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魂開き(たまびらき)①

このエッセイは、わたしが自身の魂をひらくために描いている一枚の絵について、それを完成させるまでの心の移り変わりを記録したものになります。
全11記事の長編ですが、①と⑪を読めばだいたいの流れがわかるようになっています。
魂開き② 魂開き③ 魂開き④ 魂開き⑤ 魂開き⑥ 魂開き⑦ 魂開き⑧ 魂開き⑨ 魂開き⑩ 魂開き⑪ ~最終回~

最近、『魂で生きる感覚』をテーマに、一大きな絵の制作に取り組み始めました。

これが大きな転機になるという予感があるので、それを描こうと思うに至った流れや、制作途中の心の変化などを記録していきたいと思います。

初回の今日は『なぜ、魂で生きる感覚をテーマに絵を描くことになったのか』について書きます。

久々に長い文を書いたので読みにくい箇所があるかと思いますが、最後までお付き合いいただければ光栄です。

先月、とあることがきっかけで、『魂で生きる』という感覚を体験させられた。結局、数時間でもとの精神状態に戻ってしまったのだけど、その時の、『何もいらないし、何も怖くない。魂で生きている、それだけで十分だ』という無敵になったような感覚が忘れられず、以降は恋焦がれるようにその時の自分を想い続けている。

正確には、二日連続でその精神状態に入っていて、二日目は特に強烈だった。それから何日後かに、今度は『魂の純粋な悦び』を体験させられるような出来事も起こった。

短期間のうちに三回。それも、すべての悩みが吹き飛ぶほど強烈な体験をした。自分用のメモとして書いておくと、それまで自分が信じていた前提が崩れて、心が揺さぶられた後、それまで強く追い求めていたことに対して諦めの境地に達した瞬間に起こった体験だった。

最初は『せっかくいい状態に入れたのに、なぜすぐに戻ってしまうのだろう』と、意識が引き戻されることの方に注意が向いていた。
だけど、そこから短い間隔で何度も強烈な体験をしていることに目を向けたら、魂の記憶のようなものを取り戻しかけているのではないか、という予感が胸に芽生えた。

その時期、わたしは二択を迫られていた。タロットやリーディング、ヒーリングなど需要と戦略がわかりやすい方面に力を入れるか、創作を極めてそちらで大きく稼ぐか、だ。

手持ちの資金がそろそろ尽きかけていた。堅実に考えるなら、需要も手ごたえもあるタロットやリーディングに力を注いで、いったん生活の基盤を作った方がいいだろう。

ブログやSNSでせっせと発信して、毎月新しいメニューを開発して、イベントや交流会に出てファンを増やしていく。過去に何度もやってきたことだから手慣れているし、タロットやリーディングはオリジナリティがあって評判もいいから集中して動きさえすればいけるという自信もあった。

だけど、なぜか気が乗らない。実際にイベントにも二回ほど出店してみたけど、どうしてもテンションが上がり切らなかった。

迷いながら小さな仕事をこなしつつ、空いた時間で自分の内側の声に耳を澄ませ続ける。

『エネルギーの注ぎ先をタロット方面か創作方面の一方に絞らないと、どちらも中途半端になって芽が出ない』
『タロットの方が簡単そうだけど、興味はアートに強く惹かれている』
『仕事の片手間のエネルギーで作ったもので人の心を動かせるとは思えない』

心の声ははっきりしていた。
ただ、怖かった。
心の声に従えば、どうなるか予測もつかない未知の未来に両足を突っ込むことになる。

他に、アルバイトをしながら徐々に移行していくとか、とりあえずタロット系のことに注力して生活を立て直してから作戦を練るとか、もっと賢いやり方はいくらでもあるだろう。

もちろんそれも検討してみたのだけど、それを選ぶことは、身の丈に合わなくなった服に無理やり身体を押し込むことのように思えた。

そんな時に偶然、最近親しくさせていただいている女性から『スピリチュアル系の仕事をしている人向けの相談会』を主宰しているという話を聞いて、参加してみることにした。

当日、何をどう相談すればいいのかわからなかったので、ここまでの流れと自分の現状、感じていることなどをそのまま話した。

話し終えると、会の主催者の二人ともが「最近、買ったという大きなキャンバスに、魂で生きる感覚を思い出した時の自分を想って絵を描くといい」と口をそろえた。
そうすることで、その時の自分とシンクロする時間が積み重なって、完成する頃にはその絵を眺めているだけで魂で生きる感覚に入れるようになる。あとは完成した絵を眺めているだけで、いま抱えている悩みや問題はぜんぶ解決するんじゃないかと。

頭で理解するよりも先に、それだ、という強い確信が子宮のあたりから立ち上ってきた。それは無意識のうちで自分でも感じていたことだった。
実際、魂で生きる感覚を思い出している間は、悩みや問題がゼロになっていた。

アドバイスをくれた二人が、他の相談者に対しては地に足のついた助言をしていたというのも大きい。チャネリングもされている方だったので、わたしの本質や魂の段階などを見た上での言葉なのだろうな、と思ったら心強かった。

「わからないけど、その絵が完成したら、他の人からもオーダーが入り始めるんじゃない?」

そのひとことで、『わたしは魂をひらく絵を描き始めるのかもしれない』と予感した。自分のための絵が完成する頃には人の魂をひらく絵も描けるようになっているだろう、と。

複数の絵が重なってぼやけていた未来が、ひとつのはっきりとした像を結んだ。部屋にこもって、たったひとりのために精魂込めて絵を描いている自分の姿がありありとイメージできた。そこにあるのは魂で魂と向き合う至福の時間だった。

そんなわけで、いま、その絵とひたむきに向き合っている。
自分自身の魂と上手く共鳴できた日のことも、筆を握るのが怖くて逃げてしまった日のことも、素直に綴っていけたらと。

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