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つるうち家の温泉日記 その4「勝浦、いい!」

こんにちは、つるうちはなだよ!

今日は大雪警報、そしてオフ。どしどし降る雪をうっとり眺めながら何かがしたいと思いつき、1月上旬に夫と行った勝浦エリアの楽しい思い出を振り返ってみることにする。こないだの草津温泉の記事を書いたあと思ったけど、早めに書いておかないと色々細やかな感動を忘れちゃうんだよね。私は夫との日々の嬉しいことを限りなく覚えておきたいので、これからも忘れちゃう前になるべく書いておこうと思う。

勝浦、いい!

千葉県勝浦市。都内から車で2時間かからないくらい。アクアラインをぶっ飛ばせばあっという間。気付けば海と山に囲まれた小さな港町「勝浦」に到着。

降りた瞬間、「あれ、これすごくいい町じゃね?」となった。二人して同じ感覚を持った。

なんだか良い気をまとった町、勝浦。

このへんの言語化の難しい感性が私と夫はかなり近く、特に「場」に対しての「なんかいい、なんかいや」が共有できるので、旅先で喧嘩なども全くない、というかいつも以上に仲良くなる。勝浦は、すごくいい

ちょうどお昼時で、勝浦タンタンメンを食べたいという夫に従い地元のお店へ。思ったよりあっさり、するする食べれて美味しかった。焦がし玉ねぎが効いてる。しかし後々地元の人と飲んだときに「あんなの地元のやつは食わねえよ」と言っていたが、真偽の程はいかに。

お宿はリゾートマンションの一部をホテル化した場所で、「老後は自然の多いところで温泉のあるリゾマンに住む」という形骸化しつつもやっぱりちょっと憧れちゃう暮らし、の擬似体験ができてよかった。実際やってみたら三日で飽きるんじゃないかな・・と思っていたが、やってみないと分からないものなので、やっといてよかった。絶対三日で飽きる。将来の夢からリゾマン購入は消えた。こうしてたまに宿泊するのがちょうどいい。

なぜかベッドが四つもあって、とても良い部屋だった。

夜に営業する店があまりない中、近くでなんだか気になるお店があり、外に案内もメニューもないけど思い切って入ってみた。結論から言うと、前回書いた草津温泉で吸い込まれたビッグママの店と同じ系譜の最高のお店だった。

かわいいママ、美味しいお刺身。

どう見ても地元の常連さんがお二人、ママと三人であたたかく迎えてくれた。「どんなのがいい?どれくらいたべる?」と聞かれ、「量はいらなくて、お魚メインがいいです。」とお伝えしたら、なんやかんやと美味しいお惣菜や新鮮なお魚を出してくれた。

ママは賢く可愛く終始ちょうど良い距離感で、隣の妙齢の男女はご機嫌なお二人でどんどん距離が近くなり、最終的に夫が食べ切ったお魚の骨を奪い取り「魚の中に小さい魚みたいな骨があるんだよ、これを集めるといいことがあるんだ!集めてるんだ!」と一生懸命探していた。コロナで人間との接触を恐れるようになった人も多い中、人の食った魚の骨を隅々まで調べ上げる豪胆さ?いやむしろ細やか?な作業に大笑いしてしまった。

まだ骨を探られる前のお魚

草津でも思ったけど、私たちは最近こうしたお店に本当に恵まれている。去年行った伊勢湾エリアの旅の際も、地元のおじさんしかいない小さなお寿司屋さんでそれはそれは面白い地元ならではのお話をたくさん聞けた。インターネットには無限の情報があるように思えるけど、血の通ったリアルというのは、その人の表情、声、空気など全てから伝わる情報で、私はやっぱり生身の人間の生身の声が聞きたいと思った。

この勝浦の小さな飲み屋さんでの面白いお話は、「実はママのお兄さんが東京でも有名な某高級フルーツ店の創業者」「土地の方言が汚すぎてあえて使わないようにしてる」「"すてれっぱつ"というのは"すんげーでかい"という意味」「毎日見ていても本当に海は飽きない、日によっては海が綺麗すぎてここはハワイかよって思っちゃうね」などなど。

あと最後の最後でわかったのは、隣で飲んでるお姉さんは泊まっているホテルの清掃員の方だった。翌朝も遭遇してご挨拶をした。小さな町で、小さなコミュニティの中で回っていて、飲んでる時は笑いながら今日の愚痴を話していて、だけど根本的に自分たちの住む場所を愛してるっていう感じが、なんだかすごくよかった。勝浦という町を一瞬で好きになったけど、町に漂う空気がその飲み屋にも満ちていた。コミュニケーションが開かれていて、さっぱりしてて、あったかい。伊東にも近いものを感じるので、温暖な海沿いの町ならではなのかもしれない。

お部屋から見た朝日

勝浦→海中公園→鵜原理想郷→養老渓谷へ

翌朝は勝浦名物「勝浦朝市」へ。勝浦の朝市は日本三大朝市に数えられる。一昨年は輪島の朝市に行き、正直その思い出については今は思い返すと本当に胸が痛くて仕方ない。だけどあの土地の人たちの持つパワーを信じているし、具体的支援をこれからもしていきたい。

勝浦の朝市はこじんまりとしつつもとても活気があって、この町の良さがあちこちから感じられた。おいしいスパイスチャイを飲みながらうろうろし、おばあちゃんの作るたこ焼きを買って帰った。すんごい見所があるわけじゃないけど、勝浦の土地の人たちの健やかさ、元気さに触れるだけでも価値があると思う。

