【大人の教養建築】建築そのものがスクリーン 高崎芸術劇場
1.はじめに
この大人の教養建築シリーズでは、建築学生ならではの視点を踏まえて、建築がなぜ、そしてどう美しいのかを考察しています。
この視点が共有できれば、皆さんの日常をより華やかなものにできるのではないかと考えています。
前回の投稿では妹島和世さんの大倉山集合住宅についてまとめていますのでこちらもご覧ください。
2.概要
設計:佐藤総合計画
佐藤総合計画は国内有数の組織設計事務所です。
東京ビックサイトなども手掛けています。
意匠建築学生界隈でも人気の高い就職先です。
敷地:群馬県 高崎駅東口すぐ
「音楽の街高崎」都市文化を創造・発信する劇場として2019年9月20日にオープン。
3.概要
新建築 2019年12月号
に掲載されていたことがきっかけで
私の目に留まりました。
やはりファサードが目に留まります。
ガラスは内部を透過するだけでなく、
周囲の風景を反射します。
また、照明計画も素晴らしく、
優しい間接照明が美しい。
昼夜で姿を変えるような建築です。
この施設は劇場ですが、
建築そのものがまさにスクリーン。
ということですまずは向かって左側、
大劇場から
大きなガラスの箱の中に
赤い劇場のヴォリュームが埋まっている構造。
吹き抜けが開放的で空間を広々と使っています。
この階段の配置が素敵です。
こちらは中まで入れなかったので
公演がある日に改めて訪れようと思います。
次は向かって右側
ここも素晴らしい。
公演がある時だけに訪れるのが劇場のイメージですが、普段から解放されていて、仕事や勉強などに使っている人もちらほらいました。
大きな吹き抜けが特徴的ですね。
至る所に家具が配置されていて、
劇場が日常的風景に溶け込んでいる。
まさに建築があるべき姿だと感じました。
また、練習用のスタジオも併設されていて
「観る・観られれる関係」
が成立しているように感じました。
この関係は演劇的体験の本質だと考えていて、
筆者もこのテーマで劇場を設計しました。
設計前にこの施設を訪れていれば、、、
とちょっぴり後悔しています。
写真正面のガラス張りの部屋がスタジオです。
建築そのもので演劇的体験ができる、
そんな施設になっています。
4.まとめ
動線計画も単純明快で
整理整頓された建築だったように思います。
Less is more
と言いますが、シンプルさの中に考えられた計画があるように感じました。
私自身設計をする中でごちゃつきがちなところがあるので、この建築を見習いたいです。
素晴らしい建築ですので訪れてみてはいかがでしょうか。
では。
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