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「就活」前に乗っておいたほうがいい50機のヘリ。

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「就活」前に乗っておいたほうがいい50機のヘリコプター。 「就活」を上空から眺めてみること。 スタートラインに立つ前に、全体像を見てみること。 そのためのヘリコプター的な本を5… もっと読む
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記事一覧

51機目「ちいさなゆうびんせん」

ちいさなゆうびんせん(たかやりょうこ KOBUNE STUDIO) 「50機のヘリ」を選び終わり、最後におまけの1冊。2020年3月14日発行。CDサイズ(800円+税) 主人公である小さな船の「こぶねくん」が旅をしていく物語です。絵がかわいい。 帯にコメント書くとしたら「オレが辞めた理由」(笑)ではなく、 「僕は、なんのためにこの船に乗ったんだっけ?」ですかね。 就活の「違和感」とか「もやもや」を感じている大学生に向けた、僕からの手紙です。 裏帯には、「僕たち

50機目「世界は贈与でできている」

世界は贈与でできている~資本主義の「すきま」を埋める倫理学 (近内悠太 ニュースピックスパブリッシング) 衝撃でした。 7機目「先生はえらい」(内田樹 ちくまプリマー新書)を読んで以来の「人はなぜ学ぶのか?」という問いへの仮説がもうひとつできました。 「贈与」は受けとることなく開始することができない。「贈与された」という気づきからしか始まらない。 モチベーションの源泉。それは「贈与」そのものなのだろう。言い換えれば、その人が「贈与を受けた」という勘違いすること。 大学

49機目「他者と働く」

他者と働く~「わかりあえなさ」から始める組織論 (宇田川元一 ニュースピックス) 「対話」「対話」いってるけど、それは何なのか? っていうのがなんとなく理解できる1冊。 これから組織人になろうと思っている大学生にはぜひ。 ロナルド・ハイフェッツによれば、世の中の課題は以下の2つに分類できるそうです。 1 技術的問題・・・既存の知識・方法で解決できる問題 2 適応課題・・・既存の方法で一方的に解決できない複雑で困難な問題(関係性の中で生じる問題) 私たちの社会がこじら

48機目「そして、暮らしは共同体になる。」

「そして、暮らしは共同体になる。」(佐々木俊尚 アノニマ・スタジオ) これからの「暮らし」はどうなっていくのか?そのときに「企業」はどんな役割を果たしていくのか?そんな話がレシピと共に書いてあります。アノニマ・スタジオらしい1冊。佐々木俊尚さんの切れ味鋭いほかの本とは少し性格が違うかもしれません。 この本では、 野菜の通販会社「オイシックス」 都心立地型スーパー「成城石井」 セレクト通販「北欧暮らしの道具店」 などが取り上げられ、説明されています。 オイシックスのオ

47機目「共感資本社会を生きる」

「共感資本社会を生きる」(新井和宏・高橋博之 ダイヤモンド社) 45機目「共同体の基礎理論」 46機目「しょぼい生活革命」 47機目「共感資本社会を生きる」 と、この順番に読んで未来を展望したい。流れがすごく良い。 鎌倉投信株式会社ファウンダー新井さんと東北食べる通信・高橋さんのお二人の次なるステップのその先に見ているもの。 どきどきしながら読み終わりました。 ~~~ここから引用とメモ 都会の人って、僕を含めて消費者でしかなくて、みんな割と「点」で生きている。自

46機目「しょぼい生活革命」

「しょぼい生活革命」(内田樹×えらいてんちょう 晶文社) いやあ。いい本読んだなあって。 僕にとって文句なくいい本っていうのは、 「やっぱ俺が本屋やらなきゃいけないんじゃないか?」 って思い出させてくれる1冊。そんな1冊になりました。 「共同体の基礎理論」の直後に読んだという奇跡も本文中に数々見受けられて読書運の強さを感じました。 さて。大学生のみなさんにお届けしたい部分は「第4章 教育、福祉制度を考える」より。 ~~~ここから引用 学校教育は戦後のある時点か

45機目「共同体の基礎理論」

「共同体の基礎理論」(内山節 農文協) 「アイデンティティ(自分らしさ)」を考えるうえで、「共同体」っていうものに対する理解が外せないかもしれない。 そんな風に思えました。 ~~~ここからメモ わずか半世紀の間に、共同体は克服すべき前近代から未来への可能性へとその位置を変えたのである。 「近代化」とは何であったのだろうか。第一に、国民国家の形成があった。国民国家とはそれまでの地域の連合体としての国家を否定し、人々を国民という個人に変え、この個人を国家システムのも

