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「スタートアップ・マネジメント」難しかったです。でもやっぱりすごい本なんだろうな、とも思います。【読書レビュ】

おはようございます。 大橋です。 ここのところ名古屋では一気に暑くなり、寝苦しい日々が出始めました。 そして相変わらずのステイホームですね。 そんな中で今週は5月に会社の大先輩から紹介された本での読書レビューを投稿したいと思います。しかしながらこの本しんどかった。 でもいつか役に立つ日がくるかもしれない、と歯を食いしばって読み進めました。 あまりよい読書レビューになってないかもしれないですが、今週もおつきあいください。よろしくお願いいたします。​



スタートアップ・マネジメント 
破壊的成長を生み出すための「実践ガイドブック」
マット・ブランバーグ 著 
杉江 陸 訳
2021年5月の本


 
 タフな本でした。何度か挫折しそうになりました。「本書を読んである種の情感を伴う読後感を持たない皆さんが多いと思う」と訳者まえがきの部分にすでに断ってある通りの本でした。ハードワークでした。 その前書きの部分の近くに『「本気で勝ち切る」経営のためのフィールドガイドだ。』『本書はこれまで出版された中でもっとも具体的で実践的な成長事業の経営マニュアルではないかと思う』とのこと。

 おいとく、や、つんどく、という概念もある中、個人的には、そういう考え方が嫌いなので、とにかくタフでもなんでもくらいついて最後まで読み切ろうとがんばった。 読み切った。 自分でこの本を読んで難しいということは、何よりも「経験をしてないから共感もできない / 想像できるレベルも越えてしまっているから…」 というところなんだろうと思う。 逆にベンチャーなどでの小さな企業で、まさに経営に携わっている方であれば、なるほどこれほど実践的な書籍というものはなかなかないのではなかろうか。
 そしてさらに、以下の記述も、一度終わりまで読み切って、二度読みの際にあらためて「訳者まえがき」を読んでぐっとくる。

 勿論、スタートアップであれ、大規模な伝統ある企業であれ、「こうすれば必ず上手くいく」なんていうマニュアルなどないに決まっている。(中略)
 だが、「もっと上手く在り続けよう」ともがくラーニング・アニマルにとって、一つの具体的な「型」を示し、プラクティスの機会を与えている本書は革新的な存在だ。経営に「型」なんてある訳がない、というのは極めて簡単に行き着く正論だが、日本ではそういう考え方が、マネジメントスキルのトレーニングを受けずしてサラリーマンの人事異動の延長線上としていきなりトップに立たされてしまった経営者たちによる、星の数ほどの数ある致命的な失敗と伝統企業の凋落に繋がってきたと言うと過激すぎるだろうか。
 なお、本書はその性質上アメリカの読者を対象としているために、一部は日本の法制度や事業環境に合っていない記述も見られる。(中略)
 「日本」「業界ムラ」「男性社会」などからのアンラーニングのために外国語でのコミュニケーションを重ねてほしいが、そこに高いハードルを感じたとしても、せめて本書のような「非日本」からの情報を日常的に浴びてほしい。

 (アンラーニングについては「学びほぐし」などと言われるが「学び壊し」というぐらいの概念に近い、と『教えないスキル』にて学んだが、その話は後日)

 こうしたタフな本でしたが、なんとか読み切りました。 自分の人生において、この本が活用できる機会が来るかもしれない(いや、もちろん来ないかもしれないが)、と、いつものように大事な箇所にはふせんを打って、いつの日か、この本に帰ってくることが出来た日に、読み返したときに、そのふせんの打っている箇所に対してクスっと笑うことになるんだろうな、と妄想し、そっと本棚にしまうことにします。



以下、抜粋引用となります。
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P35 成熟した企業は多くの補足資料を含む80ページほどの文書でそのストーリーを語るかもしれないが、スタートアップなら、そのストーリーを1ページ或いは多くても十数枚にも満たないスライドで伝えることが出来るだろう。
 しかし、フォーマットの違いも顕著ではあれど、真の違いは仮説に対する考え方だ。単刀直入に言えば、旧来のビジネスプランでは自分たちの仮説が正しいと仮定しているのに対して、スタートアップのビジネスプランでは、仮説はおそらく間違っているというのが前提なのだ

この文章の後に、空振り三振の記述があったり、打席に立つ前に徒労してしまっている、分析過多・計画過多へのアンチテーゼの記載もあった。(あわせて深く考えずに事業化することへの懸念も記載されていた)


P113 誰であっても、過去に自分自身の開発計画を立てたことがあると思う。そのような中で頻繁に指摘されることには何があるだろうか。「あなたの最大の弱点は何か?」と尋ねられると、大抵の人間は戸惑いを覚えるだろう。この質問はかなり具体的で、思慮深い答えを要求する。嘘っぽい模範回答(「私の最大の弱点は、気にし過ぎること」、「人に一生懸命働き過ぎだと言われること」)の場合、彼らはフィードバックプロセスを処理するのに十分な自己認識を持っていないと判断できる。

