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”カスタード+アップル”=ノイナーの味?

隠れたトロピカルフルーツ

おそらく、タイに何度か来られていてもน้อยหน่า/ノイナーをご存知な方は少ないかもしれない。タイの美味しい果物といえば、マンゴー、ドラゴンフルーツ、マンゴスチン、ライチ、ココナッツ、バナナ、パイナップル、グアヴァなどが有名。
まさに言わずと知れたトロピカルな果物たち。
こういった有名どころの果物だけではなく、住んでみると地味ではあるけれど地元で季節ごとに売り出される果物もたくさんある。
その一つがノイナー。

今、チェンマイはノイナーの季節だ。

季節といっても、マーケットやスーパーではあまり見かけないノイナー。
私たちはいつもバイクで小道を通り抜けたりしている時に、民家の軒先で売られている果物や野菜を購入するのだが、今回も大きくて美味しそうなノイナーを見つけて購入した。バイク走行の良さは、こういった軒先販売を見つけた際に一瞬通り過ぎてしまうのだけれども、すぐにUターンをして戻れるということ。チェンマイ生活でバイクは必要不可欠なアイテムだ。

ボコボコしたごっつい見かけによらず、柔らかいので気をつけて扱う

以前投稿した記事に書いたのだが、私は果物が好きでも嫌いでもないフラットな感覚があり、ほとんど自ら購入しないのだが、このノイナーは別。
初めて食べた時にはその食感と味に感激した。
こんな果物食べたことがなかった!

食べたことのない人にその味を伝えると

ノイナーは英語でCustard Apple/カスタードアップル(Sugar Apple/シュガーアップル)という。
うん、なるほど。わかる気がする。

タイ人ではない方に「ノイナーって食べたことありますか?おすすめですよ。」というと、必ず「どんな味がするんですか?」と聞き返される。

どんな味か。

食感も味も独特で、他には似たものがないのでどう表現したらいいかな、といつも思う。とても美味しいので、食べたことのない人にその味を上手に伝えたいなと思うけれど、これがまた難しい。

一度ひらくとだんだん茶色くなってくるので、開いてすぐに食べよう

まず、両手を合わせて優しく小鳥を包むようにノイナーをもち、キュッと両親指に力を入れて真ん中でほろほろっとふたつに割る。
それくらい柔らかいのだ。
手にした時から香ってくるほんのりと甘い香水のような薫りが、実を割ったときにさらにふわ〜っと広がってくる。

そう、香りも柔らかくて、爽やかさのある甘い香り。
「あぁ、いい香り。」目を閉じて、鼻でも味わってしまう。
こんな香水があったら身につけたいと思う香りだ。

食べる部分は白い部分。タネがたくさんあるけれど、比較的大きくてつるんとしていているので、実をかじって、簡単に「プッと」吐き出す。

綺麗なタネ。ビーズにしてアクセサリーにしたいくらいピカピカでいい形。

濃厚クリーミーな中にも、シャリシャリとした食感が微かにあり、爽やかだけれどとても甘くて夢見心地。

強いて他のもので例えるなら、

酸味の少ないよく水切りされたヨーグルト(ギリシャヨーグルト)とカスタードクリーム、シナモンで煮つめたりんごをよく混ぜ合わせたディップのような感じ。

でも、香りは他では表現できない。普段、果物からあまり香りを強く感じ取ることはないのだけれど、ノイナーは”花”のような香りだ。

ちょっと想像できますでしょうか?

だから、ノイナーの英語名Custard Apple(またはSugar Apple)は「なるほど、そうよね!」と思う。

こんな味が生み出されてしまっているというのは、本当に自然の力ってミラクルだなーと再確認させてもらえる。

8つの健康的効果

このノイナー、調べてみると8つの効果の可能性があるらしい。

  1. 自然の抗酸化作用

  2. ビタミンB6が豊富で、気分を盛り上げる効果

  3. 目の健康・視力に効果

  4. 高血圧に効果

  5. 消化機能増進

  6. 抗がん作用

  7. 炎症を抑える

  8. 免疫力を上げる

今でも研究が続けられているようだ。

美味しい食べ方

ノイナーは、そのまま常温で食べてももちろん美味しいけれど、タイでは一度キンキンに冷やして食べるとのがいいらしい。
暑い日常ではやはり冷たいデザートが人気なので、カスタードアイスクリームみたいになるからだと。

私自身はもう常温でも冷蔵庫で冷やしてもどちらでもノイナー大歓迎!

ただ、どうやら今の若者にはさほど人気がないらしい。その理由は、他の果物と違って切り売りできないこと、タネが多くて加工にしにくいこと。
ということで、おじいちゃんおばあちゃんに大人気ということだった。
こんなに美味しいのに、おしゃれではないということかしら。

ふと思いついてしまった…。

ノイナーのタネと皮の部分を綺麗に取り除き、クリームペースト上にする。
それを軽くトーストした食パンに塩分の効いたバターを塗り、そこにノイナーのクリームペーストをたっぷりとのせてみたら…
卒倒する美味しさなのではないか!?と。

ホールウィートの食パンでさっそくやってみる

「卒倒!」には、ならなかったが
とてもおいしかった!

バターを塗った食パンにのせてみると、そのままで食べていたときのノイナーの”濃厚さ”が”爽やかな”甘さへと変化して感じられた。バターの濃厚さが勝ったのかもしれない。そして表面がカリカリになったトーストの上に乗せて食べてみると、ノイナーのジューシーさが引き立つ。

このノイナートーストにカシューナッツをトッピングしたい。
なんならメープルシロップをほんの少し。
それにこのオープントーストには紅茶が合う。アールグレイミルクティ。
エッグスタンドに半熟の茹で卵に塩少々。

タイでは6月〜9月(雨季)の果物なので、
季節限定、
旬な朝食として楽しめる。

ちょっと贅沢な気分。

もし、雨季のタイに来られる際には、是非お試しください。

※タイ以外では、南アメリカ、インドネシア、香港、台湾など、他のトロピカルな環境でも育ち、よく食べられているようです。

”酸味の少ないよく水切りされたヨーグルト(ギリシャヨーグルト)とカスタードクリーム、シナモンで煮つめたりんごをよく混ぜ合わせたディップのような感じ。”

これはやってみると普通に美味しいディップだと思います。ノイナー味のディップ。   


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