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そしてまた、ぬか布教

性懲りもなく、ぬか床の話がしたい。
前回ぬか床について書いたのは5月14日。もう二ヶ月ほど前のことである。

玉ねぎ

上記の投稿の中で私は4冊のぬか本を読み、紹介されている食材数や不向きな食材をまとめた。
その不向き食材の筆頭として玉ねぎを挙げたところ、ぬか仲間でもあるみーなさんから「向かない野菜No.1のタマネギを今投入してます😱」と衝撃のコメントをいただいた。
慌ててクックパッドで調べたら、けっこう漬けている人はいて少し安心する。
「あくまで著者個人の味覚ですから、ぬか床を信じましょう」とエールを送りつつ、少し前にshinoさんも漬けていたなと思い出して投稿を遡った。

最低二日、もっと長めでも可」と頭に叩き込んで、またnoteをさすらう。

そこで、玉ねぎのぬか漬けを絶賛するミーミーさんの投稿、およびミーミーさんが玉ぬかを試すきっかけを作った東のテツさんの投稿に出会った。

玉ねぎのぬか漬けは、食材としても万能かも
テツさんの言葉に居ても立っても居られなくなった私は二人のnoteを熟読したうえで新玉ねぎを買い、皮を剥いて真っ二つに切り、漬けた。
辛いのは嫌だから、がっつり漬けよう。

そして待ちに待った四日目の朝。
一番外側の皮を剥がして食べると、らっきょう漬けに似た風味が口に広がった。
鼻を抜ける柔らかな刺激臭。
内側に進むにつれて増していく甘み。
……これはうまいわ。

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(写真右のアーモンドについては後述)

半玉の半分ほど食べたところで口の中がピリピリしてきたので、その半分をまたぬか床に埋め戻す。
そして翌日、今度はカレーのお供に。
少しずつペロリと皮を剥がして食べるのは、妙に楽しかった。

ズッキーニ

その次に試したのは、ズッキーニ。
縦半分に切って、そのまま漬ける。
二日後に齧ると、ほろ苦く、青々しい香りが口に広がった。

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(赤いのはパプリカです)



うーむ。おいしいっちゃおいしいのだけれど。
同じウリ科なら、キュウリの方が好きだなぁ。どうしても苦さが強調されてしまって、そこまでグッとこなかった。普通の炒めものの方が、私は好きだ。
ほろ苦ファンは、試してみてもいいのかも。


アーモンド

ナッツを漬けるという発想を与えてくれたのは古山大さんだった。
社長からぬか床をもらって以来ぬか漬けを食べ続けているという、アスリートの大さん。
カブ、キュウリ、プチトマトを紹介し、最後に今後試してみたい社長からのおすすめとしてゴーヤとアーモンドを挙げていた。

アーモンド???
いくらなんでも斬新すぎやしないか。
社長はいったい何者なのだろう。
あの硬いアーモンドに、はたして味は染み込むのか。
どんな味になるんだろう。
いろいろと気になりながらも、ともかく漬けてみた。

ちょっと長めに、三日半。
小さいので、ぬか床から探し出すのに難儀した。
思ったより、味は染みていた。
ややほっくりとした、豆っぽい食感。
想像以上にぬか漬けだった。
けれど元々アーモンドが持っていたロースト感も、案外しっかりと残っている。
宅飲みパーティなんかの時につまみとして出したら、物珍しさとヘルシー感で盛り上がりそう。

ミョウガ

夏に漬けてみたい野菜、ナンバーワン。
今でこそ大好きなミョウガだけれど、子どもの頃はやたら姿勢がいい和服のおばあさんみたいな、あの味が苦手だった。
母はうまいうまいと言って喜んでシャクシャク食べていたし、祖母は庭で育てるほどミョウガを愛していた。私はほんとに彼女たちと血が繋がっているのだろうかと、少し疑わしく思っていた。
けれどいまや私も立派なミョウガっ子。
ミョウガはけっこう皮がしっかりしているので、ぬかを染み込みやすくするために半分に切って漬ける。

おいしい。爽やかな風味にぬかの塩気と酸味が加わって、文句なしのおいしさだった。
夏バテした時はお茶漬けに乗せたい。そうめんにも乗せたい。玉ねぎと一緒にカレーに添えてもいい感じだった。
もはや無敵である。

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(玉ねぎとミョウガを乗せたカレー)

夏野菜はおいしい。
けれど、キュウリは水が出やすく、ナスはぬか床を紫に染めてしまう。
そんなおいしいけれどやや厄介な野菜たちに比べて、ミョウガの手のかからなさはどうだ。ぬか床ケアの面から見ても、相当に優秀な食材であるといえよう。

小松菜

これはnoteにいつも涼やかな水彩画を上げている、すみ夏さんの投稿から。
小松菜おむすびのイラストにキュンとして、その日のうちにスーパーへ。

ありがたいことに小松菜って、いつもだいたい同じ値段。私の近所のスーパーでは、78〜98円を行ったり来たりしている。この日は78円だった。小躍りして買って帰り、塩もみして水気を絞ってから漬ける。
翌朝まずは、刻んだ小松菜のぬか漬けを混ぜご飯で食べる。

