「楽しかった」

昨日の朝はいつも通りの介助。
ここ数日、掛け声で父が気取りやすいのは、
「左足前、両足揃ったら、右上後ろ、左足後ろ」とテキパキ言うこと。
少し難しいように感じることのほうが、父には良い。
足に触れて、「この足出して」といっても、微動だにしない。
むしろ、逆の方向へ動いてしまったりする。
車椅子へ移動するまでの介助が割とやりやすくなった。

外出予定のため、バタバタ準備しつつ
「今日はお出かけするからね」と時折父に話しかける。
どこへ連れて行かれるのか不安げで、
「どこに行くんや」と何度か聞く。

11:00 実家に妹(末っ子)が来て、
母と3人協力して、外出。
父にとって懐かしい場所へ行ってみた。
ヘルパーさんに同行してもらっての外出は安心でいいけれど、
家族との時間が作れることは、特別大切だと思う。
自分が病気になった先にあるものの中で、
病気だから仕方なく…ではなく、
病気だから出来るようになったこと、に気づけたら、
その日そのときは、嬉しかったり楽しかったり、
堪能できると思うから。

車椅子を車に乗せたり降ろしたり
父も何度も乗り降りをして、良い運動になった。
基本、移動はずっと車椅子だったから、
歩く場面はなかったし、そんなに足は動かしてないけれど、
乗り降りを繰り返す内に、慣れてきたので、
1日の内に何度もできるのは、
本人の中で、次にどう動くのかイメージしやすくなるのかな。


みんなでお弁当を食べて、お茶やカフェオレを分けて飲んで、
秋の風景を見たり、妹(真ん中)へのお土産を探したり。
道中、母と運転交代して、妹が運転してみて、
初めて運転している様子を見て「安心や」と言っていたり。

帰り際、面倒かもしれないけれど、せっかくだし。と、
記念写真を撮っておこう〜!と声かけたら、
意外と嬉しかった様で、車椅子に座りながら、
片足を軽く上げ、もう一方の膝に乗せ、格好つけた。笑
若い頃のヤンチャな気分に戻ったのか笑顔も昔の顔に戻っていた。
きっと、長女だから思ったことで、
妹は、発病後の父しか記憶にないから、驚いて喜んでいた。
何かの撮影会か?というくらい、連写していて、
父も少しポーズを変えたりして楽しんでいた。
キレイに撮れていなかったらイヤだから。と、
私も撮ることになり…。
娘ふたりでワイワイ言って父を盛り上げて、撮影会。
周囲から微笑ましく見られ、
「かっこいいねぇ」「写真集出せるねー」と言ってもらえた。
母はお手洗いで少しいなかった間に、そんなことになってて、
驚きながら、くすくす笑っていて、
両親の2ショットも何枚か撮っておいた。

夕方、早めに帰るつもりが、思いの外撮影に時間を取り、
肌寒い時間帯になってしまい、父がオフにならないか心配だった。

夕食準備ができそうにないので、
ローソンに寄り、肉まんと、おでんの大根&たまごを人数分買う。

17:00 帰宅。オフになることなく、テンポよく家に入れた。

やはり気分も大きく関わっているものなんだな、と感じる。
終始ご満悦で、
夕食、おでんの具材をたくさん追加してみんなで食べた。
食事中、大してトラブルもなく、勢いのある食べっぷり。

が、なぜか、またも、うがいができず、
19:00 ふくんだ水を出してくれなかったりで、謎。

就寝時は、
母が今日の感想を問い、
父は「楽しかった」と言って、眠った。

充実した日になって、よかったし、
笑顔が増えること、その笑顔がイキイキすることは、
とても嬉しいこと。

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