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「幸福な食卓」瀬尾まいこさんシリーズ三冊目なのですが、あまり事前情報なく読んでよかった。【読書レビュ】

こんにちは、オオハシです。瀬尾まいこさんシリーズ第3弾(というか三冊目)、代表作として吉川英治文学新人賞受賞作、映画化作品、ということで「幸福な食卓」を読んでみました。 三冊目ということもあり、またまいこさんの食にまつわるほっこり感が味わえるんだろうな、と読み進めました。それではどうぞ!

幸福な食卓

瀬尾まいこ 著 2005年(文庫本は2007年)の本

瀬尾まいこさんは、「そして、バトンは渡された」にて一発で引き込まれてしまって先日オトナ買いをしてみた著者。 引き続き読み進めてみた三冊目です。(昨日は「戸村飯店 青春100連発」をアップしました)

正直、自分はあんまり世の中のことにおいかけたりするのが疎い人で、2007年に映画化で話題になったということもほとんど知らず、あぁ、瀬尾まいこさんの代表作なんだと(ほとんどの事前知識なく)読んでみてよかった。 映画化では北乃きいさんと勝地涼さんのフォスターのお二人だったそうで、そんなことも全く知らず、純粋に小説として楽しんでよかった。いろんな情報が事前にあったらこんなにつるんと読めなかったと思う。
(あえてここに映画記事のリンクを入れることはしません)

というのも、瀬尾まいこさんの「そして、バトンは渡された」「戸村飯店 青春100連発」を読んできて、本当に楽しい食事やお菓子のシーンや、(学校の先生のご経験があられるからかの)中学高校のみずみずしいシーン、そういうところを純粋に楽しんできました。 
さらに「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」からスタートする「家族の再生を温かく描いた、ちょっと前向きになれる感動ストーリー!」と帯にありますが、瀬尾まいこさん独特のほっこりする家族愛:どんな形であっても家族の愛がにじみ出てくる、というありのままの小説をまっすぐに受け止めて読み進められた

小説は、そのストーリーを自分と照らし合わせながら自分もこんな時代があったなぁとか、こんなんじゃいけないとか、いろいろ自分の人生に当てはめ直して、なんらか行動を変化させていくための、自らを成長させていくツールとして活用しています。 この本においても名言な部分はたくさんあるとは思いますが、純粋にするりと(でもいろいろ思いも広げながら)楽しませていただきました。 内容に関しては僕は触れないこととします。(ほかの人あたればごろごろ転がっているからね) いろんな家族の形があって、お互い助け合いながら、成長していく。 

なんか世の中の一般的というか当たり前というか、こうでなければならない、という形から超越してて、でもそれぞれがそれぞれの人生を生きていて、BeUniqueを大事にしている家族観すごい、と思う。

 また引き続き読み続けようと思う。


抜粋フレーズ、たぶんもう一度しっかり読めばまた違った見方でたくさんでてくるとは思いますが、今回は少なめで。
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P56 「うちの家庭って崩壊してるのかな?」私がプリンにスプーンを突き刺しながら言うと、母さんが目を丸くした。
「どうして?恐ろしく良い家庭だと思うけど」
「父さんが父さんを辞めて、母さんは家を出て別に生活してる」
 坂戸君の言うのが家庭崩壊なら、うちだって立派に崩壊してる。
「でも、みんなで朝ご飯を食べ、父さんは父さんという立場にこだわらず子どもたちを見守り、母さんは離れていても子どもたちを愛している。完璧
 母さんは笑った。


P239 「かわいそうに」しばらくして直ちゃんが言った。
 「そんなこと言うほど、佐和子は傷ついているんだね」


P255 「あのさ、私すごい口下手だからさ、うまく表現できないと思うんだけど、あんたうまいこと、いいように解釈してくれる?私って、普段いいやつじゃないから、嫌みに聞こえるかもしれないけど、本当、悪気はないから。まぁ、うまいこと聞いて」(中略)
 「あのさ、言葉悪いけどさ、恋人はいくらでもできるよ。もちろん、今、そんなこと言うのは最悪だってわかってる。でもね、そうだよ。恋人も友達も何とかなるよ。あんたの努力次第で。あんたさ、すごくいい子だもん。いや、まじでそう思ってるよ。だから大丈夫。絶対、また恋人はできる。私が保証してあげる。っていうか、もし、できなかったら、私が探してきてもいいし。
でも、家族はそういうわけにはいかないでしょう?お兄ちゃんの代わりもお父さんの代わりもあんたの力ではどうすることもできないじゃん」
「だから大事にしろってこと?」
「まあね。もっと大事にしろって思うし、もっと甘えたらいいのにって思うよ」
「意味がわかんない」
私は顔をしかめたままで首をかしげた。
家族は作るのは大変だけど、その分、めったになくならないからさ。あんたが努力しなくたって、そう簡単に切れたりしないじゃん。だから、安心して甘えたらいいと思うだけど、大事だってことは知っておかないとやばいって思う。まあ、とにかく、あんたはちゃんと元気になれる環境にいると思うし、元気にならないといけないとも思う。別に急がなくてもいいし、どんな風でもいいんだけど、もう少し元気出してよ。って思ってるんだって、私だってさ。」
 ヨシコはやけくそのように言って、かばんから紙袋を取り出すと、私に押し付けた。
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※ヨシコのこの言葉、「そしてバトンは渡された」につながってくるようで、なんだかすごくインパクトがあった。


瀬尾まいこさん、三冊読んで、また興味がさらにひかれてきた。 引き続きオトナ読みしていこう。一応、一冊目もリンクしておこう。

いつものブクログもアップしておきます。(みなさんの相当のレビュもすごいね) 最後まで読んでいただき、ありがとうございます!!

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