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文を蓄える #2024ねんのゆめ

2024年は、とにもかくにも文を蓄える一年にしたい。
蓄えたい文章は二つある。
一つは「自分の文章」、もう一つは「人の文章」だ。

まず蓄えたいのが、自分の文章。
一人暮らし、二人暮らし、本の話を本にして、さて四冊目は何をテーマに作ろうかとぼんやり考えていたところ、ほんのひとときさんのコンテスト「#わたしの旅行記」で賞をいただいた。

生まれて初めて「受賞コメント」なるものを書いて、正直めちゃくちゃ調子に乗った。
いまなら豚よりも早く木に登れる自信がある。
これはもはや、天が私に旅行記を作れと言っているのではないか(言ってません)。
そんな浮かれたテンションで、次の本のテーマを旅行エッセイに決めた。

私はそれほど頻繁に旅行に行く方ではないけれど、これまで行った場所にはそれぞれさまざまな思い出が残っている。

ホームステイ先のおばあちゃんに気に入られすぎて、帰国日にパスポートを隠されたスペイン。
なぜかフランス語専攻の友だちと約一か月同じベッドで寝起きした挙句、関係が非常に険悪になったペルー(現在は月一程度で遊ぶ仲に戻っています)。
J.K.ローリングがハリー・ポッターを書いたと言われるエレファントカフェでテンションがぶちあがり、帰りのバスに乗り遅れそうになったスコットランド。
友だちとの二人旅のはずが、自称「一人旅好き」な男の子がめちゃくちゃついてきて彼を振り切るのに必死になったドイツ。
ゼミの担当教授であるフランス語の先生の入れ知恵のおかげで美食三昧した結果、体重が三キロ増えたフランス。
いたるところでチャイをご馳走になり、牛に轢かれそうになったインド。
彼氏(現夫)とその両親の四人で猛烈に花粉を浴び、同棲の挨拶をした三島。
夫のプリンセス化トロピカル化におおいに戸惑いながら最終的にはそばぼうろの夫婦となった、新婚旅行のハワイ。

ネタ自体は書き尽くせないほどあるのだけれど、ほとんどはまだ文章にできていない。
旅行中の記録がほぼ走り書き、しかも手書きだからだ。
大学生活の終盤でスマホを持つまでは、私はずっと手書きのノートに旅行中の記録をつけていた。
それをちまちま解読してエッセイにするのはちょっと億劫で、ついつい先延ばしにしてしまっていたのだけれど。

今年こそは、ちゃんとやりたい。
何を隠そうここ三年間本づくりや文フリにかまけていたら、本に収録できるレベルのエッセイをほとんど絞り切ってしまったからである。
いや、文フリのせいにしちゃいけないんだけれども。単純に己の怠慢なんですけれども。
いまの状態で本を作ろうとしたら、かっすかすのおからのような本になってしまう。いや、おからは栄養たっぷりなんだけれども。
私としては、とぅるんとぅるんの豆腐をお届けしたいのだ。
そのために、そろそろネタを潤しておかなくてはならぬ。

そんなわけで今年は、普段書いている日常系のエッセイに加えて、意識的に旅行中のエピソードをエッセイとして蓄える年にしたい
そして来年か再来年あたりに、旅行エッセイが出せたらいいなと思っている。

さてもう一つ蓄えたいのが、人の文章。
2023年は本もnoteも、読みたさに悶えながらあまり読めなかった年だった。
特に、note。もはやタイムラインが追えない。
「あ、この人の小説読みたいんだった」
投稿がタイムラインに上がるたびにそうハッとするのに「いや、まずはこいつを片づけてからだ」と校正作業や文フリの宣伝といった目先の優先事項にかかずらってしまう。
そうして、「積読」ならぬ「積note」がどんどん増えていく。

他の人の本の作り方はわからないけれど、私は自分の本を作るときには最低四回は本文を校正するようにしていて。
一度目、基本的な校正。誤字脱字&単語、人名、書誌データなどの確認。
二度目、話の順番や構成は問題ないか。
三度目、第一読者(祖母)を置いていかないための加筆・修正。
四度目、同じ語尾や接続詞が連続していないかどうか。文のテンポを整える。

少なくともこれを完走するまでは、人の文章が安心して楽しめない。
完走したらしたで、今度は表紙の細かい打ち合わせやポスター作り等々が入ってくる。ちょっと落ち着かせてほしい。
私がそんな精神状態でいることなんておかまいなしに、名作はポコポコ生まれていく。
いつかこの世の本が全部読破できると信じていた子どものころ、毎月大量の新刊が書店に並んでいるという事実を知って「どんなに急いで読んでも一生追いつけないんだ……!!!」と絶望したことがある。
さすがに大人になったいまは「私が追いつくまでみんな新作を出さないで」と思ってはいない。
「あなたがとてもいいものを書いていることを私は知っています(謎の翻訳感)」という気持ちで、薄目で更新を見守っている。

紙の本に宿る、保証された読みやすさと安定した読み応えが好きだ。
noteの人たちの、親しみやすさのなかにキラリと光る才能が好きだ。
紙の本を読めば、語彙の多さに目を見張り、構成や言い回しの巧みさに驚嘆したりする。
noteの記事を読めば、「あっ、私も!」と共感したり、「そういう考え方もあるんだ!」と自分との違いにびっくりしたり、吐露された心情に静かに頷いたりする。
人の文章は知らない景色を見せてくれたり、私が遠く忘れていた記憶を思い出させてくれたりする。
だから今年こそはいままで読めなかった分を丸呑みする勢いで読み蓄えて、心豊かな一年にしたい

***

たまごまるさんの企画「#2024ねんのゆめ」に参加します!
早くも2024年の12分の1が終わろうとしているけれど、あと11か月はこんな年にする予定です。できたらいいな!!

企画内容
今年の夢や目標について大いに語ってください。
文字数制限ありません。型式も問いません。
ハッシュタグ
#2024ねんのゆめ
をつけて投稿してください。
この記事を貼り付けて貰えると尚更ありがたいです。

上記記事より


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