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OODAループの全プロセスを理解する

こんにちは、つつです。
会社からOODAループについてまとめてきてくださいという課題がでたので、まとめた内容をここにも書きたいと思います。


OODA(ウーダ)ループは、Observe(観察)、Orient(状況判断)、Decide(意思決定)、Act(行動)の4つのフェーズから構成される意思決定のためのサイクル理論です。 この4つのプロセスを繰り返すことで、迅速かつ正確に戦略を立て、成果を得ることを目的としています。 OODAループは、変化が大きくスピードが求められる職場で非常に有効です。

各ステップの特徴

  • Observe(観察):
    まず、現状を観察し情報を収集します。
    このフェーズでは、外部環境や内部環境、競合他社の動向などを正確に把握することが重要です。

  • Orient(状況判断):
    観察で収集した情報をもとに状況を判断します。
    このフェーズでは、観察した情報を整理し、これまでの傾向や過去の経験則から状況を判断します。
    なお、この段階ではまだ行動は決定しません。

  • Decide(意思決定):
    状況判断を踏まえ、どのような行動をとるかを決定します。

  • Act(行動): 意思決定に基づき、実際に行動を起こします。


各ステップの具体例

Observe(観察)

コンビニエンスストアの店長が、新しいお菓子の売れ行きを観察する。

  • 店長は店内の監視カメラをチェックし、お菓子コーナーの前で立ち止まるお客さんの数をカウントします。

  • 販売データを分析し、どのお菓子がよく売れているか、どの時間帯に売れているかを確認します。

目的:
現状を正確に把握し、必要な情報を収集することです。

Orient(状況判断)

店長は、観察で得た情報をもとに状況を判断します。

  • 監視カメラの映像や販売データをもとに、特定の時間帯に特定の商品が売れる傾向を見つけます。

  • 季節や天候の影響、競合他社の動向も考慮し、現状を総合的に理解します。

目的:
観察した情報を整理し、傾向やパターンを見つけることです。

Decide(意思決定)

店長は、状況判断を踏まえて、どのような行動をとるかを決定します。

  • 新しいお菓子の棚を増設するか、既存のお菓子のレイアウトを変更するかを決定します。

  • 特定の時間帯にお菓子の試食イベントを開催するかどうかを決めます。

目的:
最も効果的な行動を決定することです。

Act(行動)

店長は意思決定に基づき、実際に行動を起こします。

  • 新しいお菓子の棚を設置し、お菓子のレイアウトを変更します。

  • お菓子の試食イベントを特定の時間帯に開催します。

目的:
決定した行動を実行し、実際の効果を確認することです。


OODAループのメリット

1.スピード感のある対応ができる。

「OODAループ」は計画から始まるのではなく、その場の状況を観察するところから始まるので、その分変化に速く気づき、迅速に適切な行動をとりやすいというメリットがあります。
例えば、飲食店でお客さんが突然増えたとき

  • 観察(Observe): 突然多くのお客さんが入店してきたことを観察します。

  • 判断(Orient): この状況では料理や飲み物の提供が遅れる可能性があると判断します。

  • 決定(Decide): 迅速に対応するために、一時的にメニューを絞ることや追加のスタッフを手配することを決定します。

  • 行動(Act): メニューを絞ったり、追加のスタッフを呼んだりして実際に行動します。

2.現状に沿った適切な行動がとりやすい。

上層部の判断を待ってから行動するわけではないので目の前の状況に合わせて自分たちが適切だと思える行動が取りやすいです。
例えば、プロジェクトの進行中に予期せぬ問題が発生したとき

  • 観察(Observe): 問題が発生したことを観察します。

  • 判断(Orient): どのような問題かを理解し、原因を判断します。

  • 決定(Decide): 問題解決のために必要な対応を決定します(例えば、追加のリソースが必要、計画の修正が必要など)。

  • 行動(Act): 決定した対応を実行します。

3.自律的に問題解決できる習慣が身につく。

状況に応じて素早く判断し行動を起こせるので「OODA」ループを繰り返していけば、自ずとさまざまな切り口を試行錯誤しながら、課題や問題に臨機応変に対応していくスキルや習慣を身に付けることができます。
例えば、社員が個々の仕事を進める際

