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ついに、いつものフジロックが戻ってきた。「FUJI ROCK FESTIVAL '22」を振り返る。

【7/29(金)〜7/31(日) 「FUJI ROCK FESTIVAL '22」 @ 新潟県湯沢町苗場スキー場】

今年のフジロックは、3日間、配信で楽しみました。

2019年までは毎年必ず現地に行っていたのですが、今年は執筆のお仕事などでバタバタしており、泣く泣く会場入りは諦めました。

ただ、その合間を縫って、配信でいくつかのアクトを観ることができました。たしか、フジロックのYouTube配信が始まったのは2018年からだったと記憶しているのですが、去年と今年は、この配信のありがたみを深く実感しました。(SMASHの皆さん、ありがとうございます。)


去年も、配信でフジロックを観ていたのですが、去年と今年では、会場の空気が大きく変わったことがディスプレイ越しに伝わってきました。

こちらが、昨年のフジロックの直後に書いた記事です。

大きな逆境の中で開催された昨年のフジロックには、一定の緊張感が流れていました。フェスの開催を手放しで喜ぶことができないような空気が世の中を支配する中で、胸を引き裂かれるような思いを抱いていた昨年のことは、今でも昨日のことのように覚えています。

あれから約1年が経ちました。依然として、コロナとの闘いは続いていますが、この3日間で、少しずつでも確かに、この日本における夏フェスシーンが前進していることを実感することができました。

昨年末の冬フェス、今年開催された春フェスが繋いできたバトンは、確実に、次の季節へと受け継がれています。そして、コロナ禍で失われてしまったフェスの祝祭感が、少しずつ私たちの日常に戻りつつあります。そうした眩いリアルを、ディスプレイ越しにも確かに感じ取ることができました。

もちろん、苗場の会場には、配信では決して味わうことができなかったような素敵な景色の数々があったはず。それは、苗場まで足を運んだ人たちの最高の特権なのだと思います。そうした景色を想像するだけでとても羨ましいですが、いずれにせよ、そのピースフルで多幸感に満ちた空気は、配信でもしっかり伝わってきました。

今年の夏、僕は、3年ぶりに開催される「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」と「SUMMER SONIC」に参加予定です。個人的にも、3年ぶりの夏フェスです。前者については現地での仕事もあるのですが、それはともかくとして、思いっきり楽しんできたいと思います。

先日、「Real Sound」で、2022年の夏フェスへの期待をめいっぱいに詰めた記事を執筆しました。これから各フェスに参加される方にとって、何かしらの参考になれば嬉しいです。

前置きが長くなりましたが、今回は、僕がフジロックのYouTube配信で観たアクトの中から、いくつかのミニレポートをまとめてお届けします。(※Twitterの投稿の転載です。)


7/29(金)

●Vampire Weekend

個人的に、2010年代、熱心に聴いていた青春の象徴のようなバンドです。ただ、そうした私情を差し引いても、このバンド、やっぱりフェス映えするアンセムが多すぎる。特に「Diane Young」はブチ上がった。ライブ仕様の『Father of the Bride』の楽曲も最高。


●SPECIAL OTHERS

Vampire Weekendが終わってすぐにチャンネルを変えたら、ラスト2曲だけ聴くことができました。深夜のヘブンに響きわたる「Laurentech」が、シチュエーションとして完璧すぎた。現地の人たちが羨ましい...! 今夜は久々にスペアザを聴きながら寝ます。


7/30(土)

●ORANGE RANGE

「花」から幕を開け、「以心電信」「ロコローション」「上海ハニー」などなど、陽光がギラつくような鉄板のポップアンセムを連打していく展開は圧巻。新曲「キリサイテ 風」も良い。ラストは「イケナイ太陽」「キリキリマイ」で大団円。完璧すぎました。


●Foals

もはや「ダンスロック」という一言では括りきれないほど多様な楽曲を揃えたセトリで、これまでの集大成のような圧巻のステージ! 6月リリースの新作『Life Is Yours』が最高なので、まだチェックしていない方はこれを機に聴きましょう。(そして踊りましょう。)


●Jack White

丁寧に歌を届ける弾き語り曲もありつつ、やはり、パラメータを「ロック」に全振りした時の轟音っぷりが凄まじい。何もかもが過激で過剰すぎる。ラストは、究極のロックアンセム「Seven Nation Army」、最高すぎました。


7/31(日)

●Kroi

最高だった! 数年前、初めて音源を聴いた時、「きっと、このバンドはフジロックが似合うんだろうな」なんて想像したけど、似合うどころか、フジロック10年選手のような堂々たる貫禄があった。フジロックに限らず、今後の数々のフェスの台風の目になっていくはず。


●Japanese Breakfast

バンドサウンドはオルタナ色が強めにもかかわらず、その中央で涼しそうに歌うミシェルの表情が良い。表情は大事。誰よりもこのステージを楽しもうとする笑顔が最高にキュート。衣装や映像演出にも、彼女の確固たる美学が貫かれていて惚れ惚れした。


●PUNPEE

序盤、STUTSの「夜を使いはたして」でブチ上がった。ゲストは、盟友のBIM、大先輩のZeebra、弟の5lack! 「人間発電所」等のアンセムをサンプリングしながら、先達へのリスペクトを表明するコーナーも。最高。GREEN STAGEで鳴る「夢のつづき」「Hero」も泣けた。


●SUPERORGANISM

2018年にRED MARQUEEで観た時は、もっと、圧倒的に未知な存在!みたいなオーラを放っていたけど、あれから4年が経って、めちゃくちゃポップになってる。20人くらいの観客(&め組の菅原)をステージに迎え入れたラスト、とんでもなくカオスで最高でした。


●中村佳穂

歌も演奏もMCも、全て1つの物語として繋がっていて、筋書きのないミュージカルを観ているようなスリルと興奮がある。相変わらず凄い。個人的なハイライトは、映画『竜とそばかすの姫』の「はなればなれの君へ」のメロディをふいに口ずさんだシーン。震えました。


●ずっと真夜中でいいのに。

素晴らしかった! 拍手! 初めてずとまよのライブを観たフジロッカーは圧倒されたはず。それと、野外フェスのステージが意外にもよく似合う。ラスト、「あいつら全員同窓会」で観客と一緒にジャンプしまくるACAねちゃん、最高にキュートでした。



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