44機目「かかわり方のまなび方」

「かかわり方のまなび方」(西村佳哲 ちくま文庫) 「発酵」つながりでもう1冊。 僕たちが当たり前のように使っている「ワークショップ」とは、そもそも何か。 英語で「ワークショップ」とは、工房・作業所のこと、つまりハード(建物)のことだった。しかしわれわれは今日、イベントや会議などのソフトな意味として使っている。 「ワークショップ」が拡大解釈的に使われてきたのは、1900年代のはじめ、T型フォードが世界を席巻し始めた頃であるという。 つまり、 「ファクトリー(工場)

43機目「発酵文化人類学」

「発酵文化人類学」(小倉ヒラク 木楽舎) 昨日、麒麟山酒造の斉藤社長から頂いたキーワード「発酵」。阿賀町は「発酵のまち」だったということ。 「発酵」っていうのは学びにもアートにも通じるキーワードだなあとあらためて思い出して、この本を。 第5章「醸造芸術論~美と感性のコスモロジー」より。 ~~~以下一部引用 写真技術が誕生したことによって、「客観的視覚表現」は写真家の領域となった。すると画家がやるべきことは「主観的認知」を表現することになる。これは言い換えれば「普

42機目「社交する人間」

「社交する人間~ホモ・ソシアビリス」(山崎正和 中公文庫) 「5年後の定量的目標と定性的目標は?」 10年ほど前、研修で問われて、定量的と定性的って何?って思うだけじゃなくて、「こういうの苦手だ~」と思ったのだけれど、これ、ビジネスの基本ですよね。 「目標を立てる」っていうのがそもそも苦手で、ぼく、ビジネス向いてないな、と思いました。 この本は、僕たちが当たり前だと思っている「目標に向かっていかなければならない」という思い込みに問いを投げかけます。 近代工業社会

41機目「武器になる哲学」

「武器になる哲学」(山口周 KADOKAWA) もっとも強い者が生き残るのではなく もっとも賢い者が生き延びるのではもない。 唯一生き残るのは、変化できる者である。 って、僕も言ってました。だから、変化しなきゃいけないんだよ、お前(オレ)って。 誤解していた。僕は、ダーウィンを誤解していた。この本を読んで、突然変異は「意志」ではなく「偶然」に起こり、生き延びるのは、「個人」ではなく「集団」なのだ、と。 29講「自然淘汰」より ~~~以下本文よりメモ 「自然淘汰

40機目「遅いインターネット」

「遅いインターネット」(宇野常寛 幻冬舎) 「平成」とはなんだったのか? 「グローバル経済社会」になるとどうなるのか? どうして「民主主義」は危機に陥っているのか? 宇野さんはそうやって社会を斬るのか。 スルドいなあ、って。 東京オリンピックのその先が見えない。それは、平成という失敗したプロジェクトの先に未来がないのと一緒だ。 グローバルな経済とローカルな政治という関係が成立する前は、インターナショナルな政治にローカルな経済が従属していた。ところがグローバル経済が

39機目「コミュニティ難民のススメ」

「コミュニティ難民のススメ」(アサダワタル 木楽舎) ついにこの本を紹介するときが来てしまいました。新・社会人、新・大学生のみなさん、おめでとうございます。 僕から贈る1冊は「コミュニティ難民のススメ」です。この本は水戸留学時代に読んだ本の中で最もドキドキした1冊。甲府の春光堂書店で購入。1章ずつ大切に読みました。今日は1章だけ紹介します。 第4章 「公私を編み直す」 いいですね。編み直すっていうのがいい。 公私混同とか公私混合とかっていうけど、そうじゃなくて、

38機目「サル化する世界」おまけ

「サル化する世界」(内田樹 文藝春秋) 初の同一書籍2ポスト。書ききれなかったのです。じゃあ、どうしたらいいのか。どうやってそれを実現するのか。僕はいま、何をするのか。 さらに引用してしまい、すみません。みなさん、買ってください。 第4章 AI時代の教育論 「AI時代の英語教育について」 なんというか、本質だなと。えぐるような本質を突いてくる。 まずは、自動翻訳機の進歩について。もはや日常会話に困らないほどに、ドラえもんの夢の機械「ほんやくコンニャク」がすでに手