灰月弥彦

新潟のしがないプログラマ。だいたい本か映画の話をします。

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マガジン

  • コロナに立ち向かう参考書籍リスト

    『新型コロナとワクチン 知らないと不都合な真実』に掲載の参考書籍を読んだ感想記事をまとめています。

  • 【独学】読書猿『中学0年生からやり直す英語読み』

    読書猿氏のサイトより https://readingmonkey.blog.fc2.com/blog-entry-92.html 英語学習をやり直す記事のまとめです。

最近の記事

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【海外文学のススメ】怪奇小説の沼から

1.初めにガイブンが売れないといわれて久しい。出版不況といわれる全体の潮流の中でもガイブンは特に厳しいらしく、ツイッターをみていると初版が数千冊のオーダーでも珍しくはないようだ。 売れなければ、出ない。 供給が途絶えて我々が餓死しないためにも、公式企画「海外文学のススメ」に参加することにした。この記事では私の愛する怪奇小説の中で、普段海外文学を読まない方でも楽しめるような書籍を、アンソロジーを中心にいくつか紹介しようと思う。なお、選定には入手のしやすさを考慮した。 2.

    • 【読書記録】さよならピンク・ピッグ

      2024年178冊目。 アドラーの作品。以前は『銀の馬車』を読んだことがあります。 最後に母親と手紙のやり取りをするようになって、母親が初めてアマンダをよくわかってきたとあるように、劇的な和解ができたわけではありませんが、離れることで少しずつ関係は改善されてきたようにみえます。 それもアマンダがおばあさんのところにいたいと自分から言えたからですが、それは魔女に立ち向かえたように、アマンダが自分の置かれている環境に対して自分の中で少しずつ消化し、成長していけたためだと思い

      • 【読書記録】ヴェルリオーカ

        2024年177冊目。 読んでいてなぜかジブリの『君たちはどう生きるか』を思い出させる作品でした。悪役の魔法使いと鳥男がジブリっぽい印象を受けました。 ワーシャが生まれたとき、身分証明書にワーシャの名前が書かれてから15年と書かれていたのですが、戸籍上15歳でこの世に現れたということでしょうか。もう少し幼い印象を受けました。 後半で婚前旅行に出てからだんだんと雰囲気が変わって冒険譚になったのは驚きでした。 ワーシャ出生の秘密が明かされ、冒険が終わったあとも運命の女神が

        • 【読書記録】陰陽師伝奇大全

          2024年176冊目。 文豪怪談などでお馴染みの東雅夫によるアンソロジーです。収録作家は澁澤龍彦、小松左京、三島由紀夫などやや古め。そこに今昔物語などの説話や岡野玲子の漫画などが加えられています。陰陽師といえばの夢枕獏の戯曲もあり、大作です。 陰陽師というと阿部晴明という大スターがいるわけですが、収録作品の8割9割が安倍晴明のお話だとさすがに飽きがきます。もちろん各作家工夫を凝らすわけですが元となるエピソードが同じだったりでどうしても既視感が拭えませんでした。違う登場人物

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        【海外文学のススメ】怪奇小説の沼から

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          8本

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          【読書記録】妖精伝説 本当は恐ろしいフェアリーの世界

          2024年175冊目。 妖精の姿といえばピーターパンのティンカーベルのような昆虫の羽で空を飛ぶ小さな少女の姿がイメージされることが多いですが、昔はまったく違った姿で描かれていて、人間から恐れられることも多かったそうです。そのイメージの変遷を辿った本となっています。 さまざまな民間伝承や文学、芸術が紹介されていて、その事例を読むだけでも楽しめます。私が読んだことのあるものだと、コティングリー事件はかなりのページを割いて紹介していますし、『小鬼の市』の小鬼たちも紹介されていま

          【読書記録】妖精伝説 本当は恐ろしいフェアリーの世界

          【読書記録】誰でもない王女さま

          2024年174冊目。 アンドリュー・ラングの物語にリチャード・ドイルの絵を配置した作品。リチャード・ドイルはコナン・ドイルのおじだそうです。元々ラングの物語のために書かれた絵ではないので、ところどころ王女や王子の見た目が変わっていたりする箇所があります。 あらすじだけを見れば、妖精の国に隠れてしまった王女を王子が見つけて帰ってくるよくあるものですが、一度手に入れた王女の本当の名前を呼んでしまったために再び王女が消えてしまうなどのひねりがあって面白いです。 リチャードの

          【読書記録】誰でもない王女さま

          【読書記録】からかい上手の(元)高木さん20、21

          2024年漫画等216、217冊目。 この漫画の表紙は元々原作のコミックスの表紙を大人版で描き直したものでしたが、ついに原作のコミックスの巻数を追い越しました。作者曰くはみ出たとのこと。スピンオフがこれだけ続くのも珍しいですね。原作に忠実で出来がいいからだと思います。 西片くんとちーちゃんがたまにテレパシー並みに意思疎通していたずらし始めるのが面白いです。それをすべてお見通しの高木さんの反応も込みでいいなと思います。 次巻で最後でしょうか。本編も終わってしまって寂しいで

          【読書記録】からかい上手の(元)高木さん20、21

          【読書記録】となりの猫と恋知らず1、2

          2024年漫画等214、215冊目。 瀬野くんは高校デビュー失敗してますが変わろうと努力しているのがえらいですね。猫実さんと話そうと頑張る中で成長していけるといいですね。 兎原さんと会話できているのも成長の一環だと思います。知り合いの知り合いって話するの大変ですよね。こうやって知り合いが増えていくといいですね。 コンタクト無くして距離感がバグるのとてもいいですね。女の子がなくすパターンは見たことありましたが男の子がなくすパターンもいけますね。 猫実さんは他人に興味ない

