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【大人の教養建築】「階」という概念が無くなる 太田市美術館・図書館

1.はじめに

この大人の教養建築シリーズでは、建築学生ならではの視点を踏まえて、建築がなぜ、そしてどう美しいのかを考察しています。

この視点が共有できれば、皆さんの日常をより華やかなものにできるのではないかと考えています。

前回の投稿では佐藤総合計画さんの高崎芸術劇場を深掘りしました。素晴らしい建築ですので是非こちらもご覧ください。

2.概要

設計者:平田晃久

この方は新進気鋭の建築家です。
京都大学卒業後、伊東豊雄建築設計事務所に入所。以降独立し平田晃久建築設計事務所を主宰しています。JIA新人賞や村野藤吾賞など、権威ある賞を多数受賞しています。

場所:群馬県太田市東本町16番地30

太田駅北口すぐにある、
図書館と美術館が一体となった文化施設です。

太田市にはなかなか尖った建築が多いのです。
というのも、自動車大手スバルの本社があり、
経済的にかなり潤っているようです。

3.魅力

内部は緩やかなスロープでつながっており、
気づかぬうちに上へと登っている、そんな建築です。

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故に「階」という概念が無くなってしまうのです。

この建築空間を体感するためには図面は必須です。図面を片手に館内を歩くことをお勧めします。

上のリンクはこの施設の図面になります。
このプレゼンテーションをみても分かるように、
設計段階で市民とのワークショップを開催し
市民のニーズもデザインに取り入れています

真に開かれた建築となることを狙っている
ことが分かります。

それでは中を見ていきましょう。

図書館の動線と美術館の動線が存在します。
それぞれ建物の外周をぐるっと回るように徐々に上へと移動します。

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こちらは美術館の動線
彫刻のフロアを通ってぐるっと回り、螺旋階段を登ると

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こちらに到着。ここから外部へ出られます。
次、図書館動線

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図書館の動線はこんな感じ

こうして外に出るのですが、
ここもまた素晴らしい。

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この建築、歩いているだけで楽しいんですよね。
気づいたらこの屋上まで来ていました。

外観をみてもわかるようにが多い。
駅の真隣なのにここだけ別世界でした。

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敷地はそこまで広くないのですが、
密度の高い濃い建築でした。

見どころがありすぎ
たくさん撮った写真の全てを載せきれないのです。

図面を見ただけでは、
複雑なゾーニングだと思われるでしょう。
しかし、
実際に空間を体感してみればわかるのですが、
かなり整理整頓されたゾーニングでした。

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。

そもそもこの広さの敷地に
美術館と図書館を併設するというのが
狂気の沙汰でしょう。

しかしながら、整いつつ機能も濃い
そんな建築でした。

この建築を機に平田晃久さんを知ったのですが、
今後も追っていきたいと思います。

ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

では。

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