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おいっしい。
歯ごたえがしっかりしているし、噛むほどに滲み出る葉もの感も好き。
お昼はおむすびにして楽しんだ。
ついつい小松菜を多めにしたくなるけれど、おむすびが崩れやすくなるのでご用心。

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番外編、堅揚げポテト

これはもう、完全に事故である。
私にとって昨日は、思わず事故ってしまうほど浮かれた一日だった。

順を追って書いていこう。
まず一点目。
すごく素敵な鳥の絵を描く橘鶫さんが私の投稿を読んで、とても綺麗な鶴の絵を描いてくださった。


鶫さんの描く、はっきりとした意思を持った表情の鳥の絵が、私はとても好きだ。彼らの顔に浮かぶ決意や安らぎ、高揚感に、いつも背中を押してもらっている。
夕方Twitterで拝見した鶴は、私のアイコンになっている「激怒するインドの鶴」とは対照的な、静謐な雰囲気の麗しい鶴だった。
感動に打ち震えて「いいね」を押し、コメントを打ち込みながら、今夜はビールを開けようと思った。
こんな素晴らしい作品を贈ってくださった鶫さんに乾杯するのだ。

それから、鶫さん関連でもう一つ嬉しかったことがある。
物語の欠片』の主要な舞台の一つであるマカニの風景について「私の中ではこんな場所をイメージして読んでいます」と恐る恐るメッセージを送ったところ、まさにその地がモデルだったとお返事をいただいたのだ。彼らが着ているのもその辺りの民族衣装だという。
そうだったらいいなと思っていたんですよ!!!きゃ〜!!(ほぼ私信)
そうしてますますテンションが上がった。

二点目。
一昨日から一日半ほどかけて、大切な書類を最終確認として丸々音読していた。
最後の最後まで気が抜けない、ドキドキの時間だった。
水を飲みながら作業してはいたけれど、すべて終わった時には安堵と疲れで喉がカラカラだった。
けれど、とてつもなく充実感に満ち溢れてもいた。
消費したエネルギーを取り戻すべく、またこの書類に大きなミスがないことを願いつつ、それから今後滞りなく進行することを祈りつつ、ビールを飲もうと思った。

そして三点目。
昨日は久しぶりの太陽が顔を出し、びっくりするほど暑い日となった。
グリーンカーテンを自称しているもののゴーヤたちはそれほど日差しを遮ってくれるわけではなく、結局一日中扇風機をつけていた。
何か冷たいものが飲みたい。
そう思って冷蔵庫を開けたら、ビールがちょうど3缶冷えていた。

こんなに「ビールを飲むべき理由」が揃っている日なんて、そうそうない。

喉の乾きを潤すべく、あっという間にまず一缶。静かな喜びに身を浸して、ゆっくりともう一缶。そして乗りかかった舟で最後の一缶を開けて堅揚げポテトを食べていた時、不意にぬか床にビールを入れてみようと思った。

ビールの酵母がぬか床に何か影響を与えるかも云々」と書かれていた本を読んだことがあったのだ。
別に入れても入れなくてもいいと書いてあったので、これまで特に入れようとは思わなかったけれど。

今日は特別な日だもの。
日頃の感謝を込めて、ぬか床に一口分だけ垂らした。
大きく混ぜているうちに、堅揚げポテトもつまみとしてあげた方がいいような気がしてきた。
最近塩気が薄くなってきたしね。
元を辿ればじゃがいもだしね。

普段から私の投稿をご覧になっている方はすでに重々ご承知のことと思いますが、私はかなり馬鹿であります。
シラフの状態でも十分に馬鹿ではあるのですが、アルコールが回るとそれに輪をかけて馬鹿になります。

書いていて本当に呆れてしまうのだけれど、私は混ぜ終えたぬか床に堅揚げポテトを何枚か刺した。
「いつもありがと〜」とか
「おつまみお食べ〜」とか言いながら。

そして翌朝。
ぬか床からわずかに顔を出した薄いじゃがいも片を見て、私は昨夜の愚行を思い出した。
どう考えても馬鹿である。
ぬか床が油ぎったらどうするんだ!
ていうかこんなに薄いものを入れたら、取り出すのが大変じゃないか!
昨夜の自分を恨みつつ、そっとベロベロの堅揚げポテトを掬い出して慎重に洗った。
色褪せたナスの漬物と一緒に、遅めの朝ごはんにする。

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……普通にじゃがいものぬか漬けだった。
あのカリカリ食感は見る影もなく、ただのスライスしたじゃがいもの酢漬けのごとし。
堅揚げポテトって、本当にちゃんとじゃがいもなんだなぁと妙に感心する。
ま、普通に食べるのが一番おいしいんですけどね。

そんなわけで私のぬか床生活は、ますます充実しております。
いつもおすすめを紹介してくださる方々、読んでくださる方々、本当にありがとうございます。
自宅で育てているゴーヤが実ったら、今度はゴーヤも試してみるつもりです。
これからも、どうぞよろしくお願いします。


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