          【読書記録】となりの猫と恋知らず1、2

          【読書記録】中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。9

          2024年漫画等213冊目。 だんだんと怪異要素がなくなって普通のミステリになってきてるように感じます。 ドラキュラの話題が出てきますが、wikiによると初めての邦訳は平井呈一訳の1956年だそうなのでもう少し後ですね。猿の手もwikiだと1956年が最古なのですがそれよりも前があったのでしょうか。 ドラキュラが怪異要素ということなのかもしれませんがそうじゃないとは言いたいです。 榎木津は眼帯をしているふうに描かれていますが、見るときって眼帯してる方の目で見ている印象

          【読書記録】中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。9

          【読書記録】茉莉花官吏伝〜後宮女官、気まぐれ皇帝に見初められ〜9

          2024年漫画等212冊目。 材料があればなんでも作れると言い切れるあたりに成長を感じました。手柄を立てたい、大虎を助けたいと強欲になる一方で、それを実現する実力を身につけていて見ていて気持ちいいです。 戦わずにことを収めた手腕はさすがです。ただ、次回はいよいよシル・キタンと禁軍の戦いになりそう?禁軍は偵察くらいの規模だと思うのですが対応できるのでしょうか。あと他国の国境近くで戦うのも問題にならないのでしょうか。 次巻はご褒美回とのこと。茉莉花と伯陽のイチャイチャが見ら

          【読書記録】茉莉花官吏伝〜後宮女官、気まぐれ皇帝に見初められ〜9

          【読書記録】薄紅天女 上下

          2024年172、173冊目。 勾玉シリーズの最終巻です。舞台は奈良時代末、坂上田村麻呂や桓武天皇の時代です。前巻以上に史実の人物がそのまま登場するなど、歴史物としての側面を強めています。 やや構成に難があるように感じました。輝の一族と闇の一族の融和という前巻までの構造を維持しようとするあまり、阿高の故郷を蝦夷に設定していますが、アテルイたちとの対立が後半に生かされているとは思えませんでした。 最後に各キャラクターたちの今後の苦難が示唆されますが、史実に沿おうとするあま

          【読書記録】薄紅天女 上下

          【読書記録】クラウドネイティブで実現する マイクロサービス開発・運用 実践ガイド

          2024年171冊目。 仕事用です。8月は技術書を多めに読んできましたがこれで一区切りです。今の部署だとDevOpsやマイクロサービスを意識するほど規模の大きい開発に携わることはないのですが、他部署で事例も出てきたので勉強でざっと読みました。 マイクロサービスに必要なことは設計・開発から保守運用まで網羅的に書かれていて全体像を掴むのにはよいと思いました。 ただ、ハンズオンを含め、パブリッククラウドにはほとんど触れられていないため、実践する際にはそちらの勉強が必要だと思い

          【読書記録】クラウドネイティブで実現する マイクロサービス開発・運用 実践ガイド

          【読書記録】妖女サイベルの呼び声

          2024年170冊目。 以前『茨文字の魔法』で読んだことのあるマキリップの作品。ハヤカワ文庫と創元推理文庫で多く邦訳されていて、今後も読み進めたいと思います。 サイベルは山奥に住む魔法使いですが、超然としたところはなく、母であり、女性であり、人間であるといったところがよかったです。 サイベルと幻獣たちの絆が好きです。解き放たれて去っていった彼らですが、好きなようにしろと言われたのにサイベルのために働いてから去っていきました。「サイベル、あの灰色の秋空を、もう一度自由に翔

          【読書記録】妖女サイベルの呼び声

          【読書記録】薬屋のひとりごと13

          2024年漫画等211冊目。 小冊子付きの特装版が小冊子ごとKindle化してるのでそちらがおすすめです。 文化レベルに対して割と最近の科学技術を用いる傾向のある薬屋ワールドですが、火縄を用いない方式の短銃はwikiによると16世紀くらいのようです。火縄銃の日本伝来と同じくらいの時期ですね。 牛黄のオチが巻の途中で、続いて新章突入なので牛黄の話のインパクトが弱くなってる印象を受けました。巻末に持ってきてほしかったところですが構成上難しかったのでしょうか。 新章はカエル

          【読書記録】薬屋のひとりごと13

          【読書記録】だらしないです堀田先生!4

          2024年漫画等210冊目。 もう栗林は堀田先生に永久就職したらどうでしょうか。少なくとも直接雇用した方が栗林の手取りが増えていいと思います。 前巻がクリスマスだったのにもう新年度になってしまいました。時間の進みが相変わらず早いです。2人の仲の進展はそこまでなのがちょっと残念です。最後の堀田先生はそのままでいい、って言ったのはよかったですね。堀田先生が栗林のことを異性としてはまったく意識していないのが惜しい。 芥川龍之介推しの後輩が出てきました。小西さんとはまた違った感

          【読書記録】だらしないです堀田先生!4

          【読書記録】三郷さんは甘すぎ上司にちょっとキビしい3

          2024年漫画等209冊目。 ビジネスホテルの件、性別逆ならアウトっていうのはそれはそうだと思いました。 イケメン同期が出てきましたが三郷さんが小西川さんしか見てなくて三角関係になりきれてないのが笑ってしまいます。告白されても断るだけにしか見えなくて……。 目があるとしたら小西川さんが鈍感すぎて三郷さんが自信をなくして落ち込むのにつけ込むとかでしょうか。三郷さんは自分からしっかりアプローチできてますが失敗して落ち込むのは今巻でもあったことなので。清水くんが三郷さんの恋に

          【読書記録】三郷さんは甘すぎ上司にちょっとキビしい3