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「SUMMER SONIC 2022」に参加して感じたこと、書き記しておきたいこと。

【8/20(土)「SUMMER SONIC 2022」 @ ZOZOマリンスタジアム&幕張メッセ】

3年ぶりのサマソニ、東京会場1日目に参加してきました。最高でした。

前々から、僕の中で非常に期待値が高まっていた一日でした。勢いあまって、Real Soundの連載で「夏フェスが楽しみだ!」という切り口の記事を書いてしまったほどです。(ただ、結局、THE 1975は、新曲"Part Of The Band"を披露しませんでしたね。)

なぜ、これほどまでに僕の中でサマソニへの熱量が高まっていたかと言えば、個人的に、2019年以来、約3年ぶりに海外アーティストのライブを生で観られる機会だったからです。今年のフジロックにも数多くの海外アーティストが来日していましたが、今年は泣く泣く配信で観ていたので、現地で観る海外アーティストのライブは本当に久々でした。



当日は、このように周りました。これほどまでに贅沢な一日を過ごすことができて、満足感でいっぱいです。クリエイティブマンに感謝です。

Chilli Beans.→BEABADOOBEE→Rina Sawayama→マキシマム ザ ホルモン→THE LIBERTINES(VIDEO LIVE)→Maneskin→King Gnu→THE 1975

同じ日に参加した方はお分かりかと思いますが、今年は、周ったというよりも、ほぼずっとメインのMARIN STAGEにいました。(帰りに、特に用事はなかったのですが、雰囲気だけでも味わうために幕張メッセに寄りました。余韻。)

今回のラインナップについて、ヘッドライナーを務めたTHE 1975のマシューからクリエイティブマンに対して、「自分たちが出演するステージのラインナップは、少なくとも半分は女性アーティストにしてほしい」という要望があり、それも出演条件の一つだった、というエピソードがあります。

両者の間で具体的にどのような交渉があったかは定かではありませんが、結果として、THE 1975のレーベルメイトのBEABADOOBEE、Rina Sawayamaが彼らと同じステージに立ちました。サマソニは、ヘッドライナーを軸にしてメインステージのラインナップの特色を打ち出す傾向が強いフェスなので、もし仮にマシューからの要請がなかったとしても、結果として今回の形に近いDirty Hit色の濃いラインナップになっていたと思いますが、いずれにせよ、今この2組を観ることのできる喜びは何ものにも代え難いものでした。



Maneskinも最高でした。世界から「ロックの救世主」と期待されているバンドだけに、その分、観る前は自分の中のハードルが高まり切っていたのですが、とにかくぶっ飛びました。何より、後年まで伝説として語り継がれるであろう今回のアクトを、スタジアムに集まった数万人の人たちと一緒に体感できたことが何よりも嬉しかったです。

もちろんワンマンライブではないので、同伴者の付き添いで何となく観ていた人もきっと少なからずいたはずですが、Maneskinのステージが終わった後のMARIN STAGE全体の高揚感は本当に凄まじかったです。僕自身、コロナ禍に入る前までは、毎年のようにフジロック&サマソニに参加していろいろなステージを観てきましたが、年代を超えて集まった数多くの人たちが、あれほどまでに激しく熱狂していたロックアクトは稀だったと思います。



マキシマム ザ ホルモンとKing Gnuは、今回のMARIN STAGEに立つ上では相当な覚悟が必要だったと思いますが、そうしたプレッシャーを一切感じさせない堂々たるパフォーマンスを見せつけてくれました。あの時、あの会場で、そして、あの爆音で両バンドのライブを体感した人は、たとえ目当てのアーティストが別であったとしても、きっと、決して小さくはない衝撃を受けたのではないかと思います。

サマソニには多様な趣味嗜好の観客が集まりますが、それでもきっと、多くの人にとって忘れられない鮮烈なライブ体験となったはずです。あの時、MARIN STAGEを満たしていた壮絶な熱気を、次々と楽曲が投下されるたびに巻き起こった会場のどよめきを、そして観客の間に生まれた確かな一体感を、しっかりと、ここに書き記しておきたいと思います。


