというほどに機嫌がいいです。 🖊クリエイティブ司書、そして地域おこし協力隊司書たちの系譜さて、私が椎葉村地域おこし協力隊「クリエイティブ司書」に着任したのは2019年4月のこと。それは2020年7月の、椎葉村図書館「

          「図書館ではたらく」ではなく「図書館×something」な人のためのミッション「シン・クリエイティブ司書」募集!

          第33回積読読書会告知+第32回積読読書会レビュー

          このところ告知が遅れがちになってしまっていた積読読書会。 ふふふ、11月は余裕をもってお知らせをさせていただきますよ。 ふふふ。 いひひ。 積まれよ、さらば救われん。 「救われん」と入力すると「スクワレン」と変換されるのですが、なんだか洗剤の名前、あるいは植物由来成分の名称みたいですよね。 ・・・さぁ、長くなる前にプラクティカルな文章を書いていきたいと思います。今日もいってみよーーう!! 📚第33回積読読書会は11/23日木曜日<夜>開催第33回積読読書会の開催

          第33回積読読書会告知+第32回積読読書会レビュー

          なぜ椎葉村図書館「ぶん文Bun」の著名人コラボイベントは「地元のため」になるのか

          🖊作家・原田ひ香さんと、小説紹介クリエイター・けんごさんにお越しいただきますこの記事を書こうとしている10月26日、僕は湧き立ち浮き足立っている。なんと言ったって、明後日10月28日には作家・原田ひ香さんと、小説紹介クリエイター・けんごさんが椎葉村にやってくるのだ。 椎葉村図書館「ぶん文Bun」(宮崎県・椎葉村の公共図書館)では、10月28日15時からお二人のトークショー「なぜ小説に生きるのか」を開催する。 原田ひ香さんとは、第4回宮崎本大賞にて『三千円の使いかた』が大賞

          なぜ椎葉村図書館「ぶん文Bun」の著名人コラボイベントは「地元のため」になるのか

          第32回積読読書会告知+第31回積読読書会レビュー

          毎月重ねてきた積読読書会・・・。 ですが、ついに2023年10月は開催が難しいことになってしまいました。 月末に、ここ最近で一番楽しみにしているイベント「原田ひ香さん×けんごさんトークショー」があるのです!ここを全身全霊でやりきってから、溜まりに溜まっている積読を皆さまと共有したいと思います。 ↓10月28日開催の原田ひ香さん×けんごさんトークショーは、10月22日までお申し込みを受け付け中です! 📚第32回積読読書会は11/3日金曜日<夜>開催第32回積読読書会の開

          第32回積読読書会告知+第31回積読読書会レビュー