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つんの詩

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詩を書いています。ゆっくりしていってね。
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#散文

いつもシャボン玉の液を飲んでしまう。苦しくて苦い。きみが一生懸命シャボン玉を吹いているのを横目で見ている午後、僕は真横で冷たい麦茶を飲んでいた。夏って胸が苦しくなるね。それはきみに恋しているからかなぁ。汗をかくきみに見惚れて僕も汗をかいて僕らは川に出かけて水を掛け合った。

制服
制服を着ていたわたしたちは無防備に性の対象として消費されていた。アダルトビデオでは痴漢される私、道端で犯される私。男を憎んでいる。欲望を私たちにぶつけて、それを恥ずかしいとも思わない姿勢、軽蔑している。私たちはみんな怒りたかったから。貴方達に石をぶつけたかった。もう遅い。

家族の匂いがするベッドで昼寝する。嗅ぎ慣れている匂いだからか、とても落ち着く。木漏れ日が僕を優しく撫でるから、目が覚めたあと少し微睡みながら僕はその光に抱かれながら祈った。どうか世界が幸せで溢れますように。切実に、

桃🍑| じゅくじゅくした桃にキスをする。甘ったるくて夏みたいな味がする。君は桃の割れ目をなぞって挑発的にこっちを見つめてくる。わたしはそんな君に釘付けになる。君の虜。

自分の肌と肌が擦れ合うとき、私は自分の肌の柔らかさで気持ち良くなる。脂肪がふわりとついた太腿が離れては近づき、わたしは自らを愛撫したときのような快感が襲った。

キス💄 | 唇のやわらかい感触がした。君と触れ合って身体を触られたのに、嫌な気持ちにはならず境界線が緩やかに溶けていった。満月の光の元で君に恋する。まろやかな月の光が君の頬を照らす。

早く大人になりたいと願っているうちは子どもで、守られている不自由さもやさしさにも気づかないまま、ふらふらと漂っている。

別れ|多分もう会えないのにまたねという時の胸の痛みを瓶に入れて眺めていたい。