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トイレ事件簿と、...ばーば、一緒に寝てあげてください

我が家はリビングに仏棚がある

「仏壇」と呼ぶほどの、
あの昔のお家にある金と黒の
ザ ・仏壇!ではなく、
仏具と掛け軸、写真と遺影が置かれたスペース

白木の段が組まれている

我が家の仏壇は代々の仏壇ではなく、
ばーばの仏壇である

ばーばは、2年前に他界した

最近、何故か夜中に何回もトイレに行く、
トイレ事件の勃発を機に、
私と娘はリビングで寝るようになった

トイレ事件:
それは、気温がぐっと下がった日とお熱の日が重なった娘が、トイレに何度も起きる
しかし、「暗くてトイレの電気のスイッチがわからない」とか「階段が冷たい!抱っこして(泣)」とか、毎度叩き起こされる現象である

リビングに移動した理由は、トイレが近いから

寒い階段を一人で降りるのが嫌で、
毎度毎度、泣き怒り、起こされる

私の睡眠も取れないことと、
家族みんなを起こす非効率さ、
トイレを待つ間つけたストーブが温まらないうちに消し、またそれを繰り返し、
単純に、寒い!眠い!!

一人でトイレに行ける解決策として、
もう、いっそ隣のリビングで寝よう

ベットのマットレスを移動させ、
寝る前に敷いて、昼は立てかけるようにした

寝るまで起動していた部屋だから暖かいし、
のどが乾いたら水も飲めるし、
効率的じゃない?と思ってやってみた

娘のおもちゃと絵本はリビングにあるので、
寝る前に横から絵本も取れて、
実はすごく快適である

お片付けしないとマットレスが敷けないので、
自動的に片づける習慣がつく

あれ?これ、いいやん。

結局トイレ事件は1日で収束し、
プチ引っ越しした日の夜は1回起きただけだった。
それも、自分で起きて、一人でトイレに行って、帰ってくる

あのトイレ事件は何だったのか....

そんなこんなでリビングで寝るようになったある日、娘が寝る前にばーばの写真立てを抱えて言う

娘:今日は、ばーばと寝る
私:い、いいけど、
  それ、角尖ってるからさ、
  カカに当ててこないでね...(おどおど。
  だって、四角いし固いし痛そうなんだもの)

いきなり顔に写真立てが飛んでこないか、
ちょこっと恐怖を感じつつ、
結局、写真立てはお返しいただいた

寝る前に、娘が言う

娘:うーちゃん、ばーばと一緒に寝たかった
  ばーばと一緒にもっと遊びたかった!
  ばーばと一緒にジャンケンしたいよ!
娘:ばーばがいい。
  ばーば、はやく治ってほしい!(泣)

「はやく治ってほしい」

その言葉にぎくり。

ばーばは病院で息を引き取った

お葬式は親しい身内だけで、我が家で行った
火葬場で骨もひろった

もちろん、娘はずっと一緒にいた。

わかっていると、思っていた

でも、人が亡くなることについて、実は私が思っているほど、理解できていなかったのだろうか...

確かに娘は葬儀の準備で座布団に埋れて遊んでいたし、動かないばーばを見たからって、ちょこっと不思議に思っていたくらいだったのかな...

骨をひろう時も、飴ちゃん食べたいとぐずりが入っていたし、人が焼けて骨になることも、確かにその過程を見もしなければ、大人であっても想像できないかもしれない...

娘は、ばーばはまだ治している途中で、治ったらまた帰ってくると思っているのだろうか...

でも、私は聞けなかった

事実の突きつけ方が、わからなかった
何かを壊してしまいそうで、聞かなかった

気づけばボロボロと涙が伝う

娘の気持ちは痛いほどわかる
もっと一緒に遊びたかったよね
なんで死んじゃったんだろうね

結局娘はそのままストンと寝落ちして、
私は取り残されたまま...

お空で、とか..... 言った方がよかったのだろうか、
もういないってどう伝えられるだろう

霊とかお化けとか、見えないものや、いるのかいないのかわからないものを、物語のようにお話しするものだろうか...

それをより伝えられる時っていつだろう。


..... ばーば、一緒に寝てあげてください




じゅんぐり回していきます☺️ 忘れた頃に、大きく育ってあなたのもとにも還りますように🙌🏼