勝浦に二泊してもいいよね〜と未練を引きずりながらも次の場所へ。水族館大好きな私が絶対行きたかった「海の博物館」&「かつうら海中公園」。このスポットは、このエリアに来たら絶対に行ってほしい。階段が多いので足の悪い人はしんどいと思うけど、基本的に老若男女誰が行っても面白いと思う。

このあたりは絶景スポットだらけ

駐車場からすぐなので最初に向かった「海の博物館」はとってもローカルな博物館で、その時やってた「海の生きものの古い図鑑」という特設コーナーがとっても素晴らしく面白かった。見て!↓

なんて渋い展示!ときめき!
昔の図鑑、可愛すぎ!!
写真じゃないからこその良さ

こんな感じのふる〜い図鑑がずらずら並んでいて、あまりに素晴らしかったので受付の方たちに「すごくよかった!ありがとう!」とお伝えしたら、あとからその人が追っかけてきて、「よかったら感想をここに送ってください、担当者たちがすごく喜ぶと思うので・・」とアンケート先を教えてくださった。愛のあるスタッフさんたちで運営されている博物館なんだな、と胸が熱くなり、二人して即感想を送りつけた。この素敵な展示や博物館を守ってる人たちに、気持ちが届いていたら嬉しい。

その後、「魚たちの暮らしをのぞいてみよう」という触れ込みの「かつうら海中公園」へ。これがまた、道中の絶景や、他では見たことのない生簀跡地、歩いてるだけでめちゃくちゃ楽しい。そして何より、海の真ん中にどーんと鎮座する塔をずんずん降りていくと、天然お魚天国。大人でも夢中になるよ。海が波で揺れてて、お魚も揺れてて、どこを覗いてもすんごいたくさんの種類のお魚がいるんだから!

昭和30年頃まで、鰯の追い込み漁で使われていたという生け簀。かっこいい。
本当に海の中にお魚がたくさんいて、それを見る!
本当にいっぱいいる〜〜!!!

で、ここだけでも十分楽しかったんですが、以前から父母に強烈におすすめされていた「鵜原理想郷」が目と鼻の先なのでそちらにも立ち寄り、気楽にお散歩くらいの気持ちでいたら軽い登山みたいになり、道中すれ違った男性たちに「こ、この先まだありますか・・?あとどれくらいですか・・?」と聞かれるくらいは歩いたんだけど、その甲斐あってのマジ絶景の連続。しかも途中で野生のキョンに何度も出会った。猫より警戒心なかった。絶景と歩くのが好きな人にはぜひ行ってほしい。

なんかもうずっとこんな景色
絶景だけど夫の存在感が邪魔してます

ちなみにお昼ご飯に立ち寄ったお店がレジェンド食堂でした。すごい美味しかったし、すごい雰囲気がよくて、ずっと満員だった。勝浦タンタンメンもとても美味しかったし、夫の頼んだカツ定食も最高だった。

このエリアで一番くらい有名なお店のようです。これはハーフタンタンメン。

で、いよいよ本日の宿泊地へ。途中で夫が気に入ったお酒「腰古井」の酒造に立ち寄って日本酒を仕入れたりしつつ、海から山に向かい、渓谷沿いにある養老温泉へ。あの「養老の滝」とは別なんだけど、渓谷沿いだから滝もある。小さなひなびた温泉街。

とっても素敵なお宿「嵯峨和」さん。

ご多分に漏れず歴史のある建物であろう宿をサーチした我々。今回も最高のお宿発見。平日だったこともあり、「本日は貸し切りとなっています。温泉も貸し切りでお使いください。」とのことで二人してテンションマックス。泉質もとってもよくて、女将さんの手作りのお食事がびっくりするほど美味しくて、ああいい宿だった〜〜〜という感謝だけが残る温泉宿でした。

夕飯のごく一部。全部超うまいしお食事少なめコースなのに最終この2倍の量が出てきた。
朝夜でこれだけついて1万円。お酒も安かった。ありがてえ・・


しっかり養生した翌日、帰路につく中で道の駅「うまくたの里」に立ち寄り、千葉の地物野菜をたんまり仕入れた。これらがまた格別に美味しく安くて、「味のある野菜」だと調理の必要すら感じなくなるなと思った。切ったそばから香りにつられて口にそのまま運んでしまうほどおいしいんだもの。

唐突な"すてれっぱつ"落花生

今まで近隣で温泉地へ、というと、伊東・伊香保・箱根、あたりが行きつけだったのだけど、勝浦という選択肢ができた。またぜひ行きたいし、今度は勝浦だけで二泊したいねって話したくらいにはいい町で、周辺にも見所がたくさんあった。

温暖な海沿いの人たちの気質の傾向として、オープンで、さらっとしてて、来るもの拒まず去るもの追わずな距離感があるように思う。例えば草津温泉のような寒い山間とは真逆に感じる。風土や気候というのは人間の形成に大きく関わるし、それぞれの良さがある。日本の関東エリアだけでもこれだけの違いがあるし、沖縄なんて外国みたいだったし、北海道はでっかすぎるし、本州の果ての青森はまだ未踏でぜひ行きたい。日本だけでもまだまだ行きたいのに海外も含めたら・・生きてるあいだにどれだけ行けるかな?


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