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木を燃やす

どうも!
年の瀬に廃材を大量に回収して、今年度の薪不足問題が解決された5期生原田です。
小切って薪にする作業は残っているのですが・・・

さて、今回は焚き火についてです。
焚き火とはいっても焚付の方法ではなく、木材の燃焼について私の理解している範囲で紹介しようと思います。

焚き火の一生

まずは、焚き火の中に放り込まれた木の一生(燃焼の流れ)を大まかに説明します。

①~150℃:水分の蒸発
突然火の中に放り込まれた木は100℃に達するまでに水分を蒸発させます。

②150~250℃:熱分解と木ガスの発生
100℃を超えると木の各種成分(セルロース、ヘミセルロース、リグニン)が熱によって分解されて木ガスという燃えやすい機体(可燃性ガス)が発生します。

③250~280℃:木ガスの発生増加と引火
250℃を超えると木ガスの発生が増加し、ついに木材に火が付きます(引火)します。

④300~500℃:発煙燃焼(不完全燃焼)
500℃までは、煙を上げながら燃焼していきます。

⑤500℃~:完全燃焼
500℃を超えてくると、煙が出なくなります。

⑥熾(オキ)
木ガスを出し尽くして、炭(炭素)となった状態。煙は出さず表面が赤くなる(表面燃焼)

⑦灰
炭も燃焼してしまった状態。燃焼終了。

各状態解説

①②:熱分解と木ガスの発生

まず、木の主成分は

セルロース(約50%)
ヘミセルロース(約20%)
リグニン(広葉樹約20%、針葉樹約30%)

と言われています。そしてこの成分が熱により様々なガス(木ガス)へと分解されます(熱分解)。
主な可燃性の木ガスとしては、一酸化炭素・メタン・エタン・水素です。
また、熱分解に必要な温度は以下のとおりです。

セルロース:240-350℃
ヘミセルロース:200-260℃
リグニン:280-500℃

③:木ガスの発生増加と引火

先程は、木材に火が付きますと書きましたが、正確な表現ではないのです・・・
正確には、木材から噴出される木ガスに引火し、燃焼します。
このように物が加熱され可燃ガスを発生し燃焼を行うものを分解燃焼と呼ぶそうです。
私はてっきり木そのものが燃えていると思っておりました・・・
また、②の段階でも木ガスは発生してますが、発生量が少なく引火しません。これは燃焼範囲という燃焼に必要な条件のひとつで、燃焼可能な空気と可燃性ガスの比率が可燃ガスごとに決まっています。つまり濃すぎても、薄すぎても引火には至りません。

④⑤:燃焼

木ガスに引火し徐々に温度を上げ完全燃焼に必要な温度まで達すれば、焚き火は成功ですが、水分の多い木材で焚き火を行えば蒸発で材の温度を持っていかれますので、なかなか完全燃焼にはならずモクモク焚き火になってしまします。
完全燃焼に必要な条件はもっと複雑ですが今回は割愛させてもらいます。

⑥ :熾火

そして、熾火(炭)となった木材は火も煙も上げず燃焼します。これは今までの分解燃焼とは異なり、表面燃焼という燃焼の仕方に変わります。

⑦:灰

完全燃焼を進めて行けば熾火は灰へと変わり、燃焼が終了します。ちなみに灰とは主にカリウムやカルシウム、マグネシウム等の燃焼しても機体にならない金属原子だそうです。

以上ざっくりとですが焚き火、薪ストーブの中で起きている木の燃焼について紹介してみました!伝わったでしょうか・・・?
一見単純そうな木の燃焼ですが奥が深いですね。
それでは5期生原田でした!

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