先日の 『自信』に引き続き、面談プロセスの部分は個人的に気になってしまう。(面談が本当に苦手なので少しでもヒントはないかと、そういう部分はアンテナが高くなってしまう)


P245 スタートアップの世界では、即座に行動に移ることができるという利点があるが故に、失敗もしやすい。 それでよい。 意思決定プロセスに無駄な時間を費やすよりも、即座に決定を下し前に進む方がよほど望ましい。 ただ単に、その決定が予期していた結果をもたらしていないと気づいた時に、適切な対処を講じる準備を整えておく必要があるというだけだ。
 資金調達プロセスの中で、私は起業家としてのキャリアにおいてもっとも価値のある学びを得ることとなった。 それは、成功はつまずいた数の少なさで測られるものではなく、そこから這い上がる行動の質によって決まるということだ。

成功はつまずいた数の少なさで測られるものではなく、そこから這い上がる行動の質によって決まる」と二度書きしてしまった。金言だ。 支店のビジョンにもTry & Manabi というキーメッセージを盛り込んだ。這い上がる行動の質、強く意識したい。


P304 CEOになるということは、様々な側面から可能な限り試され続けることにコミットすることです。 そして、コーチはそんなあなたの心のよりどころであり、あなたの役割、あなた自身、仕事の詳細について、一緒に深く考えてくれる存在です。
・自分を知る
・他者との関わり方の中での自分の役割を知る
・個人、グループと接する上での自分の在り方を学ぶ
・組織内で自分が把握していないことは何かを知る

・取締役会、チーム、組織を開発する方法を検討する
・自分の役割を理解する

「他者との関わりの中での自分の役割を知る」これCEOでなくても当然重要なことですね。 ここがしっかりできている取り組みはよくできるし、ここがぐらつくと、アウトプットが危うい。 あ、エグゼクティブコーチの話も出てきたので、下記のブクログレビューもリンクしておこう。



P321 会社を立ち上げるということは、子どもを育てることに似ています。スタートアップの経営には、24時間絶え間なく注ぐ愛情が必要であり、睡眠を削り、忍耐力を試され、ローラーコースターのように揺れ動く感情に対処することでもあります。配偶者のあなたは、裕福な時も、貧しい時も、よい時も、悪い時も、どんな時もそのローラーコースターに同乗し続けます。

著者のマットさんの配偶者の方からのコメント、本当におっしゃる通り。



P366 あとがきより
 本書を読むことで終わりにしないように願いたい。私はあなたのパーソナルトレーナーであり、「スタートアップ・マネジメント」はワークアウトのマニュアルだと捉えてほしい。私は、いくつかのガイドラインを設定し、いくつかの警告を発し、励ましやアドバイスを提供する。 さあ、あとはジムで練習、練習、練習あるのみ! スタートアップの経営という課題に日々向き合うことは、トレッドミルやウェイトマシンのような退屈な作業とは違い、スリリングで知的好奇心を刺激する仕事であり、決して機械的繰り返し作業ではない。
(中略)スタートアップのCEOというのは、世界でもっとも難しく、もっともリスクが高く、もっともストレスの多い仕事の1つだということを示唆しているのか。 その通り!  
 しかし熱意がありクリエイティブ、そしてものづくりが好きで、人と接することや、チームにも目的意識を持たせるのが好きな人間にとっては、世界最高の仕事だ。

ほんとうに難しい本だったが、あとがき、での著者からのこのメッセージはやはり感動的で、応援されて温かい気持ちになった。


P372 訳者あとがきより
 ただ、特にあなたがCEO或いは上位の管理職であるならば、あなたがどう生きるかは他者の人生にも大きな影響を及ぼす。自分がどうしたいのかを知ったなら、その通りに出来ているのかを定期的に振り返り、アジャストを続けよう。学びを続けよう。特にあなたがCEOであるのなら、社で一番のラーニング・アニマルとして、昨日よりもよいリーダーであり、昨日よりもっと理想に近い自分であり続けることに取り組み続けてほしい。

ほんと、先日の「自信」の際にも記載したけれど、昨日よりもよいリーダーであり、昨日よりもっと理想に近い自分であり続けられるよう、こうして日々勉強している。 別に誰に言われたとかではなくて、そうありたいから、ラーニング・アニマルとして勉強する。 

先日、会社で「大橋君は性善説の考え方だから、そういうとこ苦労するよね」と先輩にコメントをいただいたが、例えば自分より上役であった人は、少なくとも自分よりはラーニング・アニマルであってほしい、というのは期待し過ぎなのか。

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以上

本日も最後まで読んでいただいてありがとうございました。 本書の中枢部がおそらく抜粋できてなくて、いつものとおり自分で感じた・気になった部分での独りよがりな投稿になってしまっています。そのへんが反省して改善していかきゃいけない「個人、グループと接する上での自分の在り方を学ぶ」 なんだろうかなぁとも思ったりします。

では、いつものブクログレビューをリンクさせてクローズとします。


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