そしてやはり、何よりも特筆すべきは、この日のヘッドライナーを務めたTHE 1975です。僕にとって彼らは、2013年のデビュー以降、ずっと追いかけ続けてきた青春の象徴のようなバンドです。そして彼らは、サマソニと共に成長を重ねてきたバンドであり、だからこそ、今回、THE 1975が約2年半ぶりのライブの場としてサマソニのステージを選んでくれたことに、一人のサマソニ常連者として、とても感激しました。

また言うまでもなく、実際のライブを通して得た感動や興奮は、ここで短い言葉では書き切れないほど大きなものでした。10月に新作がリリースされるので、THE 1975については、またそのタイミングで改めてしっかり書こうと思います。



総論として、「一つでも多くの新しい音楽に出会いたい」「一組でも多くのアーティストのライブを初体験したい」という音楽リスナーとしての根源的な欲望を存分に満たすことができた最高な一日でした。同時に、「いつまでも、新しい音楽を追求し続けていきたい」という想いが今まで以上に深まりました。

そして、音楽ライターとして活動する者として、もう一つ胸の内に芽生えたのは、「一人でも多くの人に、一つでも多く、新しい音楽と出会うきっかけを提供し続けていきたい」という使命感にも似た想いでした。「邦楽」と「洋楽」の間(もしくは「洋楽」と「邦楽」の間)に、決して低くはない壁を感じている人が多いことも一つの事実だと思います。ただ、そうした壁を越えることで開かれていく景色は、とても広いです。そして何より、いつだって音楽は、ポップ・ミュージックは、誰にでも平等に開かれています。

海の向こうには(もしくは、この日本には)、たくさんの素敵な音楽があり、たくさんの素晴らしいアーティストがいます。僕は普段は日本の音楽シーンについて語る機会が多いのですが、それでも微力ながら、一人でも多くの人に「海」を超えるきっかけを提供していきたいと思います。


最後に、当日、いくつかのアクトを観た直後に現地からツイートした内容を転載します。本当は、140字に収まり切らないくらい書きたいことがたくさんあって、後から思いっきり加筆しようと考えていたのですが、当日から少し時間が経ってしまったこともあり、また、現場の臨場感を大切にしたいので、そのまま載せます。

気になるアーティストがいたら、ぜひYouTubeも合わせてチェックしてみてください。


●Chilli Beans.

最高でした。今日出演するTHE 1975やBEABADOOBEEと同じように、これから彼女たちは、2020年代のポップ観を根底から覆していくようなとてつもないバンドになっていくと思う。これからも、全力で応援していきます。


●BEABADOOBEE

サウンドの軸は、90年代オルタナティブロック&グランジなので、当然のようにサマソニとの相性は抜群。そこに彼女のドリーミーな歌声がのると、全てがポップになっちゃう。すごい。レッサーパンダのリュックを背負って歌う姿も最高にキュート!


●マキシマム ザ ホルモン

長い間、フェスのステージは「恋のスペルマ」で締め括るのが恒例だったけど、今回は「恋のメガラバ」で大団円! 先日の「ROCK IN JAPAN」でも披露していたので期待していたら、今回もやってくれた、嬉しい。スタジアムの一体感、最高だった。


●Maneskin

とんでもないアクトになる予感はしていたけど、その予想を上回るどころか、もはや、この先何年も伝説として語り継がれていくロックアクトになったと思う。「目撃してしまった感」がすごい。ラストは「I WANNA BE YOUR SLAVE」で大団円。震えました。


●King Gnu

ManeskinとTHE 1975に挟まれるプレッシャーは凄まじかったと思うけれど、逆に言えば、今このスロットを担える日本のロックバンドは彼らの他にいない。とても堂々たるステージだった。無数のスマホの光に彩られた「雨燦々」と「逆夢」、とても美しかった。


●THE 1975

最高すぎて、ずっと泣きそうだった。「Chocolate」から「Me & You Together Song」の流れや、「The Sound」の《ファッキンジャンプ!》などなど、とにかくハイライトの連続。新曲も素晴らしかった。いつかまた必ず、サマソニで彼らのライブを観たい。



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