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「就活」前に乗っておいたほうがいい50機のヘリ。

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「就活」前に乗っておいたほうがいい50機のヘリコプター。 「就活」を上空から眺めてみること。 スタートラインに立つ前に、全体像を見てみること。 そのためのヘリコプター的な本を5…
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2019年5月の記事一覧

18機目「森を見る力」

「森を見る力」(橘川幸夫 晶文社) これからのビジネスのあり方、方向性に対して熱い問いを投げかけてきます。 アフター・インターネット(インターネット後)の時代では、次の4つがスタンダードになってきます。 ~~~本文より引用 「中抜き」 インターネット以前には世界は切り離されていたので、スーパーや貿易など、「つなぐ」ことでビジネスは成立した。しかし、インターネットでは「最初からつながっている」。だから「代理人」となるようなビジネスはもはや成立しない。 「つながりっ

17機目「転換期を生きるきみたちへ」

「転換期を生きる君たちへ~中高生に伝えておきたいたいせつなこと」(内田樹編 晶文社)より、小田嶋隆さんの「13歳のハードワーク」。 まず最初にやらなきゃいけないのは、「呪い」を解くことなのではないか?と僕は思います。 2003年12月に発売された「13歳のハローワーク」(村上龍 幻冬舎) 小田嶋さんは、この本を「呪いの本」だと断じます。 僕も持っていたこの本に対する違和感を表現されている素晴らしい文だったので、長文になりますが引用します。 ~~~ここから一部引用

16機目「ナリワイをつくる」

「ナリワイをつくる」(伊藤洋志 東京書籍) 「そもそも現代社会にはナリワイのネタは無限にある。なぜなら、世の中が矛盾だらけだからだ。何か矛盾がある以上、それを解決することを行えば仕事になる。」(本書より) なるほど。 まさに仕事の原点。 松下幸之助が洗濯機をつくったときから それは変わらない。 それを企業体として専門性を高めて大規模に解決するか、個人としてナリワイとして小さく解決するか。その違い。 例えば田舎には仕事はない、といっても子どもがいれば、塾通いするよ

15機目「すべての教育は洗脳である」

「すべての教育は洗脳である」(堀江貴文 光文社新書) 13機目から15機目は「学校」ってなんだっけ?っていう問い。 ~~~ここから引用 日本には、僕のような「我慢しない人」を軽蔑する文化がある。そして、「我慢強い人」を褒め称える文化がある。 どんなに不満があっても、どんなに理不尽な状況に置かれても、それを耐え忍ぶことを美徳とし、耐えしのいだ先にこそ「成功」が待っているかのような言説がまかり通っている。ほとんどマインドコントロールに近い不条理なこの呪いが、この国全体を

14機目「サヨナラ、学校化社会」

「サヨナラ、学校化社会」(上野千鶴子 太郎次郎社) ※現在はちくま文庫より文庫化されています。 「パラダイムシフト」っていうときの「旧パラダイム」とは何なのか? そんな問いがあります。 ラストの「第7章 ポストモダンの生き方探し」には、大学生世代への熱いメッセージが込められています。これが15年たった今でもまったく色あせないものです。 「偏差値の呪縛から自分を解放し、自分が気持ちいいと思えることを自分で探りあてながら、将来のためではなく現在をせいいっぱい楽しく生き

13機目「評価経済社会」

「評価経済社会」(岡田斗司夫 ダイヤモンド社) 歴史的に社会の変化を見るっていうのはとても大切なことだと思います。今回は「学校」というカリキュラムそのものについて。 「シャドー・カリキュラム」という言葉があります。つまり「陰のカリキュラム」です。 ~~~ここから引用メモ 「民主主義」も「貨幣経済」も人間とか利益、富といったものを一律に定量的にとらえて考えようというとてつもなく大胆な発想から生まれました。 「民主主義」は、まず一人一票という思い切り方がすごい。

12機目「非属の才能」

11機目の「孤独と不安のレッスン」の次に読んでほしいのはこちら。 「非属の才能」(山田玲司 光文社新書) 「スラムダンク」の井上雄彦は、小学校のクリスマス会を「自由参加でいいですよね」と言ってサボっていた。 「孤独」と「不安」のレッスンにも書かれていたけど、日本社会の「同調圧力」はものすごい。そこに適応していると、いつの間にか「定置網にかかった人生」が待っているのだと著者は言う。 思考停止した魚たちをマスメディアを活用したキャンペーンでごそっとさらってく、これが世

11機目「孤独と不安のレッスン」

「孤独と不安のレッスン」 (鴻上尚史 だいわ文庫) この「息苦しさ」というか「生きづらさ」ってなんなんだろう?って感じていたら、まずはこの本からいかがでしょうか?というような1冊。 「第6章 それでも「一人はみじめ」と思ってしまう理由」 ここだけでも読んでほしい。 「友達100人至上主義の果て」から始まって、一番うなるのが「世間」という名前の神様のところかな。 キリスト教徒にとってキリストは、唯一絶対の神です。物事の判断基準は神に背いていないか?です。 では日本

10機目「独立国家のつくりかた」

「独立国家のつくりかた」(坂口恭平 講談社現代新書) いま読んでも、熱くなる1冊。 世の中の見え方が変わる。 中学生くらいに読んでほしいけど、表現方法がちょっと難しいかもしれないので、わかりやすく説明できるようになりたい。 この本の中で例えられているのは、「学校社会」と「放課後社会」というふたつの世界(レイヤー) 学校社会の中での評価基準は「勉強ができる」が最高で、「スポーツができる」だったり「音楽ができる」という評価ポイントがある。それは学校の先生によって測られ

9機目「私とは何か?」

「私とは何か‐個人から分人へ」(平野啓一郎 講談社現代新書) 「本当の」自分とは、いったいどこにいるのだろうか?10代のころ、多くの人が抱いたであろう疑問。 もしかしたら、就活中の大学生も自己分析をしながら、本当の自分を探しているのかもしれない。 学校や家庭、部活、気の合う友達といるとき。私たちは、そのときどきに応じて、特に居心地の悪い空間にいたとき、「場の空気」に合わせたキャラを使い分ける。 そしてあとで「あれは本当の自分じゃない」と自分に言い聞かせる。こんな風な「

8機目「レイヤー化する世界」

「レイヤー化する世界~テクノロジーとの共犯関係が始まる」(佐々木俊尚 NHK出版新書) 佐々木俊尚さんの傑作はこれだと僕は思うんですけどね。 1000年のスパンで歴史を眺めるというヘリに乗れる1冊です。 令和元年。 テレビでやっているような、平成の30年を振り返るのもいいけど、世界史の1000年を振り返るのはもっと大切だなあと思います。 そもそも日本って? もっと言えば「国民国家」とはなんだっけ? そんな問いから出発したいならこの本です。 「国民国家」というシステ

7機目「先生はえらい」

「先生はえらい」(内田樹 ちくまプリマー新書) 内田さんの著作の中でも大好きな本のひとつ。 「学ぶ」とは何か?そんな問いをくれる本です。 「働くこと」やそもそも「学ぶこと」が楽しくなく、つらいことであることの理由のひとつに、「師匠」と呼べる人(先輩)がいないことがあげられると思います。 退職した理由で「先輩を見ていて、自分の5年後、10年後だと思って不安になった」というのを何度か聞いたことがあります。目指すべき「ロールモデル」が社内にいない。それはつらいことなのだろ