  • 観察(Observe): 自分の作業の進捗状況や障害を観察します。

  • 判断(Orient): 進捗に対する問題や障害を特定し、その重要性を判断します。

  • 決定(Decide): どのように対処するかを決定します(例えば、優先順位を変える、助けを求めるなど)。

  • 行動(Act): 決定した対策を実行し、問題解決に向けた行動をとります。

4.個人の裁量が大きい。

その現場を見た当事者が判断するのでもちろん個人の裁量は大きくなります。
例えば、カスタマーサポートの対応

  • 観察(Observe): お客様の問題や質問を観察します。

  • 判断(Orient): 問題の内容や重要性を判断します。

  • 決定(Decide): 適切な解決策を決定します(例えば、返金する、技術サポートを手配するなど)。

  • 行動(Act): お客様の問題を解決するために行動します。

5.実戦のなかで試行錯誤ができる。

プロジェクトの進行中に変化やトラブルがあっても、状況に合わせてすぐに調整可能です。調整後にまだ不具合があっても、スピーディに改善を進めていけます。
例えば、新しい製品を市場に投入する際

  • 観察(Observe): 製品の売れ行きや顧客の反応を観察します。

  • 判断(Orient): どの要素が好評で、どの要素が不評かを判断します。

  • 決定(Decide): 改善が必要な点や強化する点を決定します。

  • 行動(Act): 製品の改良やマーケティング戦略の修正などを実行します。


OODAループのデメリット

1.思いつきや感情で行動する個人の増長

OODAループは迅速な意思決定と行動を重視するため、場合によっては十分な検討を経ずに行動に移るリスクがあります。
特に、個人の感情や一時的な思いつきが優先されることがあります。
例えば、職場でのトラブル対応

  • 状況: 社内でトラブルが発生し、対応が求められる場面。

  • 問題点: 一部の社員が急いで対応しようとして、上司や同僚と相談せずに感情的に対応を始めてしまうことがあります。

  • 結果: 十分な検討をせずに行動することで、誤った対応をしてしまい、問題がさらに悪化することがあります。

2.PDCAが有効な場面でのOODA採用

PDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルは、計画を立てて実行し、その結果をチェックし、改善策を実施するという段階的なプロセスです。長期的なプロジェクトや継続的な改善が必要な場合には、PDCAの方が適していることがあります。OODAを採用すると、計画やチェックが不十分になりがちです。
例えば、製品開発プロジェクト

  • 状況: 新しい製品を開発するプロジェクト。

  • 問題点: 長期的な計画と継続的な改善が必要な場面で、OODAループを採用すると、計画(Plan)やチェック(Check)が不足しがちです。

  • 結果: 充分に計画を立てず、行動を繰り返すことで、方向性がぶれたり、改善が追いつかないことがあります。結果として、製品の品質が低下するリスクがあります。

3.結果のデータが残らず暗黙知が発生する

OODAループでは、迅速な意思決定と行動を繰り返すため、結果のデータや経緯が十分に記録されないことがあります。これにより、個人の経験や直感が暗黙知として蓄積され、組織全体で共有しにくくなるリスクがあります。
例えば、営業チームの成果管理

  • 状況: 営業チームが顧客対応や営業活動を行う場面。

  • 問題点: 迅速な意思決定と行動を重視するため、どのようにして成果を上げたのかのデータや経緯が十分に記録されないことがあります。

  • 結果: 個々の営業担当者が持つノウハウや経験が記録されず、チーム全体で共有しにくくなります。これにより、新人の教育やチーム全体のスキルアップが難しくなります。


所感

OODAループは、緊急な対応が求められる場面、できるだけ早く取りかかったほうが成果を上げられる可能性がある場面で、有用だと感じました。
(顧客対応、トラブルシューティング、在庫管理、災害対応、新しい競合商品が突然登場した場合等(市場の変化))

長期的な計画や継続的な改善が求められる場合には、PDCAサイクルなどの他のフレームワークを併用することが望ましいと感じました。
(製品開発やプロジェクト管理のように、計画的なアプローチや継続的な改善が必要な場合)

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